[2249]ヒットラーの選挙プロパガンダに似ている

 

 昨日高市首相の広告動画について書きましたが、ひとをバカにしたような広告でした。ヒットラープロパガンダを連想しました。

 

高市広告のセリフを一部紹介します。

 

「未来は自らの手で切り開くもの。自民党はその先頭に立ちます。逃げません。ぶれません。決断します」

 

 こういうアジテーションを何度も聞かされると、フッと頼りにしたくなるのかもしれません。

 絶望した人々を雰囲気的に信頼させるような語りかけで、わたしはこの動画を見てこの人はこういえば大衆に受けるだろうと思っているのだろうと感じました。逃げないとかぶれないというのはそんなこと言う前に黙って実践すればいいのです。自分の政治活動を見ている人がそのように評価するということであって自分がわざわざ言うことではないと思います。

 

 けれども、多くの人が今と将来の自分の生活に閉塞感があり、既成の政治家に打開することを望んでも仕方ないという気持ちになっているところにこの広告動画を見せられれば自民党に投票してみようという気持ちにフッとなってもおかしくありません。SNS動画を見る人の意識に刷り込もうとしています。

 小選挙区選挙の結果にこの動画が影響を与えたといえるかもしれません。

 

 ネットでヒットラーの選挙プロパガンダを調べてみました。

 ヒットラーは著書『わが闘争』で次のように書いています。

 

「宣伝効果のほとんどは、人びとの感情に訴えるべきであり、いわゆる知性に訴えかける部分は最小にしなければならない。われわれは大衆に対して、過度な知的要求をしてはならない。大衆の受容性は非常に限られており、彼らの知性は低い。しかし、忘れる能力は非常に大きい。これらの事実にもとづき、宣伝を効果的にするには、要点を絞り、大衆の最後の一人がスローガンの意味することを理解できるまで、そのスローガンを繰り返し続けることが必要である。」(我が闘争

高市首相はこれを読んでいると感じました。

[2248]希望なき時代の人気投票

 衆院選挙は自民党が圧勝しました。わたしは8日のTV選挙速報で画面にアップされた小選挙区の日本地図が、自民党の赤いワッペン1色になっているのをみてさすがに驚きました。誰が候補者なのかが問題なのではなく自民党であることが必要十分条件だということを赤1色のワッペン群は物語っていました。

 議会の多数を得ることによって、自維政権による日本の戦争対応政策がスムーズに進められようとしています。わたしたちは戦争の方向に流れていく政府に抵抗しなければなりません。

 それにしてもどうしてこんな結果になったのか。考えてみます。

 高市首相に期待する人が多くいたということです。政策がいいから支持するということではなく、根回し談合好きのこれまでの古いタイプの人と違い、1人で決断しはっきりものを言う人のようなので、やらせてみようという気持ちで投票した人が多かったのではないでしょうか。それほど強く期待してはいないが他よりいいだろう、やらせてみてダメならどうするかまでは考えていません。

 わたしはネット動画をみないのでSNSを使った選挙活動をリアルには知りませんでしたが、9日のBS「報道1930」で高市首相の自民党広告動画を見ました。30秒の広告で選挙政策はなく政治家としての姿勢のようなものを示した語りでしたが、実に再生回数は1億回を超えたそうです。広告ですからほかの動画を見ていても自動的に挿入されるもののようです。

セリフを一部紹介します。

「未来は自らの手で切り開くもの。自民党はその先頭に立ちます。逃げません。ぶれません。決断します」

 こういうアジテーションを何度も聞かされると、フッと頼りにしたくなるのかもしれません。

 多くの人が今と将来の自分の生活に閉塞感があり、既成の政治家に打開することを望んでも仕方ないという気持ちになっているところにこの広告動画を見せられれば自民党に投票してみようという気持ちになってもおかしくありません。

 今世界の資本主義は経済的に行き詰り縮んでいます。東西対立の中で侵略戦争が日常的に繰り広げられています。

 世界の資本家階級とその政府はAI合理化と金融でなんとか生き延びようとしています。犠牲は労働者階級に押し付けられ、みんなアップアップの生活を強いられています。

 それを打開する方途が労働運動、市民運動の中で示されません。選挙のなかで既成の政党がよかれと思って訴えても多くの国民は古い政治家の演説としか受け止めなくなっています。つまり物価高反対とか軍備増強反対とか正当な意見をいっても心のなかにしみてこないということです。それは主張の内容に限界があるということだけではなく、考えたくなくても考えざるを得ないことを迫るような運動の波が社会になくなったことが大きいと思います。

