[1202]沖縄で戦争の避難訓練

 

 78年前のきのう(3月26日)沖縄戦が始まりました。朝日新聞天声人語」が「有事になってしまえば沖縄の人々の命を守るのがいかに難しいか」とうったえています。冒頭で学徒兵の証言を引用しています。

 「山へ逃げる人々で街道は埋まった。幼い子の手をひく女性、てんびん棒で荷をかつぐ人、杖にすがる老人。」

 これは学徒兵が見た本島の光景です。切迫した戦争のリアリティーが目に浮かびます。

 78年後、沖縄の石垣島自衛隊が駐屯しました。中国、北朝鮮から見れば自身に向けられた前線基地と映ります。

 NHKニュースウェブは次のように伝えています。

 「防衛省は16日、沖縄県石垣島陸上自衛隊の新たな部隊を発足させ、「石垣駐屯地」を開設しました。 国は南西諸島の防衛を強化するとして離島への自衛隊配備を進めていて、沖縄では与那国島宮古島に続く動きとなります。」「石垣島への陸上自衛隊の配備は、南西諸島での防衛態勢の強化の一環として与那国島宮古島に続くもので、隊員およそ570人、車両およそ200台が配備されています。」「住民の賛否がわかれるなか、今月22日には防衛省による住民説明会が行われる予定です。」

 

22日、説明会が行われました。FNNオンラインを引用します。

 

 石垣駐屯地めぐり住民説明会 ミサイル配備に懸念も 

3/23(木) 16:51配信 FNNプライムオンライン

 3月に開設した陸上自衛隊の石垣駐屯地について、住民説明会が開かれた。 防衛省と沖縄・石垣市は、3月16日に開設された陸上自衛隊・石垣駐屯地の概要や今後の運用について、22日夜、住民説明会を開いた。 市民からは、駐屯地から出る排水に関する質問や要望のほか、反撃能力の保有にともなって、長射程ミサイルは石垣島に配備されるかなど、懸念も示された。

防衛省の担当者「スタンドオフミサイルの具体的な配備先は決まっていません」

石垣島への自衛隊配備に反対する市民団体は、短時間の説明会では、市民の不安や疑問に答えられないとして参加を拒否し、防衛省と市に公開質問状を出した。

沖縄テレビ 

 

 また、78年前と同じことが繰り返されようとしています。先日、沖縄県自衛隊と共に他国による攻撃を想定して避難などの図上訓練を行いました。これには先島諸島の5市町村も参加しました。

 ロシアの侵攻をきっかけとして今なおつづくウクライナ戦争は、21世紀現代世界の東西諸国家間の支配秩序に地殻変動を引き起こしています。戦争の時代に入ってしまいました。

 台湾海峡日本海で米日韓と中国・北朝鮮間の軍事的緊張が高まっています。東西資本主義国家の覇権争いの狭間で、戦争の前線基地となる沖縄で暮らす人々はまた生命の危機にさらされます。