[1003](投稿)内閣支持率が低下しても説明が足りなかったくらいにしか思わない岸田政権


岸田政権、旧統一教会問題で存亡の危機 各社の世論調査内閣支持率が大きく下落
2022/09/06 08:00
岸田文雄内閣の支持率が、各社の世論調査で軒並み大きく落ち込んでいる。旧統一教会自民党の密接な関係が指摘されているためで、政権は危機的状況だ。AERA 2022年9月12日号の記事を紹介する。
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 国政選挙を乗り切って安泰だったはずの岸田文雄政権が存亡の瀬戸際に立たされている。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党政治家との関係が次々と発覚し、国民の不信が募っているのだ。背景には応援してくれる組織を十分チェックしない自民党の積年の体質がある。コンプライアンス(法令や社会規範の順守)が厳しく求められる時代との落差はあまりに大きい。岸田首相は自民党の「解党的出直し」を迫られている。

 きっかけは7月8日の安倍晋三元首相銃撃事件だった。山上徹也容疑者が犯行の動機に関連して、母親による旧統一教会への多額献金で家庭が崩壊、旧統一教会の友好団体の集会にビデオ出演した安倍氏に殺意を抱いたと供述したという。この犯行は許されないが、旧統一教会自民党との深い関係がクローズアップされた事件となった。

 波紋は広がった。事件当時、経済産業相だった萩生田光一氏は旧統一教会系の会合に出席していたと発表、山際大志郎経済再生相も同じような会合に出席したと明かした。内閣支持率が急低下したことに危機感を抱いた岸田首相は、予定を早めて8月10日に内閣改造自民党役員人事に踏み切った。

 局面転換を狙ったのだが、(1)経産相から党政調会長に横滑りした萩生田氏が、参院選公示直前に立候補予定者と旧統一教会の施設を訪問(2)留任した山際経済再生相が、旧統一教会系の団体がネパールで開いた会議に出席していた、といった新事実が次々と判明。改造前には党総務会長を務めていた福田達夫氏が、旧統一教会に関連して「何が問題なのか分からない」と語り、多額献金などで苦しむ被害者たちから強い反発を浴びた。

 内閣支持率はさらに低下。朝日新聞の調査(8月27、28両日)では岸田内閣を支持する人が47%で7月に比べて10ポイント下落。支持しない人は25%から39%に急増した。ほかの調査でも支持率は軒並み低下している。いずれの調査でも首相の旧統一教会問題への対応を「評価しない」が多数を占めており、この問題が政権を直撃していることが分かる。(政治ジャーナリスト・星浩

AERA 2022年9月12日号より抜粋

読者より:

 岸田政権の支持率は軒並み下がっています。

 原因の一つは「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党政治家との関係が次々と発覚し、国民の不信が募っている」からです。

 もう一つの原因は安倍元首相の「国葬」問題です。

 国葬を行う高額の金額も大問題ですが、新型コロナ禍による多数の感染者が出ていることに対する対策が不十分であることはもとより、それに伴う失業の増加や転職難や物価高騰対策の不十分さなどが明白となり、今日食べるにも困っている人たちが多数いること、食料品の値上げ、ガソリン代・電気料金・ガス料金…の高騰に苦しんでいる生産者と消費者の不平不満が解消されないでいるからだと思います。

 しかし、もっと根本的な問題は安倍元首相が旧統一教会=世界平和統一家庭連合と深い関係にあったことが暴露され、安倍氏が旧統一教会にエールのメッセージを送っていた動画が映し出され、旧統一教会の応援を受けて多数の安倍派(元細田派)の国会議員が生まれ、安倍一強の自民党ができ、それを基礎にして「安倍元首相の下での長期政権」なるものが出来たという歴史的事実があるからだと国民は知ったからだと思います。
 安倍元首相と旧統一教会の関係がなければ、安倍氏は凶弾(教団)によって倒れなかった可能性が高いと思います。「長期政権」を為(な)したからという理由で安倍氏を持ち上げるよりも、安倍氏が旧統一教会との二人三脚をしてこなければ、また同時に「カルト集団である旧統一教会」を国政選挙や地方選挙で関係を持たず・取り締まり・抑え込んでいたならば自民党や他の党派や地方議員まで、旧統一教会に浸食されなかったと思います。旧統一教会をこれほどまでに増長させずに済んだはずです。

