[663](寄稿)本の紹介『新型コロナワクチン 本当の「真実」』(宮坂昌之 講談社現代新書)

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ペンギンドクターより
その1

皆様
 台風一過、秋晴れです。料理の食材を9時に購入後すでに散歩も済ませました。暑いぐらいです。昨日は一日中風雨が強く、さすがの私も散歩を中止しました。今年3度目の8000歩未満の一日でした。しかも午前11時42分(昼食後で幸いでした)に突如停電が発生しました。少したってスマホ東京電力にアクセスしたところ、市の1600世帯ほどが停電中、と判明しました。当初は近所の状況もわからず、私は傘をさして近くの交差点に出向き信号機は普通に稼働しているのを確認する始末でした。パソコンもネットとはつながらなくなりました。二階のトイレを手動式可能にしていたので助かりましたが、電力はあちこちに関わっていてガスによる浴室も停電では作動しません。一時間足らずで復旧しましたが、電力の重要さを再確認した次第です。二酸化炭素排出削減のため、石炭火力発電所停止は当然ですし、再生可能エネルギー重視(太陽光発電の優遇措置1キロワット42円の我が家の発電所は10年が過ぎて、この11月から9円の販売価格となります)も当然ですが、原子力発電所の一時的再稼働はやむを得ないかなと考えています。核のゴミの処分場の問題もあり、新たな原発建設にはもちろん反対ですが、悩ましい現実です。SDGs(持続可能な開発目標)も言葉だけはよく出てくるようになりましたが、岸田政権も具体的にどのように実現させていくのか、私自身は悲観的に見守っています。

 今回の転送するMRICの内容は新型コロナの患者さんではありませんが、これから大いに普及させるべきと思われる「オンライン診療」の実例を送ります。多少とも実際のイメージが浮んでくるようであれば、いいかなと思います。一例目の90歳の心不全の患者さんの心不全の悪化は、採血で「BNP」の値が上昇していたのでしょう。利尿剤でむくみをとって、数値も改善したと思われます。(編集部註:次回掲載します。)

 皆様の中にも読まれた方がいらっしゃるかもしれませんが、本日は一冊の本を紹介します。
 宮坂昌之『新型コロナワクチン 本当の「真実」』(講談社現代新書、2021年8月20日第1刷、9月3日第2です。以前から発売されるということは聞いていたのですが、利根川を越えて文化果つる地の書店では、ようやく発売され、9月29日(水)購入しました。山積みになっていましたので、首都圏ではすでに多くの発売実績があると思われます。『本当の「真実」』という表題が苦心のあとというか、日本あるいは世界のワクチンの評価、陰謀説やフェイクニュースなどの厳しい現実を示しているように思います。以前にもお話したように宮坂昌之氏は1947年長野県生まれ、大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘教授です。日本免疫学会の会長も務めたことがあります。私は彼の本を他に3冊読みました。いい本です。本書の内容です。

プロローグ 新型コロナウイルス感染症はただの風邪ではない
第1章 新型コロナワクチンは本当に効くのか?
第2章 新型コロナワクチンは本当に安全か?
第3章 ワクチンはそもそもなぜ効くのか?
第4章 ワクチン接種で将来「不利益」を被ることはないのか?
第5章 ワクチン接種で平穏な日常は戻るのか?
第6章 新型コロナワクチンの情報リテラシー
第7章 「嫌ワクチン本」を検証する
第8章 新型コロナウイルスの新しい治療法、そして未来

 彼が実名を挙げて批判している医師の名前を挙げておきます。
 上久保靖彦(京都大学特定教授)
 宮沢孝幸(京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授)
 岡田晴恵(白鴎大学教授、元国立感染研究所研究員)
 近藤誠(元慶応義塾大学大学医学部専任講師)「こわいほどよくわかる新型コロナ
とワクチンのひみつ」(ビジネス社)
 内海聡東洋医学専門医)「医師が教える新型コロナワクチンの正体」(ユサブル社)


 皆様も耳にしたことのある人物だと思います。
 宮坂昌之教授は上記の医師に対し、彼の専門である免疫学の見地から根本的な批判を提起しています。私の乏しい知識からみても上記の医師の主張はいかがわしいとわかりますから、腹に据えかねたのでしょう。特に内海聡という人の本は、アマゾンで売れ行き1位と出ていました。滅茶苦茶な本のようですが、出版社はホクホクでしょう。

