「[926]書店が消える」に貸本屋が消えたことを書きました。読者から投稿がありました。
読者より
小生も貸本屋で20冊くらい読んで、1冊だけ5円で借りたことをしばしば思い出します。
店屋物のうどんが15円くらいだったと思います。貸本屋は最初は田舎の名士が郵便局を営んでいて、その奥さんが店番をやっていました。切手収集ブームが数年後に生じて、記念切手なども郵便局だけでなく貸本屋でも販売するようになりました。そのころには田舎でももう一軒貸本屋ができました。
経済が豊かになり始めテレビなどを購入するお金持ちの家が増えた頃から、貸本屋さんの衰退が生じたように思われます。少年サンデーや少年マガジンなどが発売される頃からその兆しがあらわれ、それらの回し読みなども貸本屋の衰退に関係があるかもしれません。
テレビは田舎の映画館も潰したように思います。子供用の「世界文学全集」のようなものも出版され、貸本屋と競合したとも考えられます。
総じて、少し戦後の経済状況が「豊かに」なって本文化の営業担当がもっと儲かる業態に移りはじめたからなのでしょう。
でも、貸本屋の漫画などは大いにいろいろと役立ったと小生は思っています。
貸本屋専用の漫画があったとは知りませんでした。どおりで、本屋では見かけなかった漫画ばかりでした。
回顧すると、本屋には今日のように漫画コーナーは皆無でした。「小学一年生…」とかにも漫画は載っていなかったように思います。だから、少年サンデーとか少年マガジンが本屋の店頭に並んだのですね。鉄人28号、鉄腕アトム、伊賀の影丸…などの連載を思い出しました。貸本で返すのを忘れて、5円が50円になって、おやじに怒られたのも思い出しました。(汗)
この投稿に出てくる情景は、私にもゆったりした時間の流れとともに思い出されます。戦争が終わり十数年後の日本社会の人びとは、貧しさのなかで戦争の傷をゆっくりとなおしていたのだと思います。
60年後の今、日本はまた戦争に向かっています。