[1075]アマゾンの労務管理

 アマゾンの解雇について昨日書きました。今日は2019年からアマゾンで働く労働者に課された究極の労務管理について紹介します。

 以下引用する記事は2019年の4月28日のMIT Technology Reviewに掲載されたものです。

解雇通知書も自動作成、アマゾン倉庫の驚きの生産性管理システム

人々が機械に監視され管理されるのは、SF小説の世界に限った話ではない。今や、現実のものとなっている。

ここ何年間も、アマゾンの倉庫で労働者が直面している好ましくない労働条件については多くの報告がされている。従業員は1時間に何百という箱詰めを強いられ、作業が遅ければ解雇を突き付けられる。

ザ・バージ (verge)が入手した資料によると、アマゾンの従業員が生産性の低さを理由に解雇されるのは、部外者が考えているよりもはるかに一般的だという。アマゾンで2017年8月から2018年9月までに、生産性を理由に解雇された人は、一施設につきおよそ300人だった。重要なのは、解雇手順のほとんどが自動化されている点だ。

アマゾンはすべての労働者の生産性を追跡し、監督者が何も入力しなくても、自動的に警告書や解雇通知書まで生成するという。マネージャーはその手順を覆すこともできるが、どのくらいの頻度でそうしているのかはアマゾンは述べなかった。同社によると、従業員は解雇のプロセスに抗議することはできるという。

ウーバーのドライバーたちは「アルゴリズムによる管理」について不平を訴えてきた。アマゾンは「コンピューターによる解雇」の最初の事例ではないが、自動化進展するにつれ、こういった話はもっと一般的になりそうだ。

引用はここまで。

 これは知りませんでした。解雇するかどうかの判断素材がコンピューターによって与えられ、経営者はそれにのっとって労動者に解雇通告するというシステムが導入されています。労働者の解雇がコンピューターの「判断回路」に依拠して行なわれる時代になりました。

 ツイッター社では、解雇通告がツイッターで行なわれ、即パソコンにログインできなくされるという事態が起きています。

 つづく