 最後に、M3の医師ネットワークで見つけた主張です。
●コロナでボロ儲け
 2021年9月28日 投稿者:ドクター・キリコ 閲覧数:6539

 民間にももっとお金出して!!!
 2020年度収支
国立病院機構補助金1210億円、純利益95億円
地域医療機能推進機構補助金367億円、純利益200億円
労働者健康安全機構補助金418億円、純利益256億円
国立国際医療研究センター補助金52億円、純利益36億円
日本赤十字社(医療施設のみ):補助金1249億円、純利益1091億円
京都病院事業:補助金304億円、純利益105億円
神奈川県立病院機構:補助金79億円、純利益35億円

 いかがですか。詳細は不明ですが、私が調べたJCHO(地域医療機能推進機構)の収支でも似たような結果でしたから、大きな間違いはないでしょう。日本赤十字社については、厖大な補助金がそのまま利益になっているように見えます。全国にあるので、補助金(原資は我々国民の税金)も多くなるわけですが、実際に新型コロナ患者をどれだけ受け入れてきたのか、疑問に思えます。独立採算の施設は純利益が国に入
るわけではなく、それぞれの病院にプールされるはずですから、ホクホクでしょう。

 今回はこのへんで。
       

[662](投稿)文献調査に応募は英断⁉️

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寿都と神恵内の文献調査「英断」
 福井の原発フォーラム
10/03 05:00
 原子力発電とエネルギー政策について考える「嶺南原子力フォーラム」が2日、福井県美浜町内で開かれた。同町や同県敦賀市など嶺南の原発立地自治体の市町議会議員ら66人が出席。「2050年のカーボンニュートラル実現には、原発の新増設やリプレース(建て替え)は不可欠である」などするアピールを採択した。▼ 美浜町の山口治太郎前町長らが発起人となり開催。山口前町長は「原子力は必要との一致した思いを持って行動していこう」とあいさつ。アピールでは、次期エネルギー基本計画案に原発の新増設・リプレースを明示することや高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分への理解促進に国が前面に立つことなどを求めた。最終処分場選定を巡り、文献調査に応募した後志管内の寿都町神恵内村には「英断」と敬意を表した。▼ 東京大公共政策大学院の有馬純特任教授(エネルギー・環境政策)による地球温暖化原子力の役割についての基調講演もあった。(林侑太郎)
(2021・10・3北海道新聞デジタルより)

