ツイッター社のCEOイーロン・マスクはメールで「世界的に競争が激化する中でツイッターが成功するには、極端にならなければならない。これは長時間、猛烈に働くことを意味する」と主張したとのことです。
さらにマスクは「もし新しいツイッターの一員になりたいなら、添付したリンクでイエスをクリックしてほしい」と求め、「明日午後5時(米国時間17日午後5時)までにそうしなかった社員は3カ月分の解雇手当が支払われるだろう」とメール。 日付は11月16日。タイトルは「分かれ道」だったそうです。
マスクは、自らが経営する米電気自動車大手「テスラ」では、工場内の会議室に寝袋を持ち込んで働いたことがあると言っているらしいです。
マスクは10月下旬にツイッターを約440億ドル(約6兆円)で買収。赤字体質から脱却するため、人員削減などの構造改革を進め、抜本的な組織改革は今週末までに終えるという。
(17日毎日新聞参照)
解雇通告はツイッターで
Rakuten Newsに掲載された15日のガジェット通信 によると、ツイッター社員をツイッター上で解雇したイーロン・マスクCEOが再び話題となっています。
その顛末は次のとおりです。引用します。
ーー6年間Android版Twitterの担当エンジニアだったフロンホーファーさんとマスクCEOの間で技術的問題に関する議論をTwitter経由で何度か行った後、とあるユーザー(ツイートは非公開)が「こういう態度の社員はチームに必要ないでしょ」というツイートを投稿。 それに呼応する形でマスクCEOが「彼を解雇した」とツイートした後、会社のパソコンにログインできなくなったフロンホーファーさんは解雇されたことに気付いたそうです。ーー
血も涙もない荒涼たる世界が広がっています。このやりかたはこれからもなされ、広がるでしょう。
次の一文はツイッターに投稿されたものです。
「言論の自由の場を求めてツイッターを買収したマスク氏が、社員の意見にここまで辛辣とは。ツイッター上での議論でクビにされてしまっては、自由につぶやくなんて怖くてできませんけど…。」
団結を壊された時代の中で労働者の闘いはますます厳しくなってきました。
資本制生産様式の生命線は、一言で言えば、時間の節約です。この資本主義社会になって以降、労働者は資本家からできる限り短い時間でいいものをたくさんつくれと言われてきました。時間の節約は労働過程で追求され資本家は剰余価値を取得します。要らなくなったら首を切られ、路頭に迷わされるということが繰り返されてきました。労働運動は敗北を重ねてきました。今や首切りが電子メールで通告されるまでに資本主義社会は進んでいます。
いわば、時間の節約が解雇通告の形式にまで広げられてきました。人情などという言葉は消えました。
新型コロナパンデミックをくぐった現代資本主義の中で、階級社会の矛盾が露頭しています。資本主義の仕組みに淵源する悲痛な現実を凝視しなければなりません。