[20]学校では義務のアベノマスク

(1)今日の朝日テレビニュースでこんなことが報道されました。

「埼玉県の公立中学校で政府が配布した『アベノマスク』の着用を強要するようなプリントが保護者に配布されていたことが分かりました。」
「プリントには、登校する時にはアベノマスクと呼ばれている政府が配布している布製マスクを着用することや忘れた生徒は少人数教室に残されて別途、指導を受けるということなどが記載されています。立憲民主党などの野党は『まるで戦前の学校だ』『忖度(そんたく)という政治情勢でこういう配布物が配られたのではないか』と問題視しています。」
 
コロナ危機の時代にはこういう「事件」も起きるんだと驚く。お上を気にする校長がとくに悪気もなくアベノマスクの着用を指導しています。総理の好意で配ってくれたマスクはありがたくつけましょう、というわけです。こういう人が子供を教育している、軍国教育をした戦中の教師を彷彿とさせるではありませんか。妹尾河童の『少年H』にも出てきますね、こういう教師。2020年、いまの時代の危機をあらわしていると思う。

(2)今日の朝日新聞歌人・細胞生物学者永田和宏氏が「危機を詠む 歴史に残す」「コロナ禍 万の歌でみえる生活者の声」と題して寄稿しています。その中に次の歌が紹介されています。

ウイルスをゴルフボールとするならばマスクののメッシュは網なき網戸
原田 浩生

 この一首に永田さんは「ウイルスのサイズを知れば、布マスクを配布するのに400億円超の予算を計上するという政策に首をかしげるのは当然であろう」とコメントしています。
確かにそうですね。
専門家によれば、マスクの穴はN95でなければ、ウイルスは防げないとのことです。「エチケット」として使われたり、ファッションとして使われてもいます。わかっていて使うのならまだしも「他者に非難されないために」という理由が多いのでは。

マスクは気休め、とは回りを気にしないと言えない時代。禁句が増えました・・・・・・

くちびる寒し