◆◆◆ 明智小五郎のコメント
 皆様は福井県には原発がいくつあると思われますか?15基もあるのです。関西電力や日本原電などが主に所有し、これまで死の灰をせっせと作ってきました。もちろんこれからも関電【関西電力】を筆頭として、原発を再稼働し、原発で作り出す電力に伴う電力料金を手に入れて大いに稼ぎたいと考えています。また、原発が作られた市町の議会とそれを構成する議員や原発を組み立て保守する諸会社も潤います。政府とともに電力会社が希求してきた「核燃料サイクル」の一環として作られた「高速増殖炉もんじゅ」は、事故問題ばかり次々と起こしたのはご存じだと思います。政府・電力会社なども「核燃料サイクル」構想を考え実行したのですが、そのサイクルを構成する施設(「ふげん」や六ケ所村など)はどれ一つとっても故障続きで、今では「核燃料サイクル」ではなく、「金くい虫サイクル」の「お荷物サイクル」でしかありません。●この原発15基ある福井県で、「原子力発電とエネルギー政策について考える『嶺南原子力フォーラム』」が2日、福井県美浜町内で開かれたのです。原発交付金で潤ったと思われる「同町や同県敦賀市など嶺南の原発立地自治体の市町議会議員ら66人が出席」しました。美味しいお金に関することですから、多くの市町議会員が集まるのでしょうね。●そこで、「美浜町の山口治太郎前町長らが発起人となり開催。山口前町長は『原子力は必要との一致した思いを持って行動していこう』とあいさつ」し、またここでのフォーラムでは、もちろん「最終処分場選定を巡り、文献調査に応募した後志管内の寿都町神恵内村には『英断』」と敬意を表し」ました。●なぜ、核のごみ=死の灰=高レベル放射性を受け入れるという方向で手を挙げた北海道の寿都町(すっつちょう)や神恵内村(かもえないむら)を褒めたたえるのでしょうか?現在においても有り余る死の灰=核のごみの引き受け手が全くないのです。かつて高知県の東洋町で引き受けると手を挙げた町長はリコールされ、長きにわたって死の灰を受け入れる町村は現れませんでした。しかし、原発が稼働する限り「死の灰」を生み出さない原発など世界中のどこの国にもありません。原発の敷地内で保管し、死の灰で満杯になりかけて困窮しているのが現状で、死の灰を引き受けてくれる町村を募っているのです。しかし、神恵内村寿都町が手を挙げたのですが、後に続く町村は皆無です。経産省は計算が狂ったと思っていることでしょうね。どちらも地層の分析をすでにしていて、死の灰を埋めておくには「大いなる危険性と海水から防護する費用が掛かりすぎる」と「分かっている」からです。他のもっと良い地層を有するところが手を挙げてくれる呼び水になれば、神恵内村寿都町に少々の億単位のお金をばらまいても、また電気料金に上乗せすれば良いと思っていたことでしょう。このような思惑が外れたわけです。自民党政府や電力会社を中心に、「我が国にも『オンカロ【洞窟】』があれば…」と思っていることでしょう。●しかし、地震大国、津波大国、火山大国、台風大国である日本は、東北大震災が暴(あば)いた福島第一原発事故を全く教訓化せず、「死の灰の捨てどころなし困るのみ」の日本の原発の再稼働という、いつ第二第三の福島第一原発事故の悪夢の続きを見させるかとハラハラドキドキする「愚策」=「死出の道」を何故にそんなに急ぐのかと思います。●それは、自民党議員たちの懐や電力会社や原発を保守する会社等々を養う「多額の金銭」に関わることだからです。原発は「炭酸ガスを生み出さない」というわけでは全くありません。原発の燃料を作り出すのに要する多大な電力は石炭などで賄っていて、また、放射能を含む汚染水を掃除するモップや配管、携わる工事職員・清掃員・運転する職員の衣服等々に、石油もたくさん使わねばなりません。炭酸ガスは植物が吸収してくれます。死の灰はなかなか消えてくれません。プルトニウム半減期は2万4千年という気の遠くなるものであり、それを原発は作り出します。トリチウムという放射能を出す三重水素を取り除くには莫大な費用を要するので、海洋に投棄することしか政府は考えていません。●「東京大公共政策大学院の有馬純特任教授(エネルギー・環境政策)による地球温暖化原子力の役割」を基調講演で述べたとありますが、元は政府の役人で政府側に立った政策や応援をするから「東大特任教授」に政府・文科省は推挙し、原発政策の推進と原発反対の声を押し殺すために奔走し、「国のためにする文章」を書いたりするのです。そうしない人は排除されるのが今の「白い巨塔」の実態です。(学術会議の会員に任命されない人物は、政府・自民党との意見が合わない人物を官邸内の杉田和博という警察出身官僚が選び出しています。そのことには公には一切触れられません。菅元首相は、任命しなかった人物がどのような論文を書いたかを調べるのは、すべてこの人物に任せていたと言われています。戦前の「特高」の役割を杉田氏は現在も担っているわけです)。

 ●もうすぐ、寿都町町長選挙がありますが、国の政策に乗せられると、長い目で見ると極めて「ひどい目に会う」と思って、「痩せても枯れても」原発に関係する交付金には決して手を出さないでください。「死の灰=核のごみ」の埋葬には手を貸さないようにしましょう。福島第一原発事故の教訓を決して無駄にしてはならないと思います。福島はまだまだ復興とは程遠い位置に置かれ、さらにトリチウムなどの死の灰の汚染水の海洋投棄に反対の声を上げています。また、普通では暮らせない放射能の土地に帰還するならせよと言い放っているのが自民党政府です。すなわち、新型コロナの「自宅療養」の強制と同じく、人民を見捨てる「棄民政策」をこれからも継続しようとしているのです。明日は我が身に降りかかってくると思うのが正しい感覚だと思います。

参考文献:

死の灰」に関しては①と②を参照ください。官邸内の杉田氏に関しては③を参照ください。

①『原発事故は終わっていない』 小出裕章 著 毎日新聞社 刊

②『被曝インフォデミック』トリチウム内部被曝ICRPによる似非科学の拡散 西尾正道 著 寿郎社 刊
③杉田和弘(すぎた かずひろ、1941年4月22日 - )は、日本の警察官僚。 官房副長官内閣人事局長。 神奈川県警察本部長や内閣情報調査室長、内閣情報官、内閣危機管理監なども歴任した。

