[427]パクスなき世界は「夜明け前か」

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管理人より

「〔415〕パクスなき世界」のつづきです。


「パクスなき世界」 <夜明け前 1>


日経新聞は転機にある世界を「パクスなき世界」(平和と秩序の女神なき世界)と表現し、「夜明け前」というサブタイトルで5回にわたって記事を連載しました。
はたして2021年2月の世界の現状を「夜明け前」ということができるのかどうか、私も考えていきたいと思います。


「民主主義と資本主義という価値の両輪は深く傷ついた」(日経新聞

1月6日のトランプ支持者による米連邦議会議事堂占拠事件の翌7日、欧州連合EU)トゥクス前大統領が「トランプはどこにでもいる」と世界に警鐘を鳴らした、と日経新聞は報じています。
確かにあの事件は単に一部の右翼の反乱としてかたづけるわけにはいかない深刻な問題をはらんでいると思います。のちにトランプは自分が扇動したのではないと言い訳していますが、「選挙が盗まれた」というトランプのアジテーションに呼応した共和党支持者によってひきおこされたものでした。トゥクス前大統領は反「民主主義」の行動が大きな力をもちはじめたことに危機感をあらわにしたのです。

資本制的生産がおこなわれる世界の多くの国の支配者階級は議会制民主主義的統治形態をもって国家を統治しています。数百年前ブルジョア資本家階級は封建君主の支配下にあっては圧迫された身分でしたが、「大工業と世界市場とが建設されて以来、ブルジョア階級は近代的代議制国家において、ひとり占めの政治支配を闘いとった。近代的国家権力は、単に、全ブルジョア階級の共通の事務をつかさどる委員会にすぎない」とマルクスは言いました。(1848年マルクス共産党宣言岩波文庫41頁)たとえば太平洋戦争は国家権力の本質を浮き彫りにしました。
トランプとその支持者の行動はこの議会制民主主義を破壊し、強い大統領権限を活用しながら「アメリカファースト」のイデオロギーでさらに強権的で軍事的な支配体制をつくりだし全体主義的な統治形態を模索しはじめているという意味をもっているのではないでしょうか。(この事件については当ブログ「〔338〕トランプの反乱」、「〔363〕トランプからバイデンへ、危機は去らず」を参照してください。)

トランプは大統領をやめる前に、イラクイラク人殺害に関与した米民間軍事会社の4人を恩赦しました。国家による戦争行為を議会で承認しもって国民を戦争に動員することは戦慄すべきことですが、トランプはこの恩赦で民間会社による金儲けのための殺人行為を大統領として認めたということです。これは既成の民主主義の羈絆からはずれているので国連の専門家グループは「正義への冒とくだ」と非難しています。

ドイツでも

さらに昨年8月ドイツでは政府のコロナ対策の行動規制に反対する4万人のデモに便乗して極右勢力「ドイツのための選択肢(AfD)」支持者たち400名が議事堂正面の外階段付近でドイツ帝国時代の黒、白、赤の3色の旗を翻し気勢を上げました。この3色旗はドイツ帝国時代の国旗で、法律で禁止されたナチスハーケンクロイツかぎ十字)に代わって極右勢力に使われることが多い、いわば反「民主主義」の象徴だといわれています。

これから政府のコロナ感染症対策によって企業の倒産、失業がさらに増加するという事態が進行すれば、労働者階級の解雇反対をはじめとした生活を守る要求を掲げた運動がおこるでしょう。それに乗っかって8月事件のような動きもあらわれてくる可能性があるのです。

オランダでも

オランダでコロナ対策で夜間外出禁止に反対するデモが起こりました。また、自由の侵害だと抗議するグループが、外出禁止令の見直しを求めて裁判所に訴えました。

この事態を朝日新聞デジタルは2月18日に次のように伝えました。

 「新型コロナウイルス対策としてオランダ政府が1月に導入した夜間外出禁止令について、同国の裁判所は16日、ただちに解除するよう政府に命じた。同国では規制に抗議する大規模なデモが相次ぎ、数百人の逮捕者が出る事態になっていた。市民の自由を罰則付きで制限する措置が欧州各国で導入されるなか、司法当局が外出禁止令の解除を命じるのは異例だ。
 問題となったのは、1月23日に導入された措置。変異ウイルスへの警戒感が高まるなかで、午後9時から翌朝4時30分までの外出が原則禁止とされ、違反者には95ユーロ(約1万2千円)の罰金が科された。
 報道によると、同国で外出禁止令が出されたのは第2次世界大戦以降で初めて。飲食店の店内営業の禁止などに加え、罰金を伴う夜間外出禁止令が出されたことに市民が反発し、各地で抗議デモが発生。警察が催涙ガスを発射するなど市民との衝突も起き、地元警察は『過去40年間で最悪の情勢不安』としていた。」 

