[975](寄稿)揺れ動く政府、日本の医療行政は大丈夫でしょうか。


ペンギンドクターより
その1

皆様
 暑いですね。8月7日の立秋を過ぎて猛暑が続いています。いかがお暮しでしょうか。私はウェザーニュースを見て午後猛暑とあると仕事の日でも朝のうちに公園散歩をしています。明日土曜日は台風ないしそれに近い低気圧がやってくるので、臨時の仕事日でもあり、ちょっと悩んでいます。いざとなれば、最近の女房の試みのように、家の一階の部屋を廻って一時間競歩?するかなと考えています。アムロジピンをニューロタンに変更したおかげで、下腿足背のむくみはなくなりました。ニューロタンの25ミリは維持量の半分ですが、効果十分で朝夕の血圧も収縮期圧110前後・拡張期圧60台となりました。高齢になると一般的に血管は弾力性がなくなるため、拡張期圧が低下します。未治療の老人など極端な場合、上が180下が50と差が大きくなり、この状態が最も危険です。というわけで私のニューロタンへの変更は正解でした。今月末にはクリニックを再診し、90日分処方してもらうつもりです。
 コロナワクチンは4回目がすみましたし、先日は5年ぶりの肺炎球菌ワクチン接種もすませました。肺炎球菌ワクチンは2回目ですから補助は出ないので8000円の自費でした。衰えはあるので今出来ることはやっておきます。

 本日転送しますのは、東京大学の理Ⅲの学生で「単位不足?」のため留年となった学生の話題です。東京新聞が最初にとり上げたようですが、他のマスコミも報道しているのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。遠因はCOVID‐19関連ですので、転送します。金田北大医学生の主張はイギリスエジンバラ大学留学のメールでお馴染みです。この主張に続いて、本日この後、こちらもお馴染みの東大学生杉浦氏の17年先輩にあたる尾崎医師の意見も転送します。(編集者註∶次々回に紹介します)医学生杉原氏が怠惰な人間ではなく、社会的な視点を有する有望な学生であることは確かなようです。
 1968-69年の東大全学の闘争(紛争)につながった東大医学部処分問題でもそうでしたが、東大というところは、往々にして柔軟性を欠いた「官僚的な対応」に終始するところがあります。つまり「東京大学」というのは松本清張立花隆などに取り上げられたように「官僚養成」の大学として出発した経緯もあり、また他大学に比べて東大教授ともなればより安定した職場でしょうから時代の変化についていけない面もあるかもしれません。いろいろな意味で、この問題の今後の推移が注目されるでしょう。
 そもそも、コロナ第7波、ロシアのウクライナ侵攻、安部元首相主導の「旧統一教会」との癒着に端を発した政局など、日本の現状は極めて危機的ではないかと思われます。一人の医学生の留年どころではないと言う人も多いでしょうが、日本の教育の大きな問題の一端がここにあらわれているような気もします。
 ちょっと話題が飛びますが、岸田改造内閣で新たに文部科学大臣となった「永岡佳子氏」は今まで少しでも教育現場とか教育行政に意見をもっていたという話は聞きません。岸田政権が教育というものを軽視しているのかと疑いたくなる閣僚選出でした。とりあえず「女性」を起用するために選出したのかと女房と話していました。当面は経済・コロナが最も大切なのはわかりますが、若い人の教育は日本の沈滞を打破するために絶対的に必要です。IT時代の若者の再教育は経済復興につながります・・・・・・。
 
 コロナですが、私の勤務している病院のコロナ感染者情報をホームページから引用します。
7月11日(月)、16日(土)・・・当職員2名
7月20日(水)、21日(木)、22日(金)、23日(土)・・・当職員10名
7月25日(月)、28日(木)、29日(金)、31日(日)・・・当職員4名
8月1日(月)、2日(火)、3日(水)・・・当職員3名
新型コロナウイルス感染症への感染が判明しました。現時点で本件による診療の制限はありません。
 
 全国の病院でも似たような状態でしょう。日大板橋病院では47名の医師の感染が判明し、入院体制を縮小するとのニュースがありました。重症化する患者さんは少ないとはいえ、医療従事者の感染が急増しているので、外来・入院を通常通り動かすことは不可能です。それなのに、医療従事者の4回目ワクチンは施行せず、としていた政府、あわてて4回目を接種することになって、またまた不信感が広がっています。オミクロン株に有効なワクチン接種も始まるようですが、揺れ動く政府すなわち日本の医療行政は大丈夫でしょうか。
つづく