[661](投稿)寿都の近隣の町、交付金辞退

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編集者より
 衆院選がまもなくおこなわれます。野党は原発反対を前面にだしてたたかうのでしょうか。立憲民主党は、支持団体である連合が原発推進派の電力総連や電機連合UAゼンセン、基幹労連自動車総連、JAM(ものづくり産業労組)などを抱え、指導部は金縛りになっています。10月6日の連合定期大会でJAM副委員長の芳野友子氏が対立候補なしで新委員長に選出される可能性があります。芳野氏がもし新委員長になるのであれば、連合傘下の労働組合は全国から原発反対の声を上げていかなければなりなせん。
 北海道寿都町長選も10月26日にあります。
 今日の記事は明智さんが8月21日に送ってくれた原稿ですが、核のごみ処分場調査交付金の受け取りを辞退する町村の状況が紹介されています。


辞退3町村、一部議員は配分希望も 
寿都の核ごみ交付金
 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた寿都町の文献調査に伴い、国から支給される交付金について、蘭越黒松内、島牧の3町村は20日までに受け取らない方針を寿都町に伝えた。3町村議会は核のごみの受け入れを拒否する「核抜き条例」を制定済みまたは審議中のため。ただ、財政難を懸念する一部議員からは受け取りを希望する意見が上がる。▼ 3町村では受け取りの是非を話し合うため、各議会の全員協議会を10~16日に開催。この協議の場で、一部議員から受け取りに前向きな意見が出た。▼ 蘭越町議会では町議1人が、神恵内村交付金の受け取りを希望した古平町を念頭に「風評被害対策として使う自治体もある」と発言。島牧村議会でも村議1人が同様の意見を述べ、受け取りに前向きな姿勢を示した。▼ 黒松内町議会では複数の町議が文献調査への賛否に関係なく「制度として交付金を使わせてもらうのもいいのでは」などと発言。協議終了後、ある町議は「財源が乏しい中、交付金は貴重。核抜き条例と切り離して考えていい」と話した。▼ 一方、18日に受け取り辞退の意向を寿都町に伝えた蘭越町の金秀行町長は取材に対し「自然資源を生かした1次産業中心のまちづくりをする中で、核のごみはそぐわない」と辞退理由を述べた。(前野貴大、宇野沢晋一郎)
(08/20 21:42 更新 北海道新聞デジタルより)

※※※明智小五郎のコメント:
 ◆辞退の意向を寿都町に伝えた蘭越町の金秀行町長は取材に対し「自然資源を生かした1次産業中心のまちづくりをする中で、核のごみはそぐわない」と辞退理由を述べました。私は現在の多くの少子高齢化が進んでいる全国の町村が執るべき最良の政策ではないかと考えます。経産省やNUMO (原子力発電環境整備機構)の使命は、注1にも書かれているように、核のごみ=高レベル放射性廃棄物の「最終処分場建設予定地の選定から最終処分の実施、処分場閉鎖後の管理等、最終処分事業全般を行うこと」です。福島第一原発の過酷な事故のこれからも出続ける核のごみ=高レベル放射性廃棄物とともに、全国の原発の敷地内に積み重なっている核のごみ、捨て場所にない核のごみ=高レベル放射性廃棄物の処分場を探し、廃棄する使命を背負った「必殺核のごみ処理人」の集団です。だれがどのような意見を持っているかを探り、「対話の会」などを作り、住民や町村の議員を核のごみを受け入れるように「騙(だま)し・たらし込む」組織です。これに乗ると最後の核のごみ捨て場にするまで手放してはくれません。法的に核のごみ持ち込みに対する歯止めを作っていないからだと弁護士が指摘しています。
 北海道の幌延(ほろのべ)は、再三にわたり核のごみの捨て場を研究するということで借地している場所がありますが、研究期間を超えてもなお期間を強引に延長しているのが現実です。「庇(ひさし)を貸して母屋取られる」という俚諺(りげん)=ことわざを思い出してください。コロナ禍のなかで、福島への帰還も強引に進めています。今までは福島第一原発事故の高レベル放射性廃棄物=核のごみのために移住せざるを得なかった人たちに、借家のお金を補助していましたが、まだ強い放射能が出ているにも関わらず強制的に帰還させるという無慈悲なことをやってのけています。帰ってもボロボロになっている廃屋の家にどのようにして住むことができるのでしょうか?住まいを改善することなどしてくれはしません。
 また、移住をしなければ放射能の被害を被るので仕方なく10年以上住み慣れた土地を離れざるを得なかった人たちは、やっと異郷の地で隣人との付き合いも始まり、子供たちも進路を決め、働いている方もおられ、帰りたくても帰れなかった苦難の時間を巻き戻すこともできません。にもかかわらず、異郷の土地に住む家賃の助成も打ち切るという政策を発しました。
 「後は野となれ山となれ」というわけです。これらのことを考え合わせると、核のごみを受け入れたら最後、核のごみの最終処分場にさせられることは目に見えています。「現代社会の国家権力」とはそういうものです。それを拒否できるのは今を置いてほかにはありません。寿都町(すっつちょう)に、核のごみを受け入れるという寿都町片岡町長の口車に乗せられてはいけないと思います。手軽に入る金ほど「危険なもの」はありません。福島第一原発事故の核のごみと同じく危険です。一家離散の憂き目を見ないようにするためには、核のごみの受け入れには反対することが最良だと考えます。