 日本では

 日経「パクスなき世界」は日本の状況は報じていませんが、1月7日に首都圏と6府県に緊急事態宣言がだされ、2月はじめに改訂コロナ特措法が国会で成立し緊急事態宣言下でなくても飲食店の時短を自治体当局が命令できること、違反には行政罰(過料20万円以下)を課すことが可能になっています。(蔓延防止等重点措置法)

 日本ではオランダのようなデモは起きていません。現憲法に抵触するような強制措置がとれるようになりました。蔓延防止等重点措置法は最大野党立憲民主党の賛成も得たうえで国会を通過したのです。

 私は、野党の翼賛政党化を危惧しています。日本ではすでに2014年の集団的自衛権の行使を容認した閣議決定以降、国家の安保・軍事政策にかんしては日本版国家安全保障会議NSC)専決体制が確立し、議会制民主主義は形骸化しています。反対運動の体制内化に支えられ日本型の新しいファシズム的統治形態が完成しているのではないでしょうか。

 パクスを失った世界は脱出不能な経済的危機に沈んでいます。新型コロナ危機以前から危機のなかにあった世界の資本主義は、米・中の相互依存と相互反発を軸として、揺動してきました。2016年のアメリカトランプの登場はアメリカ労働者階級民衆の貧困化を物質的基礎としたアメリカの危機を象徴しています。労働組合員の多くがトランプを支持したのです。そしてそれはグローバリズムの破綻を鮮明にしました。

「パクスなき世界」の危機の犠牲を労働者階級に転嫁する政府・資本家

新型コロナにたいする各国政府の対応は、企業危機と失業を促迫しています。危機の犠牲は労働者階級に転嫁されているのです。

直接的にはコロナ危機の根拠は各国政府の医療政策にあります。日本でも公的病院の合理化・統廃合が進み、政府の医療費削減政策は医療体制を破壊しました。感染症対策は罹患の疑いのあるひともふくめ検診、治療できる医療施設を確保することに尽きると思います。現医療体制のもとでは感染を広げないことは必要です。しかし政府は自粛せよ、命令違反には罰金を科すといって行動規制をかけるのみです。医療体制の確立は後手後手であり、もうからない病院は今後もつくらないでしょう。

 私たちは政府に医療体制の確立をあくまでも要求していかなければなりません。

日経新聞は、いまをパクスなき世界の「夜明け前」といいますが、私はそうは思えないのです。私たちの闘い如何だと思います。

[426](投稿)生活保護引下げは、裁量権乱用

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① 社説:生活保護費訴訟 国の手法に疑義示した
 
国が生活保護費を大幅に引き下げたのは生存権を侵害し違憲だと大阪府の受給者らが訴えた裁判で、大阪地裁が引き下げ処分を取り消す判決を下した。
 違憲判断は示さなかったが、厚生労働相の判断過程に「過誤や欠落がある」として裁量権の逸脱や乱用があったと認め、引き下げは違法と断じた。
 一連の集団訴訟で初の処分取り消しであり、国の政策決定のあり方に疑義を突き付けた判断だ。今後生活保護制度の信頼性も問われる可能性がある。
 国は保護費について算定の経緯を検証し、合理的な手続きにのっとった見直しを検討するべきだ。
 国が対象としたのは、生活保護費のうち食費などの生活扶助費の基準額。デフレによる物価の下落率を考慮するなどして2013~15年に平均6・5%引き下げた。
 この大幅減額を、原告側は異例の計算手法による恣意(しい)的な措置だと批判した。引き下げが厚労相裁量権の範囲内と言えるかどうかが裁判の争点となった。
 国は物価の下落率を算定する起点を原油高騰などで物価が上昇した08年としたが、判決は「その後の下落率が大きくなるのは明らか」で不合理だと指摘した。
 生活保護受給世帯が頻繁には購入しないテレビやパソコンなどの下落率を反映した独自の指数を採用した点についても、「専門的知見との整合性を欠く」とした。
 都合の良い数値を利用した厚労省の不誠実な姿勢を浮き彫りにしたと言える。原告側が「物価偽装」と非難したのはもっともだ。
 生活保護水準の原則1割カットを公約に掲げ、12年に政権復帰した自民党の意向を背景に、無理を通そうとした疑いがぬぐえない。
 生活保護制度は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の土台だ。
 しかも生活保護の基準は、個人住民税の非課税限度額や最低賃金など多くの制度と連動する。
 だからこそ基準を設定する際には、客観的な数値を用い、専門家の知見に耳を傾け、丁寧な検討を重ねなければならない。
 コロナ禍で多くの人が仕事や収入を失い、生活保護の重要性が増す中ではなおさらだ。
 同様の訴訟は札幌を含む全国の地裁で起こされており、約900人の原告が引き下げによる困窮を訴えている。
 国は判決を重く受け止め、ただすべきゆがみはただし、確かな安全網を構築しなければならない。

