[1206]憲法審査会、緊急事態条項に照準

 憲法調査会の「毎週開催ってサルのやること」発言が槍玉にあげられ立憲民主党の小西氏は党の代表幹事をやめさせられました。「憲法を真面目に議論しようと思ったら毎週開催なんかできない」ということが言いたかったそうです。確かに憲法調査会は回数を重ねることを自己目的化しています。

 改憲を急ぐ与党と維新、国民民主党、「有志の会」にブレーキをかけたかったのでしょう。小西氏の気持ちはわかります。しかし、こんなことくらいでグラグラする立憲民主党には「喝!」を入れなければなりません。何としても改憲のスケジュールは止めなければならない。

 サル発言騒動の裏側で、緊急事態条項の議員任期延長問題を3分の2ではなく過半数で改訂できるようにするという自民党案が出され、野党によって任期延長が提案され活発化しています。

以下朝日新聞を引用します。

議員任期延長の議決要件、自民「過半数」を提案 野党は乱用を警戒

2023/3/31 9:00

 緊急事態条項をめぐり衆院憲法審査会で30日、自民党が議員任期の延長を承認する国会議決要件について「過半数」にすることも検討するよう提起した。緊急事態条項の新設に前向きな日本維新の会公明党、国民民主党などは「3分の2以上」の賛成を主張。自民の主張は、議員任期延長のハードルを下げるものだ。 

 緊急事態条項は、大規模災害などの際に政府の権限を一時的に強めるもの。内閣の判断で、法律と同じ効力を持つ政令を定めることなども自民は想定する。自公のほか維新、国民民主、無所属議員でつくる会派「有志の会」も条項新設に前向きで、立憲民主党共産党は反対の立場を示している。 この日の憲法審では、国会がどのように緊急事態、特に選挙が長期間実施できない事態だと承認するのかについて、与党筆頭幹事の新藤義孝氏(自民)が「衆参それぞれが過半数で議決することが大原則で、過半数議決こそ民主主義の根本ルール。3分の2による特別多数を求めるのは例外だ」と主張。「過半数」でよしとする考え方を排除すべきではないとの認識を示した。

引用以上

 自民党新藤氏は改憲を容易にするための突破口を任期延長問題に求めているのだと思います。維新、国民民主党は任期延長の案を共同で提出して緊急事態条項を憲法に押し込むことに躍起になっています。

 国会で現憲法の破棄が現実に策される時代になってしまいました。与党と、翼賛化した野党は反対運動の弱さを嘲笑いながら改憲に向かって進んでいます。

 9条破棄・改訂と緊急事態条項新設は、日本を戦争のできる国へと暗転させる結節点となります。

いま、抗うときです。