[1516]なぜトランプ?ーその2

 

[1508]なぜトランプ?ーその1のつづきです。

 アイオワ州で取材をはじめた朝日新聞記者はトランプ現象の取材地として州東部マカティーン郡を選びました。そこは共和党民主党の激戦区で08年と12年の選挙ではオバマが勝ち16年と20年にはトランプが勝ったところです。記者は現地で共和党支持者5人の集まりに行き話しました。

 「この中でトランプに投票する人は?」と聞くと、5人のうち多くは過去にトランプに投票した人もいたが、その後のトランプの発言に嫌気が差して今回は他の候補に投票すると言ったそうです。その中の一人、州下院議員だったジョシュ・バーンズ(49)は次のように説明したといいます。

「私たちはみんな、昔から政治に関わり、投票してきたタイプの人間だ。でもトランプの支持基盤になっている人たちは、少し違う。トランプは政治に参加してこなかった人たちの心に響く言葉を投げかけ、投票所へと突き動かした」

そういう人たちは「新参者、(ニューカマー)」と呼ばれています。

 記者は言います。

「トランプを支持する人と、そうでない人ーー。その垣根は思った以上に高い。」

 はじめにあって話してくれたコンロンという昔からの共和党支持者に地元の共和党本部に案内してもらいやっと熱心なトランプ支持者に話を聞くことができました。「彼らは私をあまり好きじゃないと思うけど······」と言いながら案内してくれたコンロンは「じゃあ私はこのへんで」と言って事務所を出ていったそうです。

つづく