 ② 卓上四季: 生存する憲法
02/24 05:00
憲法25条の生存権を提案したのは日本社会党の森戸辰男議員であった。帝国議会の小委員会で憲法改正案の審議が行われていた1946年夏のことである▼芦田均委員長は改正案12条(現13条)の幸福追求権に基づく立法措置で十分ではないかとただしたが、森戸は「日本では實行をなかなかやらないから、生存できない者が非常に澤山ある」と主張。議論を重ねる中で日本自由党の委員からも賛同の声があがり、明示されることになった▼この追加修正は今も大きな意味を持つ。幸福追求権は個人の自由権にすぎないが、生存権の規定により国家は社会保障に対する義務を負ったからだ。生活保護政策はその典型例といえる▼生活保護費の受給者が減額の取り消しなどを求めた訴訟で、大阪地裁が画期的な判決を出した。国は物価下落などを理由に生活扶助を最大10%引き下げたが、物価の上昇時を起点に下落率を算出したり、受給世帯では支出割合が少ないパソコンなどの価格を考慮したりした減額は違法と断じた▼同種訴訟は全国で係争中だ。けがや病気で働けない人もいる。教育の格差による貧困の連鎖も続く。個人の努力では補えないほど著しい格差を埋めるのは国の責務だろう▼すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。敗戦直後の悲惨な混乱期にあって、先達が条項に込めたであろう願いに応える判決だった。202(北海道新聞デジタル版2021・2・24 「社説」並びに「卓上四季」より引用)



※※※ 真田幸村のコメント

 同日の北海道新聞に「社説」と「卓上四季」に「生活保護」に関する記事が掲載されました。これに関する報道は先行して出ていますが、社説と卓上四季に同時に出る「記事」は少ないと思います。

 それはともかく、卓上四季に生存権に関する歴史が書かれています。1946年夏に憲法25条の生存権を提案したのは日本社会党の森戸辰男議員でした。芦田均委員長は改正案12条(現13条)の幸福追求権に基づく立法措置で十分ではないかと質(ただ)しましたが、森戸は「日本では實行をなかなかやらないから、生存できない者が非常に澤山ある」と主張。議論を重ねる中で日本自由党の委員からも賛同の声があがり、明示されることになりました。

 この追加修正は今も大きな意味を持つと卓上四季の筆者は強調します。「幸福追求権は個人の自由権にすぎないが、生存権の規定により国家は社会保障に対する義務を負ったからだ」とその意義をきっちりと説明してくれています。そして「生活保護政策はその典型例」であるといいます。

 生活保護費の受給者が減額の取り消しなどを求めた訴訟で、大阪地裁が画期的な判決を出しました。

「国は物価下落などを理由に生活扶助を最大10%引き下げましたが、物価の上昇時を起点に下落率を算出したり、受給世帯では支出割合が少ないパソコンなどの価格を考慮したりした減額」は「違法であると」断じたことです。

 同種の訴訟は全国で係争中で、「けがや病気で働けない人もいる。教育の格差による貧困の連鎖も続く。個人の努力では補えないほど著しい格差を埋めるのは国の責務である」と断じています。

 私たちは良い先達を持ちました。このことを忘れず、現在にある人たちにも、未来の人たちにも伝え、同時に「現代のカジノ資本主義国家の経済的・社会的構造の歪み、一党独裁政権の政治的歪み等」も正していこうではありませんか!! 