 戦乱の中で生活不安が重く、意識の底には絶望があると思います。
 それを受け止める運動体がない。わたしはその運動の芽をつくることが大切な時代だと思っています。矛盾に満ちた社会を変えることができるという希望があれば、人は苦しくても耐えることができると思います。

これからいかにたたかうか問われます。

 わたしは、選挙で議員を選び議会で国の政策を決定するというシステムは社会変革の一つの手段にするのは必要だが、社会を変革する主要な手段にすることはできないと思っています。議会第一主義はとにかく票を取らなければならないので大衆迎合に陥るのは必然的です。戦争準備に向かう世相に抗して反戦を掲げ、負けることも覚悟して議会選挙でたたかわなければなりません。とにかく選挙結果が重要な議会主義に陥るとこういう闘い方はできなくなります。

[2247]西側の立場貫くIOC

 ミラノ・コルティナオリンピックがはじまりました。ロシア政府のウクライナ侵略を理由にしてロシア、ベラルーシは参加を拒否され、両国選手は「中立」という踏み絵を踏んで参加しているようです。

 オリンピックはやはり支配するものの階級性を刻印されています。西側諸国権力者が主導するイベントです。それは参加しているアスリートたちがしみじみと感じていると思います。

 国境がなくなるまで参加する人たちの心のくもりは消えないでしょう。

ウクライナ選手団に大歓声 侵攻から4年、観客が連帯示す 五輪 
2/7(土) 6:43配信 

 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの開会式が6日夜(日本時間7日未明)に開かれた。ウクライナの選手団が入場すると、各会場でとりわけ大きな歓声と拍手が上がった。  
 ロシアによる全面侵攻開始から今月24日で4年。いまだ戦乱の渦中にある国の代表に、多くの観客が支援や連帯を示した。 コルティナの会場で旗手を務めたスケルトンのウラジスラフ・ヘラスケビッチ選手は、国旗を力強く振った。
 ロシアの選手が「個人の中立選手」(AIN)としての参加を認められたことを強く批判している。 フィギュアスケートの唯一のウクライナ代表、キリロ・マルサク選手は、ミラノの会場で踊りながら歩き、五輪初出場の喜びを表現した。大会公式サイトによると、ウクライナからはスキーやスケートなどの競技に46選手が出場する。【ミラノ福永方人】

以上

 ああいう時代もあったというように痛苦に振り返る日が来るにはまだ時間がかかります。 

 日本の衆院選の速報をTVで見ました。まるで「浮動票」という組織票が「自民党」になだれ込んだという感じがします。選挙劇「静かな熱狂」とでもいう他ないです。

[2246]膠着しているウクライナ戦争停戦交渉

 アメリカの停戦仲介は進みません。ロシア、ウクライナ(EU)の権力者が引くに引けなくなっているところに、ディールのために首を突っ込んでも本質的には相手にされません。国際的反戦の声がロシアウクライナ両国の国民を鼓舞しなければ戦争は止まりません。

 ウクライナ、欧米と停戦監視計画で合意 ロシア違反なら軍事介入も=FT
ロイター編集
2026年2月3日午後 2:56 


ウクライナ、欧米と停戦監視計画で合意 ロシア違反なら軍事介入も=FT
 2月3日 ウクライナが欧米諸国との間で、将来の停戦合意に対してロシア側による持続的な違反があった場合、欧州と米国が協調した軍事行動を取る計画に合意した。
[3日 ロイター]

- ウクライナが欧米諸国との間で、将来の停戦合意に対してロシア側による持続的な違反があった場合、欧州と米国が協調した軍事行動を取る計画に合意した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が3日、協議の内容を知る関係者の話として報じた。
 同紙によると、この計画は昨年12月から今年1月にかけて、ウクライナ、欧州、米国の当局者の間で数回にわたり協議された。ロシアによる休戦協定へのいかなる違反に対しても、多段階の対応を取る内容となっている。
 ウクライナ、ロシア、米国の代表団は4日と5日の両日、終戦に向けた会談のためアブダビで会合を開く。
 提案されている計画では、ロシアによる停戦違反が発生した場合、24時間以内に対応を開始する。まず外交的な警告を行い、必要に応じてウクライナ軍が違反を阻止するための行動を取るという。
 戦闘がそれ以降も継続した場合、第2段階の介入に移行する。これには多くの欧州連合(EU)加盟国のほか、英国、ノルウェーアイスランド、トルコなどで構成される、いわゆる有志連合の軍隊が利用される。

