[1297]ウクライナ、停戦に向けた動き

 7月2日、日経新聞朝刊は5面の中段に、次のような見出しでワシントンポストの記事を紹介しました。

ウクライナ、一定領土奪還なら 年内に停戦交渉も」

 ゼレンスキー大統領が米CIA長官に年内に停戦交渉をはじめる計画だと伝えたといいます。これまではすべての領土を奪還することなくして停戦交渉の可能性はないと言ってきました。

 また、7月2日早朝、テレビ朝日が次にように伝えました。

 

 アメリカのワシントン・ポストウクライナが反転攻勢で領土を奪還したうえで、年内にロシアと停戦交渉を始める計画を立てたと伝えました。

 

 ワシントン・ポストによりますと、複数の当局者の話として、CIA(アメリカ中央情報局)のバーンズ長官が6月始めに、ウクライナのキーウを極秘訪問し、ゼレンスキー大統領や情報機関のトップらと会談しました。 その際に、ウクライナ側から大規模な反転攻勢によって秋までに広範囲な領土を奪還し、ロシアとの停戦交渉を年内に始める計画を説明されたということです。

 ウクライナの反転攻勢はロシア軍の強固な防御の前に一進一退を繰り返し、予想よりも遅いとの指摘もあり、計画通りに領土を奪還できるか今後の焦点となります。

以上朝日TV

 7月のNATO首脳会議までに戦局をウクライナ有利に転換することはむつかしくなってきており、NATO諸国がこれまでのような規模の支援を渋る可能性があります。

 戦局に進展がないいま、ゼレンスキーはさらに大きな支援を受けたいのは明らかです。だから秋まではなんとか支援を、と言っているのです。

 プリゴジンの乱の宣伝でプーチン政権の危機を云々している米CIAが、いま、ゼレンスキーによる「秋の停戦交渉」計画を流したということは、アメリカ自身がウクライナ戦争停戦の時期をうかがっているということだと思います。先日のウクライナでの「勝利後、国を立て直すために中央政府を変える必要があるか」という世論調査では議会は交代すべきが69%、大統領の退任が23%でロシア軍の越境侵略直後の頃から見れば非戦、反戦の声が大きくなっているだろうことがうかがえます。

 一刻も早い停戦を‼️