 

 

[425](投稿)福島第一原発3号機の地震計故障放置

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東京電力、3号機「地震計」故障放置 昨年把握、修理対応せず
(2021年02月23日 09時55分 福島民友ニュースより引用)  

 東京電力が、福島第1原発3号機の原子炉建屋内に昨年設置した2基の地震計が故障していたにもかかわらず、修理などの対応を取らずに放置していたことが22日、分かった。このため本県沖を震源とし最大震度6強を観測した13日深夜の地震の揺れのデータを記録できておらず、公表もしていなかった。原発事故から3月で丸10年となる中、依然として危機管理と情報公開の両面で東電の対応に不備がある実態が浮き彫りになった。

 原子力規制委員会が22日に開いた特定原子力施設監視・評価検討会の会合で、東電が規制庁からの質問に答える形で明らかにした。

 規制委は、炉心溶融や水素爆発を起こした第1原発1~4号機のうち、劣化が進む3、4号機原子炉建屋への地震の影響を確認する重要性を指摘。これを受け、東電は昨年3月の同会合で地震計を設置する方針を報告し、3号機原子炉建屋の5階「オペレーティングフロア」と1階の計2カ所に地震計を取り付け、4月から運用を開始した。しかし、1階の1基は昨年7月の大雨で水没、10月には5階の1基の計測データにノイズが入る故障が起きた。東電は故障を把握していたが、「ノイズ発生の原因分析に時間がかかった」として放置していたという。

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント 

 この記事を見てとても驚きました。2011年3月11日に東日本大震災が発生し、巨大地震津波と東電の福島第一原発事故という大災害が生じました。

 この災害で関連死を含めて全国で約1万9600人の命が失われ、2528人の行方が分からないと言われています。また、多くの人の生活や家や仕事などが奪われました。それから10年を迎えるというときに、またもやかなり大きな地震が生じ、福島第一原発の2基の原発から水漏れが生じました。

 これだけでも原発災害のメルトダウンの再燃を懸念しましたが、「福島第1原発3号機の原子炉建屋内に昨年設置した2基の地震計が故障していたにもかかわらず、修理などの対応を取らずに放置していたこと」に「驚愕」したのです。
 
地震計が稼働していれば、2基の原発が故障を起こしたときに、地震がどのくらいの影響を与えたのかが分かり、現在稼働停止している原発の管理を強化することに役立つにもかかわらず、これでは、全く地震計は寄与できない事態になりました。そのようなことにも思いが及んでいない杜撰(ずさん)さに、怒りさえ覚えました。

 これでは、「国や東電は、原発の解体中の安全性をまるで考えていないのではないか?」と思います。このような姿勢で、これから他の地域の原発の再稼働を認めることをしてはならないと考えます。

 さらに、安全性を無視して、炭酸ガス排出量削減を原発稼働を計算に入れて入れて考えている菅政権には、「ダメ」というしかないと思います。

 読者の皆様はこの事態をどのように思われますでしょうか!?

[424](投稿)コロナワクチンを開発した二人

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ウイルスの弱点 (卓上四季)

21/02 /25 05:00 
先月米タイム誌の表紙を2人の研究者が飾った。ドイツのシャヒン教授とテュアチ博士の夫妻。ファイザー=ビオンテック製コロナワクチンの開発者である▼シャヒン氏はケルンの自動車工場で働いたトルコ系移民の子供でテュアチ氏の父親はイスタンブール出身。夫妻がバイオ企業を創業し、世界初のワクチンを開発するまでの道程は決して平たんではなかったろう▼激しい移民排斥運動も起きたドイツだが、その受け入れ制度は日本と異なる。一定年数の居住や納税があれば居住権が付与され、国籍取得の環境も整備されている。授業料はドイツ人と同様無料だ▼翻って日本はどうか。自動的に在留資格が与えられる事はなく、教育環境も日本人と同等とは言いがたい。あるのは根強い差別意識である▼政府は外国人の在留管理を厳格化する入管法改正案を閣議決定した。退去命令に従わぬ者への罰則や難民申請の回数に制限を設ける。家族が日本にいる人などの事情を考慮しているとは思えず、共生社会の理念にも逆行すると言わざるを得ない▼メルケル首相は2人の移民の子を「ドイツの誇り」とたたえた。ワクチンを開発したビオンテック社では約60カ国から集まった社員が働く。シャヒン氏は「不可能なミッションを可能にしたのは素晴らしいスタッフのおかげ」という。そういえば、ウイルスによる絶滅を防ぐのも種の多様性であった。(北海道新聞デジタル版より引用)