 さらに、攻撃が拡大した場合には、最初の違反から72時間後に米軍を含む欧米が支援する部隊による協調対応が発動される仕組みとなっている。

以上

 アメリカによる停戦介入は依然として膠着しています。アブダビでもたれた交渉でロシアとウクライナの間で双方それぞれ157人の捕虜の交換が合意されましたが、交渉がうまくいかないことの表れだと思います。

 このままではロシア軍の侵攻は激化し犠牲が大きくなるばかり。ウクライナもロシアも下から戦争停止の声を上げなければなりません。

[2245]裁量労働制アンケート

 経団連は1月発表した「経営労働政策特別委員会報告」において裁量労働制の拡大を強く訴えています。意図は残業という形をとることなく労働時間を延長することによって物やサービスの生産量を確保することです。裁量労働制はみなし労働時間を設定し、実際の労働時間は個々の労働者の裁量に任せる制度だからです。合理化による生産性向上と合わせて生産力を高めより多くの剰余価値の搾取を生産したいのです。

 2026年は経団連の要請を受けて労働基準法の改悪が準備されています。

 労働弁護団のアンケートに自民維新の回答は裁量労働制に賛成しています。

東京新聞を引用します。
自民と維新が裁量労働制拡大に「賛成」…日本労働弁護団が働き方に関するアンケート結果を発表
2026年1月28日 19時39分
 日本労働弁護団は28日、働き方に関する政策の主要政党へのアンケート結果を発表した。時間外労働(残業)の上限規制の強化に反対する党はなかったが、自民党日本維新の会の回答で、長時間労働につながる懸念が指摘される「裁量労働制」の対象業務の拡大を目指す姿勢が鮮明になった。
弁護団「自民と維新は、労働時間規制緩和の方向を示している」
 衆院解散前の19日、27日を回答期限として各党にアンケートを送った。主要10政党のうち7党が回答。参政党、日本保守党、チームみらいからは期限内に回答はなかった。減税日本・ゆうこく連合には送付していない。
 2019年4月から施行した働き方改革関連法で導入された、残業の上限規制の強化については、維新、国民民主党共産党、れいわ新選組社民党が「賛成」、自民と中道改革連合は、「引き続き的確な監督指導等の実施」(自民)などとする「その他」だった。

以下略

 選挙後、自維政府は2026年中に労基法改訂案のなかに裁量労働制の拡大を組み込むでしょう。

 また、経団連は経労委報告で裁量労働制の対象にかんして、労使で対象業務を決定できる仕組みの創設を強く訴えています。政府は労基法改訂案に何らかのかたちでその仕組みの創設を入れるでしょう。

 労働組合は警戒することが必要です。

 

 

[2244]駆け込み的な「憲法改正」アピール

 高市首相が選挙戦終盤で憲法改正をアピールしました。

 人気投票的衆院選をしつらえた高市首相は、憲法改正にかんする発言は人気が落ちる危険性があるので封印して来ました。

 しかし選挙情勢の報道で圧倒的優勢が発表された直後に、遊説で憲法改正のアピールをしました。優勢の波を背にして、言っても支持に影響がないと踏んだのでしょう。

 選挙後に、憲法改正を訴えて勝利したというための痕跡づくりです。批判されて答えられないような都合の悪い討論会は欠席し、批判される心配のない宣伝カーのうえでアリバイ的に改憲政策を言って実績をつくっておくということです。

 高市のパフォーマンスに怒りを持った人は多いと思います。

 選挙後、憲法改悪反対の統一戦線を全国民・諸団体、諸個人で結成しなければなりません。


憲法改正衆院選の論点に急浮上 高市首相が演説で言及、意欲示す2/4(水) 16:54配信 毎日新聞
 衆院選の論点の一つに憲法改正が急浮上している。報道各社の情勢調査で自民党の優勢が報じられている上、高市早苗首相(自民党総裁)が2日の応援演説で改正に意欲を示し、注目が集まった形だ。交流サイト(SNS)では警戒感を示す投稿も多い。 
 首相は2日、新潟県上越市での演説で「憲法になぜ自衛隊を書いてはいけないのか。彼らの誇りを守り、しっかり実力組織として位置づけるためにも、当たり前の憲法改正もやらせてください」と訴えた。 自民党の公約には、自衛隊の明記や緊急事態対応など4項目を中心とした憲法改正実現が盛り込まれているが、首相が公示後の演説で触れることは少なかった。「責任ある積極財政」など経済・財政政策を中心に訴えることが多かったためだ。 
 首相の発言後、SNS上では「憲法」「改憲」を含む投稿数が急増している。 毎日新聞SNS分析ツール「メルトウォーター」で調べると、衆院選が公示された先月27日以降、1日あたり6万~10万件で推移していたが、今月2日から増え始め、3日は41万件に達した。 このうち投稿内容が「否定的」と判定されたのは26・2%で「肯定的」の4・3%を上回った。 否定的な投稿には、憲法改正基本的人権が制限されることへの不安や、徴兵制につながりかねないといった指摘があった。肯定的な投稿には「日本は早く自前の新憲法を持つべきだ」という内容などがあった。【藤田剛】

