[1487]バイデンがトランプ返り咲きを警告

 今年は11月に米大統領選があります。

 バイデンはトランプが返り咲けば代議制にもとづく民主主義的統治が壊されるという・民主党の危機感を吐露しています。

 バイデンの言う民主主義は資本家階級の独裁(ブルジョア独裁)のイデオロギーなのですが、それは階級支配に「国民的合意」のベールをかける役割を果たしています。

 3年前のトランプ支持者による連邦議会襲撃選挙事件は、確かにアメリカンデモクラシーに亀裂が走ったと言えます。それは同時に危機に立つアメリカ帝国主義の延命の方途をめぐって支配階級内部の対立が激化していることを意味しています。

 コロナパンデミックの中で、アフガニスタンからの敗走、ウクライナ戦争の失敗、イスラエルのガザ破壊作戦の容認と中東における孤立化、今やアメリカは一強帝国としての力を失い、支配階級は全体として自国資本家階級の危機を乗りきる方向に舵を切っています。トランプの登場にそれは示されました。既成秩序を壊し民主主義的統治形態の形を変えていく兆しが21年の議会乱入であらわれ、2024大統領選でさらに「トランプの独裁」が顕現する可能性が高まっています。

 

6日の東京新聞を引用します。

バイデン政権 33分間の演説で44回「トランプ」連呼し痛烈批判

議会襲撃事件から3年、「史上最悪の大統領」とバイデン氏

2024年1月6日

【ブルーベル(米ペンシルベニア州)=浅井俊典】

 11月の米大統領選で再選を目指す民主党のバイデン大統領(81)は5日、今年初めての選挙集会を激戦州の東部ペンシルベニア州で開いた。共和党のトランプ前大統領(77)支持者らによる議会襲撃事件から6日で3年となるのを前に、トランプ氏を「権力のために民主主義を犠牲にしようとしている」などとこれまでで最も強く非難。再対決が濃厚なトランプ氏への対決姿勢を鮮明にした。

◆今秋大統領選を前に民主主義の危機を争点化

 バイデン氏は同州ブルーベルの大学で行った33分間の演説で、トランプ氏の名前を44回挙げて批判した。 2020年の前回大統領選の結果を覆そうとトランプ氏の支持者らが議会を襲撃した事件で、トランプ氏が暴徒を止めなかったことに関し、「米国史上最悪の大統領の職務怠慢だった」と指摘。返り咲きを狙うトランプ氏の目的は復讐(ふくしゅう)だとした上で、「トランプ氏の選挙活動は彼のためのものであり、米国やあなたのためではない」と述べた。 

 演説会場は初代大統領ワシントンが独立戦争時に野営した同州バレーフォージ近郊で、バイデン氏は独立戦争を引き合いに議会襲撃事件以降の米国が重大な危機にさらされていると強調。今回の大統領選は「民主主義と自由を懸けた投票になる」と訴えた。 バイデン氏がこれほどまでにトランプ氏を攻撃するのは、民主主義の危機を争点化したいためだ。

◆トランプ氏「経済問題から目をそらすための演説」と反論

 バイデン氏は、高齢不安や経済政策への不満などで支持率が低迷。最近の世論調査ではバイデン氏とトランプ氏の再対決となった場合、複数の激戦州でトランプ氏が優勢となる結果が出ている。22年の中間選挙で「トランプ氏が民主主義の脅威だ」と批判して善戦した経験を踏まえ、反トランプ氏勢力を結集させることで再選につなげる狙いがあるとみられる。 一方、トランプ氏は5日、中西部アイオワ州での集会で「恐怖をあおる哀れな政治だ」とバイデン氏を批判。民主主義をテーマにしたバイデン氏の演説は、経済などの重要問題から目をそらすためのものだと反論した。

以上