ウクライナ戦争は世界の支配構造に地殻変動を引き起こました。世界の資本家階級の政府はポスト・パックスアメリカーナとでもいうべき新たな支配秩序の構築に向かっています。2022年2月24日のロシア軍の越境侵攻は、アメリカを一方の極とし他方の極・中露が対立抗争する冷戦的世界を根底から揺さぶりました。その揺動の主体は労働者階級民衆ではなく、転向したスターリン主義者プーチンを政治的代表者とするロシア国家資本主義でした。2014年から続いていたロシアとウクライナのドンバス地方の戦争は、NATOブロックに接近を図ったウクライナへのロシアの越境侵攻という形でエスカレートしました。戦争の性格はロシアとウクライナの資本主義国家間戦争ですが、はじめから米露の代理戦争という本質を刻印されています。ロシア(・中国)、欧米各国の国家的思惑に縛られ停戦に向かった軍事的政治的な鈍い動きが続いています。今なお続く戦闘で両国兵士、人びとの生命は犠牲を強いられています。
多くの労働者と「社会主義運動」はウクライナ民族主義をバックボーンとして不屈にたたかっています。労働組合はゼレンスキーによる解雇規制の緩和に抗してたたかっていますが、厳しい。
ウクライナ国内の厭戦、反戦の機運がゼレンスキー大統領の支持の低下という形で表れています。今や支持率60%を切りました。6月27日ウクライナのシンクタンク「ラズムコフ・センター」の発表によると、ゼレンスキー大統領を「信頼する」との回答が53·8%となり1月の調査から15·2%下がりました。今回の調査は6月6日~12日、ロシアに併合された地域を除くウクライナ全土の約2千人を対象に行われました。昨年2〜3月の調査では84·3%、昨年12月が70·7%、今年1月は69%が「信頼する」と答えていました。
しかし、戦争は労動者民衆の力によって終わらせることができない状況になっています。
1年前を振り返ってみます。
[1289]ウクライナ世論調査 - ◼新型コロナ危機のなかで
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