NATO中東欧9ヵ国「ブカレスト9」が6日スロバキアで開催されました。ストルテンベルグNATO事務総長が乗り込み、駐留部隊の増派や兵器の更新を伝え、記者会見で「NATOはオール・フォー・ワン、ワン・フォー・オール(の精神)で守りあう」と述べました。東欧の加盟国は一枚岩ではないからです。ハンガリーはスウェーデンのNATO加盟にトルコとともに反対しています。
ウィキペディアによれば、ブカレスト9(The Bucharest Nine or the Bucharest Format (B9 or B-9; ポーランド語: Bukaresztańska Dziewiątka, ルーマニア語: Formatul București))とは、北大西洋条約機構 (NATO)に加盟している9つの中欧・東欧諸国が協力し、NATOのミッションや目的を支援するために設立された枠組みである[1][2]。参加国はルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ポーランドとバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)で[1][2]、ブカレストはルーマニアの首都である。
各国の東方に位置するウクライナに対して2014年にロシアによるクリミアの併合と東部への干渉戦争が行われたことを受けて結成され、2022年ロシアのウクライナ侵攻でもウクライナを支援している[3]。
以上ウィキペディア
91年のソ連邦自己崩壊の直前、行き詰まり混乱した東欧のソ連衛星国の元スターリン主義国家指導者は資本主義に先祖帰りしました。そしてその後雪崩を打つようにNATOに加盟しました。
元スターリン主義者プーチンもまた、ソ連型「社会主義」の破産を反省するのではなくスターリン主義者から転向しロシア国家資本主義の独裁的リーダーになりました。ロシア民族主義をバックボーンとするプーチンは国家資本主義中国の習近平とともにアメリカと政治的経済的軍事的に角逐してきました。
2021年暮れ、NATOがウクライナに拡大されようとしていることに危機感をつのらせたプーチンは10万人といわれる兵力をウクライナ国境に展開し威嚇してきました。
2022年2月24日のロシア軍のウクライナ越境侵略は東欧の元「社会主義」国家に恐怖感をよびおこしました。こんにちブカレスト9が招集されストルテンベルグNATO事務総長がのりこんだ意味はウクライナ戦争の局面を反映しているのです。
ゼレンスキーの「反転攻勢」が開始されはしたものの戦局は大きく動いてはいません。カホフカ発電所ダムの破壊による被害をはじめ犠牲は増すばかりです。
この延長線上で泥沼化すれば7月のNATO首脳会議ではウクライナ支援の継続を渋る国が出てくるでしょう。すでに、フランス・マクロン大統領は4月、習近平に「和平交渉」を要請しています。習近平はアメリカと距離をとるブラジル、インドを巻き込みつつロシア、ウクライナに停戦を持ちかけています。
今や東西諸国家とグローバルサウスと呼ばれる第三極の諸国家は、それぞれ思惑を込め停戦の勧めという形での介入に動いています。
NATOストルテンベルグ事務局長の「ブカレスト9」への参加と軍事的テコ入れは戦後をにらんだ対ロシア(中国)への防波堤づくりです。