[1078]中国、景気浮揚策へ

14日中国の不動産株が急上昇しました。

 習近平が自ら招いた不動産不況の解消に向けて動き始めたことに市況が反応したと思われます。香港取引所に上場する業界最大手の碧桂園(カントリー•ガーデン•ホールディングス)の上昇幅は50%を超えるときがありました。(15日日経新聞

 中国のSNSウェイボに流出した資料によると、中国人民銀行と銀行保険監督管理委員会が11日付けで不動産市場の健全で安定的な発展を支援するよう求める通知を交付しました。具体的には6カ月以内に返済期限が来る不動産会社にたいして融資の1年延長を認めるというものです。習近平はバブル対策よりも景気浮揚に経済政策の舵をきっていると言えます。

 それはこの間不動産バブル問題の解決を主導してきた郭樹清の更迭に示されています。

 銀行保険監督管理委員会の主席を兼務していた郭樹清は、2021年に「住宅価格は永遠に下がらないという賭けをしている人は最後に大きな代償を支払う」と警告して中国の不動産バブルの抑制を主導してきました。恒大集団は銀行からの融資を止められ破綻しました。

 習近平の共同富裕論にもとづく巨大独占資本にたいする規制の先頭に立っていた郭樹清。その人を更迭するということは、不動産バブル問題の解決策が逆に中国経済の危機を招いていることの責任を郭樹清に押しつけたということを意味します。

 これから習近平は危機的な国家資本主義の回復のための諸政策をとるでしょう。すでに停滞の要因となったゼロコロナ政策の緩和の兆しが見えはじめていますが•••。