[1124]連合の新年会で岸田首相が演説

 5日に行われた連合の新年会に岸田首相と松野官房長官が出席しました。総理大臣と官房長官がそろって2年連続で出席するのは民主党政権時代も含めて初めてです。

 岸田首相は次のようなことを言いました。

「今年も連合の新年交歓会にお招きを頂きまして誠にありがとうございます。働く人の立場に立って、三位一体の労働市場改革を加速して参ります」

 これに先だって芳野会長は年頭の記者会見で、「コロナ禍、物価高、円安の三重苦が生活を圧迫していて厳しい状況となっている」、賃上げについて「ターニングポイントの年になる」と語りました。

 芳野会長は賃上げについてターニングポイントの年になる、と言いますが組合の団結力でこれまでの闘いの敗北の歴史をひっくり返すという構えは感じられません。

 芳野会長は、労働者の団結した力で大幅賃上げを勝ちとるという思考回路はないようです。組合の新年交歓会に自民党公明党政権の代表を呼んで「三位一体の労働市場改革を加速」すると傲然として語る首相と協力して賃上げを、というリーダーのターニングポイントとは、ますます政労使協議路線を純化するということなのです。

 こういう場面を見た若い組合員の中にはは、自分が組合員であることに疑問を持つ人もいるのではないかと思います。これでは自民党に投票して政府に期待しようとなってしまいます。実際、労働組合の組織率が下がっています。

 幹部が政府と財界に賃上げをお願いする行動が賃上げ闘争だと思い込み、政労使会議に闘いを解消している限り組合の強化拡大はできません。

 会社経営者にたいして組合が主体となって賃上げを獲得するために運動を展開することを通じて、組合を強化しなければなりません。組合幹部は多くの組合員と膝づめで議論することが闘いの基礎にされなければならないと思います。