[1029](寄稿)飲酒について

ペンギンドクターより
その1
皆様
 いよいよ10月に入りました。数日すると寒くなるとの予報です。季節の変わり目です。体調にはくれぐれもご注意ください。
 本日の転送内容はアルコール摂取についての情報です。参考になれば幸いです。ただし私の意見は多少異なります。
 大西睦子さんが述べるように以前から適量の飲酒は心血管系に好ましいとありますが、最近の医療情報では、心臓疾患たとえば「心房細動」に関して、少量のアルコールも発生の増加をもたらすというニュースを見ることがあります。アルコールは脈拍を増加させますから、定説はともかく高齢者に多い心房細動では、アルコールがいいとは言えないと私は思います。
 疫学というのは、サンプルの数や内容によっていろいろな結果が出てくるものですから、真実は何か、難しいのは確かです。
(編集者より∶大島睦子さんの「飲酒が『病気予防につながる人、むしろリスクになる人』の差」は後日紹介します。)
 
 さて、私自身の健康のことです。一応データ的には良好です。8月1日(月)、クリニックへ降圧薬をもらいに行った時に、採血と胸部写真を撮ってもらいました。「寝違え」と思っていた左背部痛がなかなか良くならないので、4月の人間ドックでは異常なしだったものの、女房にも脅かされて、ついでに撮ってもらったのです。「異常なし」でした。痛みも軽減する傾向があり、今はなくなりました。今度は別に右大腿部痛やら頚部痛やら朝のテレビ体操まで全身の節々がゴキゴキ悲鳴をあげています。ただし内服薬は降圧薬ARBだけです。
血液検査では、
 血色素量13.5g/㎗、ヘマトクリット44.3%、赤血球数454万/㎕、白血球数5800/㎕、血小板数15.6万/㎕
 アルブミン4.3g/㎗、総ビリルビン0.43㎎/㎗、
 AST22U/ℓ、ALT17U/ℓ、ALP53U/ℓ、LD198U/ℓ、
 γ-GTPは測定していません。
 HDLコレステロール54㎎/㎗、LDL117㎎/㎗、中性脂肪131㎎/㎗
 尿酸5.1㎎/㎗、尿素窒素16.0㎎/㎗、クレアチニン0.90㎎/㎗
 血糖は121㎎/㎗でした。HbA1cは測定していません。最近6.2%ぐらいで少々高めです。 
 
 慢性心不全のマーカーである、NT-proBNP10pg/ml(基準値125以下)
でした。
 もともと血色素量は低めです。正常下限と言えます。肝機能はまったくの正常です。ASTとALTの正常値はそれぞれ10~40、5~45ですが、30を超えると「脂肪肝」の傾向が出て来ます。その場合、腹部エコーで脂肪肝の有無のチェックが必要です。うちの女房は、この値が30台を超えたので、ショックを受けて1日6000歩以上のウオーキングを開始したわけです。
 γ₋GTPは測定していませんが、毎日アルコールをガブガブ飲んでいた時も異常になったことはありませんでした。
 運動後の脈拍がなかなか70台に戻らなくなって、心不全マーカーが気になっているのですが、正常でした。
 
 高齢者になるといろいろな異常が出てくるのは当然ですが、私は10年以上前からHbA1c(糖尿病のマーカー)が6.2~6.5となりいわゆる糖尿病ないしその予備軍となったので、果物やケーキなどの間食は一切やめて摂取の場合は、3度の食事の時と決めました。以後律義にそれを守っています。そのおかげでずっと6.2~6.4の間で悪化していません。
 またアルコールについては、4-5年前の人間ドックの心電図で「右脚ブロック」の診断となったので、それまで休肝日なしに毎日純アルコールで50㏄程度は飲んでいたのを、週2回純アルコール30㏄未満と決めました。右脚ブロック自体は気にすることはないのですが、それまで全く正常だったのが、急に出現したので節制することに決めました。自分で決めたので、汗をかいた後など飲みたくなるのですが、女房に「自分で決めたのでしょう!」と言われると、我慢して毎週(水)(木)に限定してそれ以外はアルコール禁止の決まりを守っています。ただし、例外はあって、「ハレの日」つまり、友人と飲む時やお祝い事などがあれば、制限は撤廃です。コロナ以後、幸いというか不幸というか、こういうハレの日がなくなり、飲む機会はありません。
 また(水)(土)の夕食のメイン料理を自分で作ることにしたので、自作の料理を食べながら、録画の「呑み鉄本線」「鉄道絶景の旅」「美しい日本を旅する」などの気楽な旅番組をみながら25度の焼酎120㏄前後をチビチビ舐めています。
 ついでですが、(月)昼食には大体私が買い置きの「蕎麦」を茹で、副菜に「人参の粉チーズ和え」を作っています。
 (月)の副菜「人参の粉チーズ和え」と(水)(土)の副菜「人参と牛蒡のキンピラ」「小松菜の煮びたし」は「電子レンジ料理」です。特にキンピラは細切りに時間がかかりますが、好きなCDを流しながらですので、あまり苦にはなりません。この3つはなかなかの「酒のつまみ」にもなります。

 さて、先日市役所で「後期高齢者保険証」を取得してきました。子供の頃の感覚で言えば、75歳といえばものすごい老人のように思えたものです。今は100歳超の人びとが珍しくはなくなりました。
 とはいっても、女性の健康寿命が75歳代、男性の健康寿命が72歳代で、私自身も「終活」の準備を開始しています。先日義兄の納骨で娘2人と私たち夫婦の4人で話す機会ができたので、まもなくやってくる相続のことなど立ち行った話をしました。上の娘が「どうしてお父さんが先に逝くと決めたの?」と聞くので、「男の寿命は女より短いし、ママは私より2歳下だから、常識的には俺が先だよ」と答えました。さらに交通事故などでは、両親が一緒に死亡する場合もあるので、銀行預金や不動産などのメモも年に一度二人に送ることにしました。家族歴からみて私の場合、心血管疾患が死因になることが可能性として大なので、突然死もありますから、ある程度決めておくほうがいいと思っています。
つづく