 旧統一教会は、カルト集団であり、カネもうけが目的の「宗教の皮を被った金の亡者」です。海外にもトンネル銀行を持ち、「宗教」として認めたままにした(下村文科大臣が関与した可能性が大ですが)ため、「献金」に対する課税を免れ、大御殿などを作っている映像が流れることになっています。今では、「寄付金」をマインドコントロールされている「信者」から集め、そのお礼として壺や経典を「お返し」として「信者」に与える方式にして、これまで「霊感商法」と言われていた問題をすり抜ける道として「開拓」しています。しかし、これも明らかに「霊感商法」そのものです。

 岸田政権は、元信者やその2世を救済するとして消費者庁に「専門」の相談窓口を設けましたが、9月5日から9月30日という短期間であり、対応する職員は高々10人だけだと聞いています。これで何がどれくらいできるのでしょうか!!お寒い限りです!!

 現岸田政権には、「旧統一教会=世界平和統一家庭連合」と相互浸透して選挙にとりくみ国会多数派を形成しその上に君臨した安倍元首相の憲法改定の悲願が引き継がれています!!

 「旧統一教会」と二人三脚であった安倍氏の「国葬」には反対しましょう!!
 戦後レジームからの脱却を掲げ、日本を軍国大国化する諸施策を行い、憲法改悪への流れをつくった安倍元首相の国葬に反対しましょう。

 

[1002](投稿)長期政権だから「国葬」を執り行うという行為は国民をさらに騙(だま)すこと


内閣支持ほぼ横ばいの50%、国葬の実施決定「評価せず」56%…読売世論調査
9/4(日) 22:00配信

読売新聞オンライン
 読売新聞社は2~4日、全国世論調査を実施し、岸田内閣の支持率は、前回(8月10~11日調査)の51%から50%となり、ほぼ横ばいだった。不支持率は41%(前回34%)で、初めて4割を超えた。


 岸田首相が、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)との「関係を断つことを自民党の基本方針とする」と表明したことを「評価する」は76%に上った。一方、自民党が旧統一教会との関係を断つことができると「思わない」は72%を占めた。
 安倍晋三・元首相の国葬国葬儀)の実施を決めたことについては、「評価しない」56%(8月5~7日調査46%)が「評価する」38%(同49%)を逆転した。また、新型コロナウイルスに感染したすべての人の情報を把握する「全数把握」を見直すことに「賛成」は57%に上った。

 各党の支持率は、自民党40%(前回35%)、日本維新の会6%(同5%)、立憲民主党5%(同6%)、共産党3%(同3%)、公明党2%(同3%)、国民民主党1%(同1%)、れいわ新選組1%(同2%)、参政党1%(同2%)などの順。無党派層は37%(同37%)。(yahooニュースより)

★★★ 投稿:自民党の支持率はもっと下がっていくと思います。当初、安倍元首相が凶弾に倒れ、多くの人たちが献花をされていましたが、世界平和統一家庭連合・旧統一教会の関与が広く深く知られてくると岸田政権が提起した「国葬」問題に火が燃え盛り、自民党・岸田政権への批判も大きくなり、今では支持率の下落がはなはだしくなっています。

 その後も、旧統一教会=世界平和統一家庭連合が南米あたりで銀行を開き、無税の隠し金をため込んでいるという報道も出てきました。

 また、最近は高額の壺や判子(はんこ)を売るのではなく、寄付をした信者に壺や判子などを「景品」として渡すという手法に変えているというニュースが出ています。どこまでもカネ・カネ・金・金です。平和統一家庭連合=旧統一教会のやり口は「お金目当て」の詐欺商売です。宗教の姿を借りた税金逃れの詐欺師集団です。

 政治的にも「勝共連合」として「反共産主義」を唱えながら北朝鮮金日成主席とニコニコとして深い繋がりを持っていたのです。(注1)

 自民党の元首相安倍晋三氏は、長期政権を維持したと言われていますが、旧統一教会の信者の力をフルに活用して選挙で議席数を稼ぎ、自民党内でも一番大きな派閥を作り、「長期政権」もできたのです。

 これらのことを総合的に考えるならば、長期政権だから「国葬」を執り行うという行為は国民をさらに騙(だま)すことと同じだと思います。

 岸田政権がやろうとしている安倍氏の「国葬」なるものは、自民党の最大派閥・旧統一教会に借りを作っている代議士が多数を占める安倍派閥の支持を得て岸田政権に至ったことへの「御礼」でしかなく、国葬の表看板が「長期政権」ということにすぎません。しかも、岸田内閣も旧統一教会と関係が深い大臣で出来上がっていて、旧統一教会と関係が全くない大臣だけでは内閣ができないという事態を避けることができなかったからにすぎません。

 皆さんの「国葬反対」の声をもっともっと広げて行きましょう!!