注1】通称でNUMO(ニューモ:Nuclear Waste Management Organization of Japan)「原子力発電環境整備機構」は地層処分事業の実施主体です。法律(「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」)に基づき、電力会社等を発起人として、経済産業大臣の認可を得て設立された法人です(2000年10月18日に設立)。NUMOの事業は、最終処分場建設予定地の選定から最終処分の実施、処分場閉鎖後の管理等、最終処分事業全般を行うことであり、強い使命感を持って取り組みます。(NUMOのホームページより引用)

[660](投稿)負の遺産・核のごみ10万年、何事もないかのように立ち去っていいのか

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<核のごみどこへ 五つの論点>5 
 負の遺産 10万年先まで
06/24 10:39

慶応大の河野礼子教授(50)=自然人類学=は「30万~20万年前に誕生したホモ・サピエンスがアフリカから世界各地に広がり始めたのは10万年前くらい。日本にはまだ人はいなかったと思われる」と解説する。一方、人類は10万年後にどうなっているのか。「よく聞かれる質問だが、1万年先を想像するのも難しい。人類は資源を使いつくし、環境を破壊しつくし、あと1万年も持つのかどうか」

■最悪想像すべき 10万年―。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の毒性が人に安全な水準まで下がるのに必要な年月だが、人類の行く末も分からない未来にまで影響を及ぼす原発を生んだ現世代はどうすべきなのか。▼ ドイツの哲学者ハンス・ヨナス(1903~93年)は、核のごみの処分は「世代間倫理」の問題だとし、現世代には未来の世代への責任があると論じた。▼ ヨナスは「人類の滅亡」は核兵器ではなく、「原子力の平和利用」によってもたらされるかもしれないと指摘。危険性が自明の核兵器と異なり、今の世代は平和利用という名の下で原発の有益性に目を奪われ、「数千年もの未来に対する毒を沈積させながら、何事もないかのように立ち去っていく」と警鐘を鳴らした。▼ 欧州の哲学者の考えを解説した著書「原子力の哲学」がある関西外国語大の戸谷洋志准教授(33)は「『平和的な技術だ』と善意で使っていても破局的な未来をもたらすことがある。ヨナスは現世代は最悪の未来を想像すべきだと訴え、将来、技術革新が起きて問題が一気に解決するというような考えを特に批判した」と話す。

■宗教者も検証に 東京電力福島第1原発事故を受け、ドイツ政府は原発の専門家らでつくる原子炉安全委員会と哲学者や社会学者、宗教者でつくる倫理委員会の二つに原発政策の検証を託した。その結果、「航空機墜落を除けば安全性は高い」とした安全委ではなく、「原発は安全性が高くても事故は起きうる。次の世代に廃棄物処理などを残すのは倫理的な問題がある」と結論づけた倫理委の考えを重視し、22年までの脱原発を決めた。▼ 福島原発事故の当時、故郷ドイツにいたという立命館大のラウパッハ・ヨーク教授(60)は米国のスリーマイル、旧ソ連チェルノブイリ、そして福島と自分の世代に大きな原発事故が3回起きたと振り返り、「原発は安全ではないという前提に立つことが重要で、社会としてそのリスクを負うかどうかは倫理的な判断だ。ドイツは負うべきではないと判断したが、日本は宗教的なほど原発の安全性を信じている」とみる。▼ ドイツの脱原発の動きに詳しく、日本カトリック司教協議会が2016年に発刊した「今こそ原発の廃止を」の編さんに携わった上智大神学部の光延(みつのぶ)一郎教授(65)は、神に背いて禁断の果実を食べたアダムとイブの「原罪」に触れ、「人間は同じ罪を繰り返す弱さがあり、10万年先まで負の遺産を残すのも罪だ」と説き、問いかける。「罪を犯す宿命にあらがって神の望むような人類の救いに向かうか、自ら穴に落ちて滅亡に向かうかは人間の責任で、どう生きるのか一人一人の見識が問われる」
=おわり=(この連載は川崎学、佐々木馨斗、長谷川裕紀、山田一輝が担当しました)(2021・6・24 北海道新聞デジタルより)

