[996](寄稿)4回目コロナワクチン接種


ペンギンドクターより
その1

皆様
 はや9月に突入しました。暑いと言っても6月の猛暑とは異なり朝夕はしのぎやすくなりました。
 
 「浮かれ出たミミズ百匹日干しなり 6月猛暑地の底熱く」
 
 6月末公園散歩をしていたらミミズが50匹以上コンクリートの上で日干しになっていました。そばの草地から這い出たものと思いましたが、どうしてその周辺だけ大量のミミズが死んでいるのか首をひねるばかりでした。何時も通る場所ですが、その後それほど大量のミミズの死は見ていません。先日は長いミミズが一匹のたくっていたので枯枝で拾い上げて草地に戻してやりました。いいことをしたと満足しました。もう昔のことになりますが、那須の道路を歩いていたら、蛇を見つけ石を投げたところ、胴体の真ん中に当たり、胴を変形させてしまいました。何とか動いて草むらに消えました。あの後死んでしまったかもしれません。青大将でしたが、可哀想なことをしたと今も散歩しながらミミズやイモリ、蛇などを見るとそのことを思い出します。


 転送する4回目コロナワクチンの主張は6月2日のものです(編集者註:次々回紹介します)から、古い記事ですが、皆様は4回目接種をおすましでしょうか。私は医療従事者枠で早く3回目がすんでいたので、4回目は高齢者枠でしたが、7月初めにすませました。以前にも言いましたが、感染防止にはならないけれど、抗体価はともかく細胞免疫も関与しているので、重症化防止には役立ちそうだと接種した次第です。その後「若い医療従事者にも接種」と方針が変化しました。揺れ動くのは日本の医療行政の特徴ですから、今さら怒る気にもなりません。変異株対応のワクチンも出てきて、これをどうするか悩ましい事態は続きます。
 私の希望的観測ですが、変異株が出ても関連する株ですから、それなりに免疫は出来ますし、実際に感染した人びとも多くなっているので、窓を開けて換気を十分にすることで、10月11月のクラス会等は可能だと思っています。
 全数把握については、前にも言いましたように、統計だけの目的として性別・年齢別だけの入力でいいので全数だけは把握しておくほうがいいと思っています。自分で検査して自己申告でもいいでしょう。つまり、高齢者・持病を持つ人は追跡できるようにしておくとしても大多数の無症状や軽症者は数だけ把握でいいということです。これだけ多くなれば濃厚接触者を決める必要もありません。急変した場合をどうするか・・・・・・という議論はいつでもどこでも出て来ます。それは数が少ないから無視してよろしい。医療に携わっている私には今まで元気だった人が急死するなどは日常のことでした。要するに新型コロナは病気です。人知れず一人暮らしの人が病死していたというのはよくあります。私は警察の要請でその検視に出かけたことがあります。人の命は重要だと言っても、それは仕方がないことです。稀な急死の恐れがあるから、入院させて観察するとなると、癌の治療などのコロナ以外の疾患の治療が出来なくなります。軽症者は無視するしかありません。

 自治体や医師会、さらに厚労省の対応を見ていると、イライラします。というのは、これは地方自治体や医師会などの問題ではなく、国すなわち政府、国全体の問題、具体的には厚労省の問題です。
 このへんでやめておきますが、日本人の会議をいろいろ経験した点から言えば、会議ではシャンシャンの全員一致で発言ないし異論がなければよしとする傾向がある一方で、異論が出るとその異論を無視できずに、その意見も加えるので、実際に運用するとき、大変時間を要して、実際的でなくなることになります。日本人はいい加減なところが山ほどあるのに、完璧主義にこだわる傾向があります。私自身の日常的な生活でも、自ら経験済みです。
 私は医師ですから、目の前の一人の患者さんの命をどうすれば本人・家族の希望に最適解が与えられるか考えますが、一方で100人のうち1人を考えるより、99人をどうするかを考えるマスの思考も重要だと思います。ジレンマですが、それが統計に基づいた政治的思考です。批判覚悟で政治家は国民に語りかけることです。