注1: 旧統一教会北朝鮮 30年来の深い関係【礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング】:時事ドットコム (jiji.com)

統一教会北朝鮮 30年来の深い関係【礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング】:時事ドットコム
 旧統一教会をめぐるニュースが連日報じられているが、朝鮮半島を研究しているとこの団体の姿が見え隠れする。教祖の文鮮明(ムン・ソン ...
www.jiji.com

[1001]国会前集会


 31日夜、国葬反対集会が国会前であり、組合の有志の仲間と行ってきました。
 4000人集まり、高齢者が多かったのですが、若い人も大勢来て熱気があり、2016年の安保法制反対闘争以来のにぎわいでした。
 やはり個人の参加が多いようでした。草の根運動は大切ですが、多くの労働組合が機関決定して参加するようにしたいですね。

 今日は連合会館で連合の平和フォーラム主催「安倍元首相を美化し、弔意を強制しかねない国葬を許さない9・7集会」があり、参加してきました。憲法学者の清水雅彦さん(日本体育大学教授・憲法学)の国葬批判講演があり勉強になりました。組合関係者が多く、ユーチューブでも配信されました。
 安倍元首相の国葬憲法の観点から言っても反対しなければならないと思います。
 6月19日1時半から代々木公園で原発反対もスローガンに掲げた国葬反対の大きな集会があります。

[1000]新型コロナ危機のなかで

 
 読者、投稿寄稿をしていだいた皆さま、ブログ「新型コロナ危機のなかで」が1000回目になりました。ありがとうございます。このブログは新型コロナ感染症にたいする各国政府の対応よって現代社会に暮らす労働者階級・民衆の生命と生活が危機に貶められていくことを黙って見過してはいけないという思いもありはじめました。
 それから2年4ヶ月、新型コロナウィルスは変異を繰り返し、感染症は容易には収まりそうにありません。ワクチン接種は遅れ、治療薬が不足しているために、私たちは、不安の中で働き生活してきました。
 政府・厚労省の対策の拙さに規定され多くの人々が感染しました。何よりも優先的に予算を投入して検査・診断・治療体制を適確に確立してさえいれば、感染の広がりと亡くなる方も抑えられただろうに、と思います。
 そして、経済活動を制限した資本家、経営者によってまず非正規雇用の労働者が解雇・雇い止めにあい、労働市場にあふれた労動者は労働基準法が適用されない個人請負契約による働き方で長時間労働が強いられ厳しい生活を余儀なくされています。仕事に就けない人もいます。
 コロナ不況下ウクライナ危機が重なってインフレが亢進し、物価高に見舞われた私たちの生活はますます大変になっています。さらに新型コロナの社会的影響は顕在化すると思います。
 これからもいろいろなことが私たちを襲ってくるでしょう。その中で感じることを綴っていきたいと思います。
 皆様の投稿寄稿よろしくお願いいたします。
                  松本隆


[999](投稿)国葬反対!!


【投稿】国葬反対!!

 岸田首相の提案で閣議決定された安倍元首相の「国葬」に反対のデモが起こっていることをTVで見て、岸田内閣の支持率の下落は当然だと思いました。
 安倍元首相や多くの自民党国会議員はもとより野党国会議員や地方議員もカルト教団・旧統一教会に浸食されています。その統一教会安倍氏はエールを送り、旧統一教会の後押しを得て、安倍派の議員や自民党の議員が増えて、「安倍長期政権」が成り立っていた。
 安倍元首相の森友問題、加計学園問題、赤木氏の自死問題などの数々の犯罪を不問に付しその「似非長期政権」の歴史を良しとして、今もその余波が残っている土台の上に「国葬」を提案した岸田内閣に対する怒りが多くの国民に波及したため「国葬反対」運動が沸き上がってきたと思います。

 地方議員にもカルト教団・旧統一教会の議員がいる!!地方議員の選挙の後押しを旧統一教会はしている!!
 
