[31]ホワイトハウス前で過去最大のデモ

取材記者への暴行が多発

アメリカの黒人労働者が警察官によって殺害されたことにたいして抗議するデモがひろがっています。ホワイトハウスの前で過去最大級の労働者民衆が集まりました。
そしていま、状況を伝えようとする取材記者への暴行が全米でエスカレートしています。
感染症が広がるニューヨークでも数千人がデモに参加。新型コロナ感染症の広がりのなかで警察官に殺害されたジョージフロイドさんの死が浮き彫りにしているのは、アメリカ社会のなかに深くビルトインされた差別と貧困です。そしてそれに抗議する民衆の怒りの行動は矛盾がうっ積したアメリカ社会の変革の萌芽だと思います。
トランプは労働者民衆の闘いを「国内テロ」だと叫び弾圧にのりだしています。

ニュースは次のように報道しています。


米抗議デモ、取材班への暴力相次ぐ トランプ氏のメディア批判が一因との声も
6/3(水) 19:28

AFP=時事

【AFP=時事】米国で黒人男性の死亡事件に対する抗議活動が拡大する中、デモを取材する記者が暴力を振るわれる事案が相次いでおり、メディアの間で懸念が高まっている。また、ドナルド・トランプDonald Trump)大統領が暴力を助長する空気を作っていると批判する声も一部から上がっている。

 ここ1週間、複数のメディア監視機関は取材班に対する警官らによる暴力を多数確認しており、記者らは銃で撃たれ、殴られ、蹴られ、ペッパースプレーを噴射され、逮捕されるなどし、多くの事案はカメラで撮影もされていた。中にはオーストラリアのテレビクルーが、ホワイトハウス(White House)周辺にいた警官に地面に押し倒される様子を捉えた映像もある。

 報道の自由を監視する計18の団体は警察当局宛ての公開書簡で、「現場で取材する記者を標的とした意図的で激しい暴力行為」をやめるよう呼び掛けた。

 監視機関の集計によると、抗議デモの現場で発生した報道の自由に反する事案は192件。うち131件で記者らに対する暴力があり、さらにそのうち108件は警察による暴力だった。また記者らの逮捕は31件、ゴム弾の使用は46件、機材の損傷は30件、催涙ガスの使用は30件、ペッパースプレーの使用は17件あったという。

 メディアを擁護する側からは、トランプ氏によるメディアたたきが取材陣への暴力の糸口となっていると指摘する声も上がっている。
(中略)
 

現在、多くのメディア企業が新型コロナウイルス感染拡大による経済的な打撃に見舞われており、読者や視聴者に重要な情報を届け続けることが困難な状況だ。

 ジャーナリストの利益を代表する労働組合「ニューズギルド(NewsGuild)」のジョン・シュレイス(Jon Schleuss)代表は、「記者やフォトグラファーはリスクを理解し、特別扱いされることは期待していない。しかし、取材中の記者を攻撃することは全ての米国民に対する違憲行為だ」と訴えた。【翻訳編集】 AFPBB News