 選挙後急速な戦争準備法案が国会に提出され、さらに改憲の手続きが急がれるでしょう。政党間の合従連衡ではなく、憲法改悪反対の国民統一戦線をつくり組織的な闘いを展開しなければなりません。

 高市首相は右翼急進主義です。急進主義とはラディカリズムと言ってもいいです。   

 70年安保闘争や学園闘争では左翼ラディカリズムが跋扈しました。ラディカルは根本的なとか徹底的なという意味を持っていますが、単に急進的なとか過激なとかという意味で使われることもあります。1970年ころのラディカルという形容詞は急進的なという意味合いで使われる場合が多かった。例えばノンセクト・ラディカルズというように。

 とにかく左右のラディカリズムとは深く考えることがなく単に反発、拒絶して急進的な方針を目的化するという意味です。

 高市首相の思想は深みのない右翼思想です。トランプイズムに端的に示される資本主義現代のむき出しの弱肉強食の傾向に沿っただけの右翼急進主義的思想だと思います。自分のやることの危険さがわかっていない劇画的な戦争のできる強い国づくりに向かっています。 

 高市政権は「漠たる不安」というべき民衆意識にのっかり利用して、いっときの反動の時代を形づくりりつつあります。

 

[2243]韓国現代自動車、合理化にたいして労働組合が対決

 韓国の現代自動車グループ経営者は生産過程にロボットを導入することを急いでいます。生産性向上と人員削減が目的です。労働組合は人員削減反対運動はじめました。合理化は資本家・ 経営者のためにされます。労働者にとっては非合理化です。

韓国メディアが伝えています。

韓国・現代自動車労組「アトラス1台も受け入れない」…ヒューマノイド投入に全面対決姿勢 
 1/26(月)  【01月26日 KOREA WAVE】
 韓国・現代自動車労働組合は22日、ヒューマノイドロボットの生産現場投入に強く反発し、「ロボットは1台たりとも現場に入れさせない」と表明した。
 現代自動車が世界最大級のIT見本市「CES」で公開したヒューマノイド「アトラス」を、今後生産ラインへ配置する構想に真っ向から異を唱えた形だ。
 ロボット導入が本格化すれば、労使の緊張は避けられない。 労組は同日配布した機関紙で「人件費削減を狙った人工知能ロボットの導入が現実味を帯びている」と指摘し、「労使合意のない新技術導入は認めない。ロボットは1台も現場に入らないことを肝に銘じよ」と警告した。
  会社側は1月6〜9日(現地時間)に米ラスベガスで開かれたCESで、ヒューマノイド「アトラス」を一般公開し、ロボットを中核に据えた「フィジカルAI」企業へ成長させる戦略を打ち出した。2028年までに3万台の量産体制を整え、米ジョージア州現代自動車グループ・メタプラント・アメリカ(HMGMA)へ配置する計画だ。
 量産前にロボットを訓練する拠点として「ロボット・メタプラント応用センター(RMAC)」を年内に開設する日程も示した。発表後、市場ではアトラスへの評価が高まり、株価は急伸した。
 これに対し労組は「CESで公開された量産型ヒューマノイド『アトラス』は市場に衝撃を与えたが、労働者にとって歓迎できない」と反論。「大量生産と現場投入が進めば雇用への打撃は避けられない」と訴えた。 
 労組によると、平均年収1億ウォンを前提に24時間稼働した場合、3人分の人件費は年3億ウォンに達する一方、ロボットは初期購入後は維持費が中心になるという。業界では、ヒューマノイド1台あたりの年間維持費を約1400万ウォンと見込んでおり、24時間稼働が可能な点で生産性は人を大きく上回るとの見方が強い。 さらに労組は「現代自動車の主力事業は自動車の生産と販売だが、最近の株価急騰で時価総額が上位に浮上した背景には、ロボット・AI企業として再評価されている事情がある」と皮肉った。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

以上

合理化反対闘争は世界の労働者階級が団結して進めなければならない普遍的課題です。