[1111](寄稿)医療情報

ペンギンドクターより

その1

皆様
 寒いですね。日本海側の大雪は継続しています。この大雪は異例で、新潟県もいつもはそれほどの積雪のない新潟市に大量に降っています。新潟市の大量の積雪は38年前以来だということでしたが、実は38年前に私は新潟市の女房の実家に雪かきに行ったことがあります。信濃川の河口近くで確かに通常積雪は少ないのですが、その時は30センチ近く積って朝玄関の開きドアが開かないと聞いて、女房と二人で雪かきに行った覚えがあります。女房の話では新潟市に積雪が少ないのは佐渡があるおかげだとのことですが、山から少し離れているせいでもあるのでしょう。
 年をとったと痛感するのは、寒さに弱くなったことです。特に足元が冷えて困ります。今も足温器を使っています。まあ仕方ありません。体を動かしていれば、寒さは感じないので、あまり寒いと家の大掃除などを始めます。家の中が綺麗になるので悪いことではありませんが、早く春になることを願っています。

 本日転送するのは、「歯周病」の続きです。

 まず雑多な医療情報です。
 新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)がまたまた広がっています。後期高齢者である私自身は気を付けていますが、経済活動をストップする必要はないでしょう。中国の爆発的感染が話題になっています。死者も一気に増大しているようですが、どのくらい信頼していい統計なのか、私にはわかりません。ただ、ゼロコロナを目指していた中国が、感染防御体制をなくせば、一気に広がることは確かでしょう。高齢者が死ぬのはやむを得ないとしても、どのくらいの若年者つまり60歳未満が死亡しているのかが問題になります。
●コロナ重症化率と致死率、どの程度低下したのか/COVID‐19対策アドバイザリーボード 

 提供元:ケアネット
 COVID‐19の感染症法上の位置づけについて議論が進んでいる。その判断には、病原性(重篤性)と感染力、それらによる国民への影響を考慮する必要があるが、その重症化率と致死率について12月21日に開催されたアドバイザリーボードで報告された。ともに昨年夏から大きく低下しており、病原性が低いとされるオミクロン株が流行の主体となっていること、多くの人が自然感染あるいはワクチンによる免疫を獲得したことが要因と考えられている。
 今回報告された重症化率と致死率は、石川県、茨城県広島県のデータから2021年7月~10月(デルタ株流行期)、2022年1月~8月(オミクロン株流行期)に診断されたCOVID‐19のうち上記の割合を算出している。
 (中略)
◆重症化率(60歳未満、60・70代、80歳以上の順)(%を省略)
2021年7~10月:0.56 3.88 10.21
2022年1~2月:0.03 1.22 5.04
2022年3~4月:0.03 0.79 3.50
2022年5~6月:0.01 0.34 1.66
2022年7~8月:0.01 0.26 1.86
 <参考>季節性インフルエンザ:0.03 0.37 2.17
◆致死率(同上)
2021年7~10月:0.08 1.34 7.92
2022年1~2月:0.01 0.70 4.57
2022年3~4月:0.01 0.43 3.12
2022年5~6月:0.00 0.14 1.53
2022年7~8月:0.00 0.18 1.69
 <参考>季節性インフルエンザ:0.01 0.19 1.73

 参考のインフルエンザ死亡率等は重症化の定義やデータソース、集計方法が異なるので注意が必要とありますが、新型コロナもインフルエンザ並みになってることは確かだと言えるでしょう。
 本のことなどあったのですが、まもなく競馬の有馬記念を女房と見るので本日はここまでとします。

 転送する「歯周病」の私自身の経験をお話します。
 60歳になってまもなくの頃だったと思います。「虫歯」で住まいの近くの歯科医院に通院していました。真面目なちょっと気の弱そうな先生でした。ある時歯痛で受診したのですが、「特に異常ありません」と丁寧に診察してくれ、鏡で実際に痛い部分を見せてくれたのです。しかし、痛いものは痛い。歯の状態を鏡でみせてくれても痛みはよくならない。文句を言うのも悪いと思い、「わかりました」と引き下がり、かつて私が院長をしていた病院の「病院歯科」を受診しました。そこの先生は、私より数年年上で東京医科歯科大学出身でもちろん顔馴染みでした。経過を話すと、「表面は何ともないが、ひょっとすると中で異常が起こっているかもしれない。埋めたものを剥がしてみましょう。異常なければごめんなさいね」とのこと。結果は内部で歯が割れていました。それ以来片道2時間かかる病院歯科に受診を続けています。
 その私の主治医に世話になっているのは確かなのですが、その時、私の歯の衛生状態を診察してくれたのが有能な「歯科衛生士」さんでした。彼女は私の歯を掃除しながら、「あなたの歯は、このままだと数年以内にすべて抜かざるを得なくなります。きちんと歯間ブラシで掃除してください」と宣告されました……。
 以来15年、私はきちんと歯科衛生士さんの言いつけを守り、朝昼晩の食後に歯磨きを続けています。そして大体年に二回ほどの歯科衛生士さんの診察を受けています。もちろん歯科医師の診察もあります。適時歯のレントゲン写真も撮ってくれます。ところが、このコロナ禍で受診予約をキャンセルし、結局3年近く受診できませんでした。そのせいか、今まで何ともなかった部位の痛みが出てきて、この夏にコロナを気にしつつ、受診しました。原因は「歯石」のせいでした。もちろん、主治医がレントゲンも撮ってくれました。結論はやはり「歯科衛生士」さんのお手を煩わせることになりました。次回は来年の春に歯科衛生士さん受診の予定です。
 在宅医療においても医師のみならず歯科医の出番は重要になっています。私の歯科医さんも毎週二回在宅歯科医として往診業務を行っています。食べることがいかに重要か、噛むことのできる歯がいかに重要か、超高齢者社会になって、これからも歯科医および歯科衛生士さんの重要さは増すことになります。

つづく