 最近は地方議員にもカルト教団・旧統一教会の申し子・藤曲敬宏(ふじまがりたかひろ)=は、元ゴリゴリの原理研究会の一員で、現在は静岡県議会議員となっていて、県会議員としての交通費などの諸経費を使って、旭川市議や市長に接近し「家庭教育」に関する「建白書?」を政府に提出する算段を尻押ししていることも取り上げられました。同じく、富山県でも富山県知事や県会議員がカルト・旧統一教会の選挙支援を受けているという報道が放送されていました。
 米国ではカルト教団・旧統一教会の「ロビー活動」は禁止され、フランスなどでも霊感商法などを働いているカルト団体として危険視し回避する法律が作られています。
 このようなカルト教団・旧統一教会の地方議員が本邦・日本には多くいて、それぞれ同じような「家庭教育」建白書を提出する運動をしていることに強い危機感を覚えざるを得ません。行政は各個別の家庭の教育に対して、規則を決めるということはできないとTVで弁護士さんは言っていました。
 藤曲という県会議員をウィキペディアで調べても削除されています。おそらく他の旧統一教会出身の地方議員のウィキペディアの項目も削除されていると思います。
 カルト教団・旧統一教会=現・「世界平和統一家庭連合」は、各地に支部を持ています。
 支部について、詳しくは「世界平和統一家庭連合」(注1)などでお調べください。支部も紹介されています。各地の支部から旧統一教会の会員が選挙を手伝ったり、時には地方議員となり、講演を「世界平和統一家庭連合」の一員である講師に「家庭教育問題」の講演を依頼しています。各地方自治体から「家庭教育に関する講演」を依頼したりする仕組みになっています。各地方自治体から多くの「家庭教育に関する建白書」を提出することで、同調する国会議員の後押しを図り、国会議員を操作し、旧統一教会=世界平和統一家庭連合に親和性のある国会議員を大勢作る算段をしていると考えられます。
    
 「旧統一教会」=「世界平和統一家庭連合」がやってきた「合同結婚」は、韓国の地方の労働力不足を補う役割を果たしてきました。霊感商法で高額の献金を強い、さらに2009年からは高額の壺や印鑑などの販売を政府から禁止されてからは、高額の献金にシフトさせ課税を免れてきたカルト集団に対する認識をしっかり持っていただきたいと思います。それとタイアップしてきた多くの自民党や野党の国会議員の画策する「安倍元総理」の「国葬」の中止を求める言論を大きくし、国葬反対運動を盛り上げていきましょう!!
 

[998](寄稿)4回目接種の効果は?

ペンギンドクターより
その3

 転送する4回目コロナワクチンの主張は6月2日のものです。

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 4回目接種の効果は?海外の「18~60歳」「60歳以上」の報告から考える

 この原稿は幻冬舎ゴールドオンライン(6月2日配信)からの転載です。
 https://gentosha-go.com/articles/-/43232

 ひらた中央病院 非常勤医師
 福島県立医科大学博士課程(放射線健康管理学講座)
 麻酔科医・内科医
 小橋 友理江

 2022年9月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp
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 ●ついに始まった4回目接種、3回目接種と何が違う?

 新型コロナの4回目接種が5月25日から始まった。対象者は、「努力義務」とされている60歳以上の方と、「接種推奨」とされている18歳以上かつ基礎疾患を有し入院中または通院中の方である。また、3回目接種から5ヵ月経過している必要がある。ファイザー社製またはモデルナ社製ワクチンを使用するのは3回目接種のときと同様である。

 3回目までと異なるのは、4回目接種は重症化予防を目的として行われる、という点である。3回目接種もやっと終わったところなのに、と思われている方も多いと思われるが、先に4回目接種を行ってきた諸外国からはどのような報告がなされているのか、見てみたい。

 ●ウイルスに対する免疫、抗体と細胞性免疫の変化は?

