[1495]台湾有事は存立危機事態と麻生副総裁

 台湾総統選は民進党が勝利しました。それに先だって自民党麻生副総裁が訪米して怪気炎を上げました。

台湾有事は「存立危機事態」 自民・麻生氏、米で抑止訴え

2024年01月11日06時46分

 

【ワシントン時事】自民党麻生太郎副総裁は10日、訪問先の米ワシントンで記者団の取材に応じ、台湾有事の際には「日本政府は存立危機事態と判断する可能性がある」と述べ、2015年に成立した安全保障関連法制に基づく集団的自衛権を行使するとの見方を示した。その上で、中国による武力侵攻を防ぐための抑止力強化を訴えた。

台湾では総統選の投開票を13日に控えている。麻生氏には台湾海峡での緊張が高まる中、武力侵攻をちらつかせる中国をけん制する狙いがあるとみられる。

麻生氏は10日に米議会でも英語で講演。台湾の次期総統について、「強い精神と、自立を維持する意欲を持った指導者が必要だ」と強調した。ただ、「自立というのは、国際的な独立という意味ではない」と説明し、中国が掲げる「一つの中国」原則への配慮も示した。

 

自民党副総裁の麻生がこんなことをいえば中国も一言いうでしょう。

 

「強烈な不満と断固反対」 台湾巡る麻生氏発言に反発―中国

2024年01月10日00時00分

 

【北京時事】在日中国大使館は9日、自民党麻生太郎副総裁の台湾問題を巡る発言に対し、「強烈な不満と断固反対」を表明する報道官コメントを発表した。

中国、台湾バンドへ圧力か 「事実なら選挙介入」―台湾総統

 

 8日の講演で麻生氏が「(台湾海峡で)戦争になった場合、台湾にいる日本人を救出する準備が必要」などと述べたことに対し、報道官は「台湾問題は中国の内政であり、日本の安全保障と結び付ければ悲惨な結果をもたらす」と警告。「『台湾独立』活動と外部勢力の干渉こそ、混乱の原因だ」と主張した。

 

 麻生は台湾海峡で戦争になった場合、台湾にいる日本人を救出する準備が必要だと言っていますが、中国は自衛隊が軍事行動すると受けとめて内政干渉だと抗議しています。

 「台湾有事」とか「存立危機事態」というのは、日本国家権力が自衛隊に米軍と共同した軍事行動を命じることを可能とする情勢認識をあらわす言語的表現です。これらの概念が妥当する現実は認識する人の立場や考え方によってさまざまです。麻生と岸田が台湾有事、存立危機事態という概念がそこに在るといえば日本自衛隊は米軍と共同軍事行動ができます。

 政府は概念を言語的に表現して法文に書きその言葉自体に威力を付与します。「存立危機事態」とは、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態を指します。

そして自衛隊集団的自衛権に基づき、日本が攻められていなくても米国などと共に反撃できる事態のことです。

 麻生発言は挑発的です。