ロシアの侵略を起点としてはじまったウクライナとロシアの国家間戦争はNATO諸国の介入で泥沼化し、2024年4月現在アメリカの援助再開決定によってさらに長期化するかもしれません。
1年前の記事で当時を振り返ります。1年前、ポーランドのウクライナ産農産物への免税措置が国内の農民の貧窮を招きました。
[1226]ポーランドが農産物禁輸
これまで避難民を受け入れるなどウクライナ支援の先頭に立っていたポーランドがウクライナからの農産物輸入を禁止しました。
朝日新聞を引用します。
ウクライナ情勢 ポーランドとハンガリー、ウクライナ農産物を禁輸 自国農業を保護
ブリュッセル=玉川透
2023/4/17 8:04
中欧のポーランドとハンガリーは15日、穀物などウクライナ産農産物の輸入を一時的に禁止すると発表した。ロシアによる侵攻後に大量流入した安価なウクライナ産農産物から、国内農業を保護する目的という。AP通信などが伝えた。
ウクライナ産の農産物は、ロシアの軍事侵攻の影響でアフリカや中東への黒海経由での輸出が困難になっている。欧州連合(EU)は支援策として関税を免除して輸出を促進しようとしたが、安価なウクライナ産の多くが中東欧の国々にとどまって農産物の価格を押し下げ、地元農家に損害を与えているという。
こうしたEUの対応にポーランドなどは不満を強めており、ブルガリアも禁輸を検討しているという。 EUの報道官は16日、ポーランドなどの措置について、「通商政策はEUの独占的な権限であり、加盟国の一方的な措置は受け入れられない」と述べた。 また、ウクライナの農業政策・食料省は声明で、「ポーランドの農家が苦境にあることは理解しているが、現状ではウクライナの農家が最も難しい局面にあることも強調したい」と懸念を表明した。(ブリュッセル=玉川透)
ポーランド政府はロシアとの戦争に応じたゼレンスキー政権のもとで苦しむウクライナの農民を救うために関税を免除しました。
ウクライナからの農産物が低価格で輸入されればポーランド産の農産物の価格が下落するのは必然的です。ポーランド農民が貧窮したのです。
もっと困っているのはウクライナだ、という「反論」はポーランドの農民の闘いの火に油を注ぐようなものです。ポーランド政府は自国農民に犠牲を強いる形でウクライナ戦争への加担を続けてきたことが農民の闘いによって明るみに出されました。
ハンガリーも同様です。ロシアもウクライナも政府支配階級の利害のために労働者農民に犠牲を強いています。
下からの力で戦争を止めなければならないと思います。
2023年4月17日
以上、1年前の世界の一断面です。2024年4月、ウクライナ戦争はなお続いています。アメリカは9兆円以上のウクライナへの軍事援助を決定しました。ロシア(•中国)ーウクライナ•NATO諸国家はウクライナ戦争を自陣営を有利に終わらせるための駆引きの手段として戦闘を利用しています。