[280](投稿)菅曰く「嫌われるのが仕事」

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抜てきと排除、危うい菅流人事 情より能力主義 異論に耳傾けず
12/02 05:00

 菅義偉首相は「公務員は国民に選ばれた政治家に協力すべきだ」という信念のもと人事を行ってきた。総務相時代から有能だと見込んだ官僚はノンキャリアでも抜てきする一方、自身の考えに異を唱える官僚を更迭。日本学術会議の会員候補6人の任命を拒んだ背景には、政府法案に反対していたことが挙げられている。専門家は「異論に耳を傾けて理解を得る努力が必要」と訴える。

 「日本学術会議の任命拒否は、政権に貢献する人間だけを任命する独裁者のやり方だ」。哲学者の岸見一郎さん(64)は批判する。「国を愛していても現政権のやっていることに異を唱えることはあり得る。自分たちの政策が正しいと思うなら、きちんと説明すればいい」と指摘する。

 首相はイタリア・ルネサンス期の政治思想家マキャベリの著書「君主論」にある「(部下から)愛されるよりも恐れられるほうがはるかに安全だ」との言葉を好んで使う。経済誌の人生相談には「情は入れない」「嫌われるのが仕事」と述べている。

 岸見さんは哲学者アドラーの思想を紹介したベストセラー「嫌われる勇気」を著した。人間関係に悩む人々に自己変革を呼びかける内容だが、岸見さんはこの言葉が権力者の自己正当化に使われていると嘆く。「権力者が嫌われても言うべきことを言うという発想は独裁につながる。立場の強いリーダーは嫌われないように心がけるべきだ」

■受け入れにも問題

 岸見さんはこうした強権的な手法を受け入れる側にも問題があるとする。「昇進をちらつかせれば出世を第一とする部下は不本意でも従う」ため、権力者にとって出世主義者ほど御しやすいものはないという。官邸や霞が関には「物言えば唇寒し」の空気が漂うが、岸見さんは「一人が持っている力は大きい。声を上げれば支持する人は出てくる。まずは自分が変わることが大事」と訴える。

 一方、歴史家の加来(かく)耕三さん(62)は首相と戦国時代に終止符を打った豊臣秀吉を重ね合わせる。ともにたたき上げであるだけでなく、能力主義の人事が共通するという。秀吉は石田三成加藤清正ら子飼いを抜てきし、政権の基礎をつくった。首相も公約を実現するため、田村憲久厚生労働相河野太郎行革担当相らを「一本釣り」で抜てき。週刊誌で出張などの公私混同を批判された和泉洋人首相補佐官を続投させた。「党内基盤の弱い首相は政権運営に失敗すれば次はない。成果を出すために学術会議の問題などで立ち止まることはない」とみる。

イエスマンばかり

 ただ、意に沿った官僚を起用したため、周囲には「イエスマンばかり」(自民党ベテラン)との声もある。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた観光支援事業「Go To トラベル」を巡っても首相が継続に固執したため、見直しの判断が遅れた。加来さんは「秀吉の晩年の朝鮮出兵のように暴走を起こす可能性があり、注意が必要」と話す。

以上は北海道新聞デジタル版から引用しました。



※※※ 与謝野晶児のコメント

 菅は「嫌われるのが仕事」という「イタリア・ルネサンス期の政治思想家マキャベリの著書「君主論」にある『(部下から)愛されるよりも恐れられるほうがはるかに安全だ』との言葉を好んで使う。経済誌の人生相談には『情は入れない』『嫌われるのが仕事』と述べている」という「信条」の持ち主で、とりあえず「首相」の座についたからには、「経済を回す仕事」を優先させている。コロナ対策は二の次で、もしかすると「自分はコロナには感染しない」と思っているのかもしれない。

 「Go To」事業優先させ、今日の「医療逼迫(ひっぱく)」と「医療崩壊」には目を閉じて、「Go To」事業を優先させ、「50年の炭酸ガス」問題では、「原発稼働を前提にしている」。すべて、経済界の重鎮・政界の重鎮に気に入られるようにしているだけですが。

 「首切りの菅」と異名を取るのが好みなのだろう。「チャンバラ映画・やくざ映画」それとも「ゴッド・ファーザー」の視すぎだろうか。

 強気に見えるけれど、TVの前ではぎこちない喋りで、「控えさせていただきます」を連発するのが仕事のようだ。同じ穴の狢(むじな)のサクラのアベを庇(かば)うことで、自己保身もできると思っているのだろう。

 ドラマの「半沢直樹」のような人物は、菅の元には誰一人としていないということですね。



  医療崩壊を目前にして

 12月1日、東京都知事が菅と会談し、病の在る高齢者の「Go To」の自粛を申しいれた。これは、菅も同意しないわけにいかなかった。日本医師会長も会談し、医療崩壊を食い止めることを主張した。

 アクセルばかり踏んでいては、菅もさすがに「国全体」が持たないと思ったのでしょう。少しばかり「高齢者の自粛要請」に応じました。オリンピックもやりたいと、東京都も国も希求していると思われますが、今のコロナの感染状況がどうなるのかは、放置すれば、西村大臣のように「神のみぞ知る」としか言えないことになると思います。



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