■■■ 真田幸村のコメント

いよいよワクチンの接種が始まろうとしています。優先順位は新型コロナウイルスに接する仕事をされている医師や看護師、介護士さんたちが優先されるようです。その後、ご高齢者などをはじめとして、ワクチンの数量が多くなれば多くの方に行き渡る計画のようです。残念ながら、数量の獲得が不十分で、接種する期間が長引くようです。

ファイザーのワクチンは、ドイツのシャヒン教授とテュアチ博士の夫妻が開発され、ジャヒン教授はトルコ系移民の子供でテュアチ氏の父親はイスタンブール出身だそうです。


ここでの問題は、「激しい移民排斥運動も起きたドイツだが、その受け入れ制度は日本と異なる」点だと指摘しています。ドイツでは、一定年数の居住や納税があれば居住権が付与され、国籍取得の環境も整備されていて、授業料はドイツ人と同様無料だそうです。

日本はどうかといえば、「自動的に在留資格が与えられる事はなく、教育環境も日本人と同等とは言いがたい。あるのは根強い差別意識」があり、そのうえさらに外国人の管理を厳しく法改正がなされたと筆者は指摘しています。

人種や国籍などの違いを超えて「共生」していくその先に、人種の多様性によってウイルスによる絶滅を免れる可能性がこれまでもあったし、これからもあるだろうと予測し、共存・共栄することを筆者は願っています。

読者の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか!?

[423](投稿)管親子のドタバタ

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上の華美は下の助け?

第七代尾張藩徳川宗春がつくった政教書「温知政要(おんちせいよう)」に、「省略(倹約)するばかりにては~かへって無益の費(つひ)えとなることなり」という言葉がある。武家の支出が経済を回した時代だ。「上の華美は下の助け」という主張も一理あろう▼過剰な節制は生産活動や市場の収縮を招き、貧しい暮らしで人心も荒廃する。宗春は、享保の改革で緊縮路線を進める第八代将軍徳川吉宗に隠居を命じられたが、今日の名古屋の繁栄も芝居小屋などを整備させた宗春に負うところが大きい▼問題は、積極的な財政出動の恩恵が世間の隅々まで届くかどうかだろう。お上がいくらお金を使っても、庶民の生活が潤わなくては有効な政策とは言えまい▼東京株式市場がバブル期以来の高騰に沸いている。ワクチン接種による景気回復への期待もあるが、コロナ対策の財政出動や金融緩和による巨額資金が株式市場に流入しているようだ▼大企業は設備投資を控え雇用を削ってきた。コロナ禍で消費も冷え込み、実体経済との落差は著しい。とりわけ、公的資金で買い支える日本では、乖離(かいり)が顕著である▼大企業や富裕層のおこぼれで日本全体が潤うという「トリクルダウン」も最近聞かなくなった。賃金は上がらず、非正規雇用は拡大。富める者との差は広がるばかり。「何ごとも庶民目線で深い愛情を示せ」。「温知政要」第十八条の教えは今も傾聴に値しよう。(2021・2.20 北海道新聞 電子版 卓上四季 より引用)

