[1152]自民党2023年の運動方針案「連合と連携強化」

 自民党の2023年の党運営方針案が報道されました。4月の統一地方選挙を「党の浮沈をかけた一大決戦」位置づけ、労働組合•連合との「連携を強化する」とされています。

 この案で自民党は、連合を闘いの相手ではなく協力してくれる相手と見ていることがわかります。一昨年の衆院選で愛知選挙区でトヨタ労連が組織内候補を立てず、自民党候補者を当選させたという「実績」があります。

 連合芳野執行部はどう答えるのでしょうか。

 おそらく、「人物本位で是々非々に」というでしょう。こんにちの連合指導部は、交渉•闘いの相手に選挙で連携強化を求められることをバカにされているとは感じなくなっています。労働者の代表としての誇りの持ちどころが、政労使で協議する場の一角を占めることに移動させられています。

 2023春闘は政労使協議路線では敗北します。現場から物価値上げ反対、大幅一律賃上げの運動を!

 毎日新聞を引用します。

少子化対策「重大な危機に立ち向かう」 自民党の運動方針案判明

2023/2/3

自民党の2023年運動方針の原案が判明した。岸田文雄首相(党総裁)が最重要課題に掲げる少子化対策について「国民共通の重大な危機に真正面から立ち向かう」として、党としても重点政策に位置づけた。憲法改正は「憲政史上初の大事業。早期改正の実現を目指す」とした。26日の党大会で採択する。 4月の統一地方選は「今後の党の浮沈をかけた一大決戦」とし「万全の必勝態勢」を組むとした。22年の運動方針で打ち出した連合との連携を巡っては「連合並びに友好的な労働組合との連携を強化する」とし「雇用の安定や構造的な賃上げなど、働く人々の側に立った雇用労働政策の充実を目指す」と明記した。【花澤葵】 

 

 「構造的賃上げ」という言葉が政府、財界から発せられていますが、様々な領域のことがゴチャゴチャにして言われているのでわかりにくいです。要するに労働生産性の向上と賃上げをセットにして実現すること、そのために労働者はデジタル技術を学べということです。

 労働組合は政府、経団連の「構造的賃上げ」論を警戒し批判しなければなりません。リスキリングの過程と技術化された生産過程で労働強化やテクノストレスが生産されるだろうからです。そしてついていけない労働者は解雇され、多くの人が低賃金の非正規雇用労働者とならざるをえないでしょう。

 連合は是々非々で、などと言わず、2023春闘の最中にうちだされた自民党運動方針案に対決すべきです。

労働運動、冬の時代は続く。