 ブースター接種をすると、数週間後に抗体価はピーク(抗体価の上がりの頂点)を迎えることが知られている。このピークの高さは、3回目接種後と4回目接種後で比較したときに違いはあったのだろうか。

 イスラエルにおける1050人(ファイザー社:154人、モデルナ社:120人、未接種者:776人)を対象とした研究(※1)によると、3回目接種後に比べて4回目接種後のほうが抗体価のピークの値はわずかに高く、ファイザー社製とモデルナ社製でピークに差はなかったとされている。3回目接種から時間が経過し抗体価が下がったものが、同程度まで回復すると言えるかもしれない。

 新型コロナに対する免疫を考える上で、抗体価のみでなく「細胞性免疫」についても考える必要がある。大まかにいうと抗体は感染が成立するのを防ぐために必要であり、細胞性免疫は新型コロナが体に感染した後、重症化を防ぐことに大きく関係している。高齢者を含んだ133人について調べたイギリスの研究(※2)では、細胞性免疫の値も、3回目接種後と比較して4回目接種後では、同等かそれ以上に上昇している(複数の新型コロナ変異株に対する反応性も同程度に高かった)。

●4回目接種の効果は?

 ◇18歳~60歳における感染防御力は低い?
 感染予防と重症化予防についてはどうだろう。まず18歳から60歳の医療者を対象とした先程の1050人のイスラエルの研究(※1)を見てみると、4回目接種から約1ヵ月までにおける感染予防効果はファイザー社接種群で約30%[95%信頼区間:-9-55]、モデルナ社接種群で約11%[95%信頼区間:-43-44]となっている。この研究は極めて参加者が少ないので、この研究だけからだと何とも言えないのだが、少なくとも18歳から60歳の医療者における4回目接種による感染予防効果は、十分でない可能性がある、と言えると思われる。

 ◇感染防御力が低く見える最大原因は「主流変異株の違い」
 2回目接種後には少なくとも4ヵ月頃までは感染防御の効果もありそうだったのになぜ4回目接種後には感染防御力が下がっているように見えるのだろう、ということについては、色々な要因が関係していると思われるが、一番大きな原因は、2回目接種後に主流であった変異株と、現在主流の変異株が異なることだろう。

 もしかしたら現在の主流変異株に対してのワクチンが問題解決に役立つ可能性もあるが、新しいワクチンについても、現行のワクチンより防御や予防の成績が良いかを様々な段階を経て見極めながら、少しずつ進めていく必要があるのだろう。

 ◇「60歳以上」では重症化予防に期待大
 次に60歳以上を対象としたイスラエルの保健省のデータベースを使った125万2331人を対象とした研究(※3)を見てみると、感染防御有効率は4回目接種から4週間後では約50%[95%信頼区間:47-52]、6週間後では約33%[95%信頼区間:29-38]、8週間後では約9%[95%信頼区間:0-17]であった。

 一方で重症化予防有効率は、4週間後では約71%[95%信頼区間:63-78]、6週間後では約77%[95%信頼区間:62-86]と、6週間までは減少が認められなかった(※注)。

 この情報を見ても、60歳以上の対象者に、重症化予防を目的として4回目接種が投与されるのは、理にかなっているということである。

 ●4回目接種、あなたはどうする?

 国内の重症者の約9割が60代以上の方々で占められていることを考えても、様々な意見や考えがあると思うが、私個人としては「努力義務」とされている4回目接種を受けておくのは、大事なことだと思う。

 患者さんが治療法などで迷われたときに、医療者なら「ご自身だったら、またはご家族だったらどちらの治療法を選択しますか?」と聞かれることがあると思うが、もし私が4回目の新型コロナワクチン接種についてこの質問を受けたら、「私自身や私の家族が対象者に当てはまるなら、接種を受けることをすすめたい」と答える。個人レベルの経験に加えて、集団のデータも視野に含め考えてみることがおすすめである。

 ※1 Regev-Yochay G, et.al. Efficacy of a Fourth Dose of Covid-19 mRNA
 Vaccine against Omicron. N Engl J Med. 2022 Apr 7;386(14):1377-1380. doi:
 10.1056/NEJMc2202542. Epub 2022 Mar 16. PMID: 35297591; PMCID: PMC9006792.
 ※2 Munro APS, et.al. Safety, immunogenicity, and reactogenicity of BNT162b2
 and mRNA-1273 COVID-19 vaccines given as fourth-dose boosters following two
 doses of ChAdOx1 nCoV-19 or BNT162b2 and a third dose of BNT162b2
 (COV-BOOST): a multicentre, blinded, phase 2, randomised trial. Lancet
 Infect Dis. 2022 May 9:S1473-3099(22)00271-7. doi:
 10.1016/S1473-3099(22)00271-7. Epub ahead of print. PMID: 35550261;
 PMCID:PMC9084623.

