[1289]ウクライナ世論調査

 読売新聞によればウクライナで「戦後」を想定して、政権のあり方について世論調査が行われました。戦争をめぐるウクライナの世論が報道されることはあまりないと思います。6月20日の読売新聞オンラインを引用します。

ウクライナ世論調査、政府の刷新「必要」73%…ゼレンスキー氏退任望む人は23%

6/20(火) 18:06配信 

 ウクライナの調査研究機関「キーウ国際社会学研究所」が19日に公表した世論調査によると、ロシアの侵略が終結した際、ウクライナ政府の閣僚など中央権力の構成に何らかの変更が必要だと答えた人が73%に達した。政府高官の汚職やオリガルヒ(新興財閥)と政界の癒着に対する国民の不満が改めて浮き彫りになった。 

 調査は5月26日~6月5日に電話で行われ、1029人が回答した。「勝利後、国を立て直すために中央政府を変える必要があるか」として議会、政府、大統領のそれぞれについて回答を求めた。議会は69%、閣僚は47%が交代を希望した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の退任を望む人は23%だった。

 同研究所は「(ロシアの)全面侵攻後、国民は『優先順位』を設け、勝利を達成するために当局に対して概して高い支持が見られる」とする一方、「権力の刷新を求める国民の願望を取り除くことはできない」と指摘した。

引用以上

 アンケートの設問はロシアの侵略が終結した際の、ウクライナの政府・中央権力の構成についてということですが、答えるのは難しいと思います。

 終結の仕方によって答えが変わります。

 またウクライナの調査研究機関「キーウ国際社会学研究所」という機関が政府とどのような関係にあるのか定かではないですが、発表されたアンケート結果をもとに考えてみたいと思います。

 電話によるアンケートに答えた人の内、議会を変えるべきが69%もあったというのには驚きました。今の議会は2019年の選挙で選ばれ、ゼレンスキー大統領の所属する「国民の僕」が多数を占めています。戦時下のアンケートで終戦後は議会を変えるべきという人が70%近くいるのは、すでにゼレンスキー大統領の足元が危うくなっているということです。

 閣僚は47%が交代すべきとなっています。今年の1月24日、ウクライナでは贈収賄などの汚職が原因で多数の政府高官が辞任しました。ゼレンスキーは大統領選挙で汚職の一掃を公約として打ち出しましたが一向に汚職はなくならないようです。47%のなかには汚職批判があると思われます。

 大統領の退任を23%の人が望んでいるというのは意外と多いと思います。ロシアの侵略にはほとんどの人が反対しているでしょうが、長引く戦争に反対するないし厭になっている労働者民衆が増えていると思われます。戦局によっては支持率はさらに低下すると思います。

 アメリカ政府をはじめNATOや日本の政府はゼレンスキー政権を賛美し全面的に支えていますが、ウクライナで暮らす人々が早い終結を望むのは当然だと思います。

 ゼレンスキー本人は戦争は国民のためと思っているかもしれませんが、今の戦争が意図することは資本主義国家ウクライナのためであり、アメリカなどNATO諸国の利益のためのものです。ウクライナ労働者民衆のためとは言えないと私は感じています。

 今後のウクライナ国内の反戦運動に注目し、私は日本で戦争停止を訴えます。

 

追伸

 ロシアで軍事を会社ワグネルのプリゴジンプーチン政権に「反乱」を起こしました。様々な憶測とプロパガンダが飛び交っていますが、こういう動きが出ること自体、プーチン侵略戦争が行き詰まっているということです。