[939]疲れている兵士


 報道によればロシア軍が4日、ウクライナ東部ルハンスク州を制圧し、ウクライナ軍が東部から撤退しはじめたようです。
 5日の朝日新聞ウクライナ軍の兵士の気持ちが語られています。インタビューに応じた30代の男性兵士は、東部ドネツク州の出身で2014年に親ロシア派との戦いがはじまり、「健康な自分がレストランで酒を飲み、楽しんで暮らして良いのだろうか」と自問して「愛国心」から軍に入ったといいます。
 以下、朝日新聞から引用します。
 「男性は今、前線から離れることを望んでいる。ただ、軍人である以上、脱走するわけにはいかない。比較的平穏な場所に配置換えをしてもらうために、軍内部の『コネ』を使うつもりだという。
 『現場で戦っている兵士は決してあきらめていない』とも男性は言う。一方で、本当の戦況を知らされていないようにも思う。『もう疲れた。こんな状況で、人生を失いたくない』取材に同席した妻は、『夫の気持ちを尊重します』と話し、こう付け加えた。『彼の命は私の命でもあるのです』」(引用以上)
 
 一般的にはウクライナ軍の士気は高いといわれていますが、6月19日英国防省ウクライナは「ウクライナ軍はここ数週間、兵士の脱走に苦しんでいるようだ」と指摘しています。
 ロシア軍兵士も疲れていると思
います。
 
 私はこの記事を読んで、やっぱりそうだろうなと思いました。プーチンウクライナ侵攻直後には怒りをバネとして戦争に参加した兵士たちは、5ヶ月目に入って戦況も知らされず、家族の暮らしや自分の行く末を案じ冷静に自分を見つめはじめたのでしょう。果てしない戦争生活より日に日に自分の生命と家族の静かな生活が大切になるのは当然です。
 欧米日・資本主義諸国家の権力者にテコ入れされたゼレンスキー政府は、戦争を自分から終わらせることができなくなっています。脱走しなくてもコネを使えば安全な場所に配置換えできるというのにも驚きます。袖の下を使うのでしょう。そういうことが通用する軍隊はすでに内部から崩れはじめていると思われます。しかもインタビューした記者に軍内でコネを使うことを語るということは、後ろめたさのような感覚も失われているのです。
 もはやウクライナの兵士はゼレンスキー政権の戦争継続の意志と自分の気持ちにギャップを覚えはじめています。
 
 私はウクライナ戦争の即時停戦を願います。