※※※骨川筋衛門のコメント
 自然人類学の河野礼子教授は、「よく聞かれる質問だが、1万年先を想像するのも難しい。人類は資源を使いつくし、環境を破壊しつくし、あと1万年も持つのかどうか」と語っています。ドイツの哲学者ハンス・ヨナス(1903~93年)は、核のごみの処分は「世代間倫理」の問題だとし、現世代には未来の世代への責任があると論じていますが、ほんとうに私たちは未来に対する責任を果たせるのでしょうか?この新型コロナ感染爆発の時代すら乗り切っていくことに難渋し、しかも「オリンピック・パラリンピック」を開催し、危うい綱渡りをして、セイフティーネットもないような事態を目の前にしながら。私たちの見識自体が危うく、ワクチンに関しても、同意する人たちと回避する人たちに分かれるにもかかわらず、原子力の問題を「議論して」簡単に扱えるのでしょうか?◆まずは、原発を止めて危険性をかなり低くしてから、ゆっくりと「10万年」かけて議論すべきではないでしょうか?新型コロナの問題はまさに目の前の命、自分たちの命を救うのに全力で立ち向かうのでなければなりません。「議論をする主体」=「人」がいなくなってからでは、「議論」そのものが成立しないことになります。その主体たる私たちが新型コロナや放射能で他界しないようにするにはどのようにすればよいのかをそれぞれが考え抜くべきではないでしょうか!!ともに考え、どのような行動をとるべきかを考え、一歩でも前進しませんか!!

[659](投稿)今年の「秋」は大切な「とき」

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編集者より
 自民党総裁選が終わり、岸田内閣の骨格があきらかになりました。派閥均衡が最重視された顔ぶれで、この内閣は新型コロナ危機のなかで困窮した労働者・民衆のために何かをなすかもしれないという感じがしません。派閥の権謀術数に差配された総裁選の末に選ばれた総裁が、各派閥の人事に関わる思惑を忖度することになるのは必然的だといえます。衆院選のために右顧左眄、右往左往するだけの内閣だと思います。 
 きょうこのブログにアップロードする記事は総裁選の最中に寄せられた前野さんの投稿です。新しい内閣にも問われることが書かれていますので、読んでいただきたいと思います。


危急存亡の秋
09/21 05:00
帰宅したらまず手洗い、うがい。そんな習慣が染みついた。気がつけば、蛇口から流れる水がひんやりしている。<秋水にひたしたる手をひとふるひ>石田勝彦。新型ウイルスとの戦いも、幾多の季節を超え長くなった▼3連休が明け、延長を重ねた緊急事態宣言の期限となる月末が近づいてきた。こんどこそ解除できるのか、再延長を余儀なくされるのか。病床逼迫(ひっぱく)に直面する医療関係者や、業績低下に悩む経営者にとってはまさに「危急存亡の秋(とき)」ではなかろうか▼「三国志」の軍師諸葛亮が魏討伐の遠征出陣に際してまとめた書状「出師表(すいしのひょう)」がこの成句の原典である。劉備の帝位を継いだ息子の劉禅に向け、天下の危機を認識し、国民の疲弊に目を向け、臣下の意見に耳を傾けるよう求めた▼戦いが熱を帯びる自民党総裁選も群雄割拠の様相を見せている。だが、次期首相の座をめぐる権力闘争に没頭する前に、世の中の窮状をよく見てほしい。存亡のきわに置かれているのは、党ではなく国民生活だ▼「秋」を「とき」と読むのは、万物が実りを迎える季節になぞらえて、大切な時であることを示す意味があるという。阿辻哲次著「遊遊漢字学」によれば、漢文の学習が学問の中心だった時代に広く使われた訓読のようだ▼この冬にかけては「第6波」到来の予測もある。国の将来を左右する重大な局面と心得て、気を引き締めて過ごしたい。
2021・9・21(北海道新聞コラム「卓上四季」より)


■■■ 前野亮沢のコメント:

 確かに、帰宅時だけでなく何かをするたびに「手洗い、うがい。そんな習慣が染み」つきました。これに加えて「マスク・ヒトとの距離」なども敏感になり、気を付けるようになってきています。コロナ禍が始まって、今や3カ月余で2年を経ようとしています。第3回目のワクチン接種も実施の視野に入ってきています。長いトンネルの向こうに光が見えてくるのはいつになるのでしょうね?