※※※ 真田正幸のコメント
 新型コロナのパンデミックの最中(さなか)、今、株価だけは顕著に上がっている。株以外に投資する以外にお金がさらなるお金を増やすという運動をしなくなって、倒産する会社や小売店などが増えています。「富めるものはさらに富み、貧しきものは更に貧しくなる」という言葉がそのまま昨今は当てはまる時代です。安倍元首相の富めるもののおこぼれが、貧者の懐を少し温めるという「トリクルダウン」はどうなったのか?どこを向いても皆駄目になって「トリプルダウン」となっているのが現状なのではないでしょうか?
 不況・不景気のことを「デプレッション【depression】」と言いますが、この場合は経済用語で、普通の英語の小説などでは「意気消沈」・「憂鬱(ゆううつ)」として用いられます。
 コロナ禍では、「コロナうつ」という「憂鬱感(ゆううつかん)」を抱く人が増え、自殺者も増えています。この渦中では華美になっても、ワクチンを接種し、「3密」を避けることを継続していかないと、次の「のびのび働ける・遊べる」段階にはなかなか行けないと思います。
 弱い立場の人から「派遣切り」にあい、解雇され、倒産に巻き込まれ、「公助」を受けないとやっていけない時代です。
 にもかかわらず、Go To 事業などで、一部の人たちが一時良い思いをするという愚策を前倒しして開始し、それに乗って新型コロナウイルスは拡散しました。菅総理はまだそのことを認めてはいません。なぜならば、医療の逼迫(ひっぱく)が改善されれば、すぐにでも、Go To 事業を始めたいと考えているからです。二階の深く関係する観光旅行協会の反映のためになる事業ですから、この事業を辞めるわけにいかないのです。派閥を持たない菅総理を支えているのは「二階派」だから、「ステーキも食べに出なくてはいけなかった」のです(というのも菅の「言い訳」とちょっとうれしい「嘆き」に過ぎないことは皆様も良くお分かりだと思います)。
 現政権の菅首相も安倍元首相と同じ穴の狢(むじな)で、自分の息子と息子が雇用されている会社が、総務省の多くの幹部官僚連中を接待して、父子ともども窮(きゅう)しているのも、政治の世界は高い見識で動いているのではなく、賄賂と接待で動いているからです。安倍の「さくらを見る会」などの「おもてなし」事件なども、まだ全く解決してはいません。
 こんなことでオリンピックはできるのでしょうか?たとえ何とか出来たとしても、再度、新型コロナウイルス変異株のパンデミックが日本だけでなく世界にさらに拡散しないかと訝(いぶか)しく思います。
 現政権でも、これからの政権でも、一強と言われる自民党政権下で、あるいは別の政権下では、「何ごとも庶民目線で深い愛情を示せ」という言う「政治家」は生まれてこないでしょうね。
 読者の皆様は、今回の菅親子の「どたばた劇」をどのようにご覧になっておられますか?

[422](投稿)明るみに出された総務省官僚接待

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菅首相の長男「女子アナ実家の高級料亭」で高額接待していた

菅義偉首相(72)の長男が、総務省幹部を違法接待に利用していた都内の高級料亭が「民放女子アナの実家」であることが判明し、永田町で話題を集めている。
総務省は22日、衆院予算委員会菅首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題の調査結果を報告した。
谷脇康彦総務審議官ら幹部4人のほか、8人の総務省職員が2016年以降、のべ計38回の会食を行っていた。
菅首相の記者会見で司会役を務める山田真貴子内閣広報官が、総務審議官時代に接待を受けていたことも判明。2019年11月6日に受けた飲食単価は7万4203円。山田氏の接待は東京・虎ノ門で行われ、菅首相の長男も同席していたという。
立憲民主党辻元清美衆院議員(60)は衆院予算委員会理事会の終了後、高額の飲食単価について「びっくりしたわ。こんな高いご飯、下心がなかったらおごらないと思う」とあきれた。
この日、菅首相は「心からおわびします」と謝罪。渦中の菅首相長男は、同省の調査を受けて「放送業界の実情の話はあったと思うが、不適切な働き掛けはしていない」と回答した。
総務省秘書官を退官後、東北新社に転職した菅首相長男について、野党関係者は「総務省時代の人脈を使って、会社と同省をつなぎ便宜供与した疑惑は、まだまだ拭いきれていません」と今後も国会で追及する方針だ。
さらに、谷脇氏らが東北新社からキー局の女子アナ実家の料亭で、2020年10月7日、飲食単価4万7151円、お土産代6048円、タクシー代金7920円の接待を受けていたことも分かった。
永田町関係者は「女子アナ実家の店は、伝統と格式ある料亭で知られています。官僚は女子アナ好きが多いし、有名店だと知っていた可能性がある。倫理規定に反すると分かって接待を受けていたなら、脇が甘い」と厳しく指摘した。(2021年2月23日 5時15分 東スポweb より引用しました)

