投稿[37]コロナ危機のなかで変わっていく医療ーその1

ペンギンドクターからの寄稿です。
添付ファイルは次回載せます。



皆様
 
 ひと月検診が一切中止していたので、上部消化管の内視鏡(いわゆる胃カメラ)の対象患者が未検のままたまっていて、連日、以前より多く行わないと予約がこなせなくなってしまいました。検査の枠を増やしました。また今までは内視鏡検査の終了後、私が写真を見せながら、丁寧に結果を説明していたのですが、長時間の密室状態が続くので、説明は省略し、結果の連絡は文章のみとしました。そのため、私が個人的に熱心に勧めていたピロリ菌検査、抗ピロリ菌IgG抗体検査の勧誘も中止としました。それなりの実績を積んでいたのですが、私も受診者もお互いに危険は避けた方がいいということです。
 医師も職員も受診者も検診業務の開始時に、体温の測定をしています。すべての人がマスク着用をし、医師はマスクに付着できる簡易フェイスガードをして額までを覆います。ベッドに寝た場合は、枕の使い捨てカバーを一人ずつ取り替えます。診察室の入り口のノブは適時拭き掃除をしています。聴診器は一人ずつ終るとアルコール綿で拭くことになっていますが、私は受診者のユニフォーム(センターで支給されたものです)の上から聴診器を当てるので、省略しています。
 マスクの効用については、前回述べました。世界的にもWHOがついにマスク推奨に転換しました。私自身のマスクの位置づけは以前にもお話しました。
 できるだけ、職員と受診者を長時間接触しないようにしつつ、検診業務を再開したということです。
 上部消化管XPの読影も再開し、週6日分を空いた時間を有効に使って読影しています。幸い、内視鏡検査の結果説明が無くなったので、時間の余裕ができ、診察のあいまに本を読む時間が増えました。ピロリ菌検査勧誘のために詳しく意義を説明していたので、3時間近く喋りっぱなしでしたが、ずいぶん楽になりました。
 検診業務の現状はそんなところです。

 実は、在宅医療中心のクリニックは、契約している患者さんが増加しています。私はパート医で往診は一件のみ、外来中心ですが、常勤職員は大変でしょう。
 増えた理由は、今まで老人患者で急変したような場合、入院を希望していた家族も、新型コロナウイルスの影響で面会もままならぬことを聞いて、最後まで在宅で面倒を見ようという人が増えているようです。全日本病院協会所属の病院も、救急入院などを受け入れることが現状では不可能なので、在宅医療を勧めてほしいようです。
 
 一方全国的なクリニックなどの開業医の現状ですが、8-9割が減収となっています。外来受診者が激減しているからです。以前にも言いましたが、医療施設は感染の危険が増すので、なるべく受診したくないという人が増えているからです。具体的には高血圧患者さんなどの著変のない人の二週間分処方がひと月あるいは最大3ヶ月分になったからです。ネット上ではコロナ終息後も長期処方の流れは変わらないのではないかと、ボヤいているドクターが多いようです。
 またCOVID‐19患者を受け入れた病院の減収は著明です。
 1月下旬から5月下旬まで感染疑いも含めて234人の入院患者を受け入れた聖路加病院では一部病棟を空け、人間ドックなども休止した影響で億単位の減収となっているとのことです。
 いずれにしろ、第2波、第3波のCOVID‐19の波が来るのは確かだと言う人は多く、当てにならない政府や専門家委員会にかまわず、医療機器やマスクなどの防護具を国内で作り始めた医療従事者や民間企業もあるようです。日経新聞系の「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」を録画して、女房と食事時に観ているのですが、頑張っているところも多く、勇気づけられます。

 添付ファイルは新型コロナウイルスの感染数と死者数など国別の違いを、ネットで調べて計算したものです。2日かかりましたが、いつもの医療情報の転載だけではないので、調べていて面白かったです。バカな麻生大臣や専門家たちの「嘘」が明らかだと思います。見てください。では。