 コラムでは、「秋」という漢字を「とき」と訓読みする由来が書かれています。同時に、三国志諸葛亮が「劉備の帝位を継いだ息子の劉禅に向け、天下の危機を認識し、国民の疲弊に目を向け、臣下の意見に耳を傾けるよう求めた」ことを例にとり、現下の総裁選挙で「次期首相の座をめぐる権力闘争に没頭する前に、世の中の窮状をよく見てほしい。存亡のきわに置かれているのは、党ではなく国民生活だ」と訴えています。コロナ禍の下で労働から切り離され生活困窮者が多く出ています。この国民の「困窮」にもっと手助けをすることを求めています。これは当然あるべき姿だと思います。付け加えて、「アベノミクスの検証」とともに、「もり蕎麦・かけそば問題」や「赤木さんが自死に追い込まれた問題」も明らかにする責任があると思います。読者の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか?

[658](投稿)新型コロナ危機の世界 米中の「変異」、日本は「コップの中の秋風」

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米国の脱欧入亜
09/27 05:00
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長崎で流行するはしかが東京に伝染するのを防ぐ手段はない。害悪しかない疫病ですらそうなのだから、利害のうち常に利益の方が大きい「文明」の伝播(でんぱ)は防ぐのがさらに困難だ―▼福沢諭吉は「脱亜論」で、明治維新を経た日本がアジアの古い考えから抜け出し、西洋文明を吸収する利を唱えた。さもなくば日本の独立が危うくなる。それだけ欧米列強のアジア進出には勢いがあった▼これとは逆向きの「脱欧入亜」とも言える姿勢を見せるのが米バイデン政権である。警戒するのは「重大な競争相手」の中国による権威主義や経済的影響力の拡大だ。米英にオーストラリアを加えた安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を立ち上げた▼激怒したのはフランスである。米が豪の原子力潜水艦建造を支援する方針を打ち出したことで、仏豪間の潜水艦共同開発計画が破棄に至ったためだ。仏政府は米豪に駐在する大使の召還を表明し、米も非を認めた▼それでも米国はひるまない。首都ワシントンに日豪印の首脳を招き「クアッド」の結束を誇示した。主要7カ国に豪印韓を加えた「G10」の枠組みづくりまで取り沙汰される▼問われるのは、米国を受け入れる立場に回った日本の姿勢だろう。「世界文明の喧嘩(けんか)繁劇は東洋孤島の独睡を許さず」と福沢が論じた国際関係の複雑さは今に通じる。対米追従の一本やりで済むような現状にはない。2021・9・27(北海道新聞コラム「卓上四季」より)



★★★ 空野比呂加のコメント:

●時空間はとても早く変化しますね。同じく、「同盟国」というのも、それに劣らず変化するのが早いですね。各国の「合従連衡(がっしょうれんこう)」は「新型コロナウイルス」のように「変異し毒性を増し、感染力も強くなったり」しています。
 ウイルスについて時には「自壊」もあるのではないかという東大名誉教授児玉名誉教授の見解も上がっています。(児玉氏は、今回の感染者数の減少は、新型コロナウイルスの変異で、ウイルスの変異が「自壊」する方へと変異したのではないかという説を唱えれおられます)。多数派の意見とはまだなっていないようですが。

●世界の大国も「自壊」しないように、早めに「合従連衡」策をとり、自国を守り、時には他国を抑え込もうとする意図があると「卓上四季」氏は見ているようです。菅首相の米国内での「クアッド」参加は「卒業旅行」だと揶揄されていますが、今回も4カ国の中では末端の「透明人間的存在である」かのようでした。

●全て米国に頼るだけの「知恵」しか持ち合わせがなく、主として米国のワクチン依存に任せる以外は「自宅療養」による「自宅死」を防ぐこともできなかった「首相」として菅氏は歴史に刻まれるかもしれません。帰国後は「カラ元気」で、ワクチン接種率が米国より増えて、それによって感染者数が減少したかのように「胸を張って」いましたが、まだ何が新規感染者数を減少させているかは分からないというのが専門家の意見です。次の冬には感染者増加が見込まれ、現在の感染者数減少の時こそ、感染者増加に対応ができるように準備をしておくことが大事だとどの専門家も口をそろえて警告しています。

