[1517]なぜトランプ?ーその3

 

 トランプが共和党の大統領候補に選ばれる可能性が高くなりました。朝日新聞の記者が大統領選の激戦区アイオワ州マスカティーンに入りトランプ支持者を取材しました。

 当ブログ「[1516]なぜトランプ?ーその2」で、記者が「新参者?(ニューカマー)」と呼ばれている熱心なトランプ支持者の集まっている地元の共和党本部に訪れたところまで紹介しました。

 今回はニュカマーへのインタビューの様子を紹介します。

 迎えてくれた10人あまりの人は、50〜60代が中心で、女性は2人、多くは白人男性でした。「MAKE AMERICA GREAT AGAIN(米国を゙再び偉大に)」と書かれた赤い帽子を被った男性もいたそうです。

 記者が、いつから政治に関わるようになったのか聞くと、赤い帽子のジョン・ゲート(64)は、人生のほとんどを(電気や水道などの)公共サービスにの業界で働き、3年前に退職してから政治の集まりに顔を出すようになったといいます。

 高卒で役者になろうと思ってカリフォルニアに出て30年を過ごしたデニス・エゲンバーグ(57)は「政治に興味を持ったのはトランプが登場してから。甘い言葉でごまかすことなく、本音で話をするのがいい。以前は地元の政治家なんて一人も知らなかったが、今なら全員わかる。」と答えました。

 地元の党委員長ダニエルフリーマンが解説してくれました。

「私自身も委員長になってまだ2年目だ。トランプが大統領だった4年間、メディアも司法省も、ウソの主張でトランプを゙責め続けた。あれを見て『我慢できない。トランプの助けになるために何かしないと』と考えた人たちが、次々と事務所のドアをたたいた」

 赤い帽子のゲートは次のように言いました。

「トランプは金持ちなのに我々と同じような言葉遣いをする。選挙後も態度は変わらない。そんな人物を、どうして悪いヤツだと言うことができるんだ」

 (ブログ管理人の意見∶事務所に来た人たちはトランプを強く支持していました。私はメデイアや司法省がウソを言ってトランプを責めたという意見の真偽はわかりませんが、「信じる」という支持は強いと思います。メデイアや司法省がウソを言っているというのは、その批判が歪んでいるとか理論的に間違っているかどうかということではなく、事実無根のデマ攻撃だと受け止めているということです。メデイアや国家権力がトランプを攻撃すればするほどいわれのないデマと受けとめて「正しいトランプ」を支持する気持が強くなるという有権者が広範に存在する、これは強い支持です。)

小口献金の割合が高いトランプ

 連邦選挙委員会によると21年以降、主な共和党立候補者のうち200ドル以下の小口献金が占める割合は、トランプ61%、デサンティス20%、ヘイリー34%です。トランプ支持者は金持ちではない人たちの割合が高いことを意味しています。

 記者はアイオワ党員集会まで1カ月時点で取材しました。応じてくれた多くの人は製造業や農業に携わるブルーカラーで「自分の力で米国を支えてきた」という自負を感じさせる人たちだったと記者は言います。そして米国人の誇りが失われているという危機感を持っているようだと言います。

 郡の監督委員のダニー・チック(53)は次のように言います。

 「民主党は米国に対する憎悪を人々に植え付けている。白人であれば誰でもが人種差別主義者だ、とレッテルを貼られる。愛国主義者だと言えばまるで悪いことのような扱いだ」「だからトランプが好きなんだ。米国を゙愛し、我々の苦労を分かってくれる。米国人であることに誇りを感じさせてくれる」

 これはトランプを支持する人の共通の感覚のように思われます。

つづく