 ※3 Bar-On YM, et.al. Protection by a Fourth Dose of BNT162b2 against
 Omicron in Israel. N Engl J Med. 2022 May 5;386(18):1712-1720.
 doi:10.1056/NEJMoa2201570. Epub 2022 Apr 5. PMID: 35381126; PMCID:
 PMC9006780.

 ※注 著者らは対照群と比較したRate ratio(RR)の感染予防効果で報告しているが、(1-1/RR)×100 により有効率を算出
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 ご覧になる環境により、文字化けを起こすことがあります。その際はHPより原稿をご覧いただけますのでご確認ください。
 MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp

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 MRICの英語版として、MRIC Globalを立ち上げました。
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 今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いただけましたら幸いです。
 MRIC by 医療ガバナンス学会 http://medg.jp
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 MRIC by 医療ガバナンス学会


[997](寄稿)近藤誠医師について

ペンギンドクターより
その2
 
 ご存じと思いますが、「がんもどき理論」「がんの放置療法」で本を書きまくった近藤誠氏が8月13日だったか、心筋梗塞?とかで急死しました。73歳でした。彼は「がん」だけでなく、「反ワクチン本」、「検診無用論本」でも、出版社の寵児でした。文藝春秋にも多大の貢献をしたせいか、「菊池寛賞」を受賞しています。
 日本の乳がんの外科手術に対する批判として、欧米での「乳房温存手術・乳がん放射線治療」の紹介などにおいては日本の医療に大きな警鐘を与えたことは評価できますが、それ以後は大きな害をなした人でした。つまり、相反する学説がある場合に、自分に都合のよい説だけを取り上げて「物語りを組み立てる」手法の著書を乱発しました。恐らく、出版社の編集者との共同作業も多々あったと推定されます。
 例えば私の専門の胃がんについて言えば、同級生のSさんの胃がんは「小さいけれども静脈に早くから侵入して血行性の転移」を起こすタイプであり、手術しても早期に再発するので、癌を治療しても放置しても結果的に同じだったという結論が出てくる・・・・・・と言えるかもしれません。しかしHさんの胃がんの場合は、静脈侵襲がほとんどなく、再発形式としては診断の遅れによる、腹膜播種です。彼は幸い5年以上経過して治癒と言えますが、もっと早く見つかれば、辛い抗がん剤治療も不要でした。Hさんのタイプは、胃の粘膜から発生する胃がんが胃の壁の深い所に徐々に入り込み数年後に腹膜側に顔を出して腹膜全体に広がるタイプですから、早期に発見して手術などで治療すればその時点で完治が期待でき、抗がん剤治療も不要です。
 つまり、同じがんでもいろいろなタイプがあるということですから、近藤誠氏の考えは一部に当てはまるけれども一部には殺人理論といってもいい理論です。全体としては「理論」とは言えない、いわゆる「陰謀論」に近いものです。

 結局、彼は心筋梗塞あるいは急性心不全にて8月13日仕事に出かける朝に急死したようですが、彼のことですから、検診は受けず、自分の健康状態のチェック、高血圧や糖尿病、心電図チェックなどもしていなかったのではないでしょうか。いわゆる「人間ドック」で無症状ながら見つかるものとしては、がん検診のあるものとか、上記の内科疾患などでコストパフォーマンスがあるかどうかは議論の余地があるとしても、自分自身の寿命の延長には役立つ部分があると私は考えています。
 医師のネットワークでも、自分の患者さんが子宮体癌でステージⅠだったのだが、近藤誠氏の「放置療法」を信奉し、本人・家族も治療を拒否していたが、やがてステージⅳになって戻ってきて、「先生の言うことを聞かなくてごめんね」と言った人がいたと嘆いた婦人科の医師がいました。また、「死者に対し不謹慎だが、近藤氏は大腸がんになって手術するか否か苦しんで欲しかった」という医師もいました。
 もちろん数は少ないのですが、近藤誠氏は「日本のがん医療における黒船」だと肯定的に評価する人もいました。乳がんについては当てはまります。しかし、73歳の急死は、「近藤理論?」の破綻を自ら証明したと言えるでしょう。

つづく