[1054]中国共産党第20回大会に想う その2

 中国共産党第20回大会をロイター通信が伝えています。

2022年10月16日3:09 午後3日前更新

中国共産党大会が開幕、安全保障に照準 習氏活動報告 ロイター編集 [北京 16日 ロイター] 

 中国共産党の第20回党大会が16日、北京の人民大会堂で開幕し、習近平党総書記(国家主席)は今後の施政方針となる活動報告を行った。

 安全保障に焦点を当て、政策の優先課題を再確認。世界クラスの軍構築加速を呼びかけるとともに、新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」政策の成果を強調した。

 習氏は前回の党大会からの5年間を「極めてまれで異常」と表現。「苦難の感覚を強め、収益を重視する思考を堅持し、平時に危険への備えをし、強風や高波などの大きな試練に耐えられるようにしなければならない」と述べた。

 今回の活動報告は2017年とほぼ同じ長さだったが、前回と異なり全文を読み上げなかったため、習氏の演説は2時間弱と約3時間半に及んだ前回よりも短かった。  習氏は国家安全保障の強化、食料・エネルギーの確保、サプライチェーン(供給網)の確保、災害対応力の向上、個人情報保護などを訴えた。

 最大の拍手が起こったのは、台湾独立への反対を改めて表明したときだった。 ロイターの集計によると、活動報告で習氏は「安全保障」や「安全」という文言を89回使用。17年の55回から増加した。一方、「改革」という文言の使用は5年前の68回から48回に減少した。

 シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院のアルフレッド・ウー准教授は、中国経済の減速に伴い、習氏は正当性の根拠を経済成長から安全保障にシフトさせようとしていると指摘。「習氏は中国が多くの危険に直面し、比喩的に言えば戦争状態にあり、自分は救世主である、と説いている。これにより習氏は求心力を得ようとしている」と述べた。

 習氏はまた、「社会主義市場経済」を微調整しつつ、民間セクターを支援することや、市場が主な役割を担うことを容認する姿勢などを改めて強調した。

 19年に反政府デモに揺れた香港については、共産党が状況の掌握に成功したと評価した。

 台湾問題を巡っては、習氏は「分離主義や干渉に対して断固として大いなる闘争を展開し、国家主権と領土保全を守り、台湾の独立に反対する強い決意と能力を示してきた」と述べた。 共産党が「人類史上最大の貧困との闘いに勝利した」とも語った。

以上ロイターから一部引用しました。

 同じ第20回大会とはいえ、ソ連共産党第20回大会と中国共産党第20回大会は世界の歴史にとっての意味はまるで違います。 

 前者は「社会主義」建設と党建設の破綻の乗り切りの結節点であり、今日からとらえかえすならば、スターリンなきスターリン主義ソ連邦の終わりのはじまりであったと言えます。

 後者は破産したスターリン主義から国家資本主義へと転向した中国共産党が米欧日の資本主義に対抗する「社会主義現代化強国」という名の習近平式資本主義国家を今世紀半ばまでに完成させるとことを明らかにしたものです。鄧小平の改革開放•社会主義市場経済イデオロギーにもとづきながら純鄧小平系の「共青団派」を指導部から排除し、習近平専決体制のもとで政治的経済的軍事的に行き詰った「強国」中国をつくっていく区切りの大会となったと言えます。国家にレギュレイトされた「習近平の中国の特色ある」資本主義づくりのステップを踏んだと言えます。それは同時に労働者階級にたいする搾取と抑圧が強化されるという意味をもっています。

 ウクライナ戦争はウクライナ、ロシアの労働者階級の犠牲の上になお続けられています。この戦争の意味するものは現代資本主義の歴史的危機であり、この戦争への各国権力者の対応によってさらに危機は深まり、その犠牲は各国労働者階級の上に転嫁されています。

 中国はロシアとのブロックを形成し米欧日に対抗するでしょう。

 労働者階級のインターナショナルな連帯と団結が必要です。