※※※ 骨川筋衛門のコメント

 このような「手法」は時代を超えて容易に受け継がれる「利権」なのですね。どう見ても、総務大臣が息子を秘書にしていたことと、総務省高級官僚との仲が太い糸(意図)で結ばれていて、衛星放送利権も絡み、接待して「電波」を入手したい会社が、首相の息子をお抱えにして「伝統と格式の在る料亭」で接待していたことまで出てきました。 
 倫理規定違反は承知の上だと誰もが思うことでしょう。もはや、別人格とか、秘書を辞めて、東北新社に入社した息子は、「菅の息子」ではなく、一個人だと言い張るのは無理でしょう。同席した正剛氏の肩書は同社の「趣味・エンタメコミュニティ統括部長」であり、例えお飾りであっても「親の七光り・後光」があってこその「大きな仕事・大事な接待」となります。
今回は、新たに「菅首相の記者会見で司会役を務める山田真貴子内閣広報官が、総務審議官時代に接待を受けていたことも判明」し、「2019年11月6日に受けた飲食単価は7万4203円。山田氏の接待は東京・虎ノ門で行われ、菅首相の長男も同席していた」と書かれていますが、この「菅首相の長男も同席していた」という点がまた重要でしょうね。水戸黄門の「印籠」の役割を果たす大事な大事な「葵の御紋の印籠」が、「趣味・エンタメコミュニティ統括部長」の肩書を持つ菅正剛氏なのですから、「お声がかかれば」、行かないわけにいきません。何しろ「左遷・首切り」の大好きな菅現総理ですから。断ればどこに飛ばされるか、首にされるか分かりません。
 官僚を首にした先例が、安倍元首相にあります。
 前川文科相次官は、世間の若い人たちの考えなどを直(じか)に知るために、夜遅くに繁華街に残っている青少年に声をかけ「下情」を調べていました。それを秘密裏に調べ上げていた安倍元総理はそのことを「ネタ」にして前川政務次官を首にしました(注1)。
 まだ、多くの事例が上がってくる可能性があります。首相や大臣が良く使う「注視します」という言葉を使えば、この菅正剛氏と菅現首相・元総務大臣のこれからを、そして過去の実態も良く注視していきましょう。菅政権の崩壊が、新型コロナウイルスだけではなく、足元の見える粗悪な要因によって猛スピードで生じ始めているからです。

(■注1:「文科官僚の元トップが、安倍官邸に堂々と弓を引いた――。前川喜平文部科学省事務次官。彼は5月25日の会見で、安倍総理の「お友達」加計学園獣医学部新設について、「条件に合致しているとは思えない」と真っ向から異議を唱えた」というのが真相です。2017.6.07 週刊現代より引用)

[421]命令拒否に罰則も

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命令拒否に罰則も

これはコロナ特措法違反にたいする罰則ではありません。見出しは「命令拒否に罰則も 安全保障関連 土地規制の新法案」です。

朝日新聞四面の左隅にでたこの記事に私は「やっぱり来たか」、と思いました。2月、新型インフルエンザ特措法が改訂され緊急事態宣言外の「平時」の罰則付き営業時短命令を出すことができるようになりました。
私は労働組合のなかでこの改訂は直接的にはコロナ対策が目的であっても、それ以外にも政府の「命令拒否に罰則」をつける目論見が秘められているのではないか、憲法改悪案の緊急事態条項の先取りの意味もあると思うので警戒しましょうと訴えてきました。やはり「命令拒否に罰則」という強権発動の対象が拡大されようとしています。

記事の内容は、菅政権が自衛隊基地などの周辺の土地の規制を罰則付きで強化する新法を今国会に提出するというものです。法案の概要は、対象となる区域を軍事インフラなどの重要施設がある「注視区域」と「特別注視区域」として指定し、指定された区域1キロの周辺地域の所有者の使用実態を調べることを可能とするものです。そして調査の結果、国が重要施設の機能を阻害すると判断した場合には使用中止命令を出すことができるようになり、命令を聞かなければ罰則を科すというものです。

この新法は成立させてはいけないと思います。あとになって指定区域1キロが拡大されるのは政令でよしとされる可能性はあります。また国の「判断」というのは2014年7月1日に集団的自衛権の行使を認めた閣議決定以降、国会の判断ではなく、首相が主導する日本版「NSC」(国家安全保障会議)と内閣の判断を意味します。

今国会で新型コロナ問題や週刊誌が暴露した東北新社総務省接待問題等、政府を追及するのは必要ですが、その陰に隠れて政府が新法を成立させることを許してはなりません。

私は組合の中でも訴えていきたいと思います。


■雀の子そこのけそこのけ軍馬が通る
(軍馬はちょと古いか?!)
一左

管理人より