●また、米国もアフガニスタンから手を引かざるを得ない種々の要因があるのでしょう。中でも「新型コロナ感染者の増加」で、人民が「百家争鳴」のようになっています。経済的にも歪みを増し、政治的・軍事的にも混沌とし、ブッシュ以降、墓穴を掘りまくった末「アフガニスタン問題」を投げ出したのではないかと想像します。しかし、経済的凋落を回避するため、株式投機を自国や他国に促したのか、株価だけが高騰する「異変」が生じています。
 習氏は、(自分に寄与しない)諸巨大資本家の勝手な資産の増加を許さない政策に舵を切り、巨大不動産業や電子産業を抑え込む政策をとり始めています。彼はこの先、中国資本主義が国家官僚の統制・制御から離れ、混沌・混乱…が深まって金満・資本家どもが増殖する可能性を「打ち砕き、自分の田にカネを引く」策略を講じているのではないかと想像します。

●そのような巨大資本家とその政府とともに歩む「政治家」を擁する日本の支配者階級の権力欲、金銭欲、軍備増強競争に対して私たちは向き合い、戦争に反対し、コロナ禍で自宅療養者を見殺しにする・貧困家庭をさらに貧困にする政策に反対しなければならないと思います。

●また現在は、コロナ感染者は急激な減少傾向にありますが、これからの医療政策や経済政策等でこの先の新型コロナ対策を先手で先手で効果のある方策を専門家とともにとることをも要求したいと思います。

●読者の皆様、だれが日本の首相になっても同じく大資本家の手先であることに変わりはなく、私たちは大きな声で、自民党一党独裁政治による政治経済政策・軍事政策・原発政策・無残で下策の新型コロナ対策等に対して、まだ終わっていないコロナ禍の中では、「反対の声」をネットで広げていきましょう!!

[657](投稿)赤木さんの業務内容を隠す人事院報告は不当

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森友、認定理由不開示は「違法」
元職員の公務災害報告書
09/21 19:58 更新(北海道新聞デジタルより)

 森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんで2018年に自殺した近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=の公務災害認定報告書に関し、赤木さんの業務内容などを不開示とした人事院の決定を、総務省情報公開・個人情報保護審査会が違法として取り消すべきだと人事院に答申していたことが21日、分かった。16日付。妻雅子さん(50)側の代理人が明らかにした。
 雅子さん側は19年9月に公務災害報告書の開示を求めた。人事院は開示可否の決定期限を延長した上で19年11月に一部を開示する決定を通知したが、赤木さんの業務内容や健康状態に関する部分は不開示とした。雅子さん側は20年2月に人事院に審査を請求し、人事院総務省に諮問していた。審査会は、不開示とした理由が詳しく記載されていないと指摘し、不開示によって雅子さん側が審査請求の手続きで「具体的、効果的な主張をすることを困難にさせている」とした。
 一部開示された公務災害報告書は認定理由で、森友問題に関する報道で業務が増えて超過勤務が慢性化し「精神的に追い詰められ、自宅で発作的に自殺した」と指摘。財務省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官による改ざんの指示と、赤木さんの自殺を結び付ける記述はなかった。

■■■黒木福寿のコメント

 肝心なことは、赤木さんの業務内容などを不開示とした人事院の決定を、総務省情報公開・個人情報保護審査会が違法として取り消すべきだと人事院に答申していたことです。
 審査会は、不開示とした理由が詳しく記載されていないと指摘し、不開示によって雅子さん側が審査請求の手続きで「具体的、効果的な主張をすることを困難にさせている」としています。一部開示された公務災害報告書は認定理由で、森友問題に関する報道で業務が増えて超過勤務が慢性化し「精神的に追い詰められ、自宅で発作的に自殺した」と指摘しましたが、佐川宣寿元国税庁長官による改ざんの指示と、赤木さんの自殺を結び付ける記述がなかったことは残念です。
 真っ黒に塗りつぶされた文書から、佐川氏の指示と赤木氏の自死を結び付ける記述を見つけるのは極めて困難です。そのそも、真っ黒に塗りつぶすことが、全面的に「事件」に関りが推定される政権の決裁でできること自体がおかしいのです。公文書の保存をきっちりとしなければ、同じことが繰り返されるだけです。読者の皆様、この事態に対して、反対の声を上げて行きましょう!!