[783](投稿)デモに金をもらい動員されたとテロップ

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<卓上四季>混乱する字幕
01/22 05:00
映画「カサブランカ」で有名なセリフといえば「君の瞳に乾杯」だろう。原語を直訳すれば「君を見ながら」となるが、いかにも味気ない。名訳である。以前NHKがテレビ放送の際「君の命に」と字幕を付けたところ、映画ファンから抗議が殺到したとか▼字幕翻訳者に必要なのは英語力ではなく日本語力である。そう言ったのは第一人者の戸田奈津子さんだった。限られた字数で作品を壊さぬよう的確に伝える。もちろん誤訳はご法度だ▼昨年末放送されたドキュメンタリー番組の字幕を巡ってNHKが謝罪した。五輪反対デモの参加者という男性について、金をもらい動員されたとテロップを付けたが、デモに参加した事実はなかった▼担当者の思い込みというが、摩訶(まか)不思議な話だ。映画の翻訳なら「迷訳」で済むが、これが故意なら捏造(ねつぞう)である。字幕の軽視も甚だしい▼日本で初めて字幕付きの映画が上映されたのは1931年。それまでも無声映画で場面を説明する中間字幕があったことを考えると、その歴史は1世紀に及ぶ。近年はテレビ番組で場面やセリフの強調に使われることも多い▼戸田さんは混乱を与える字幕が厄介だと書いていた。誤訳と言えない場合、そのまま放置されてしまう。だから、原稿チェックは頭を白紙に戻して入念に行ったそうだ(「字幕の中に人生」白水社)。情報を伝える責任を知る人の重い言葉である。2022・1・22


■岩根江骨茶根絵(いわねこっちゃねえ)のコメント:
 核心は、安倍元総理等が構成する自民党・強権国家の下にあるNHKの一職員がオリンピック反対のデモをしている男性を確認もせずに、「お金をもらいオリンピックに反対している」という内容のテロップで、このデモ全体を貶(おとし)めるという策を弄したことです。■この男性はその後処罰されたのでしょうか?推測ですが、この男性は「思い込み」でやった…つまり「出来心でしかない」と「詫びを入れ」ただけで「許された」と思われます。なにしろ安倍元総理の政府・内閣の指示に従って動いている国政を担うトップ官僚の在り方とそっくりに思えるからです。菅政権に変ったとしても同じことです。

■これと全く似ている事件があります。安倍元総理の演説にヤジを飛ばしたとして、警備の警察官・私服刑事たちがやじったとされる人たちを遠くまで連れていき、排除した=実力行使をした事件です。安倍元総理に有利になるならば、警官・刑事たちは表立って実力行使しても罰せられなかった。「言論の自由」を許さない行動は安倍元総理に有利に働く行動は奨励されても罰せられることがないわけです。裁判所もヤジを飛ばす行為を違法とした警官・刑事の側に「有利」な見解を出しました。この国は、もはや「法治国家」ではありません。見かけの「法治国家」で、本質は「自民党独裁国家」と言っても過言ではないと思います。■テロップを「思い込み」で出したという「言い訳」には、行動及び内容の筋が通っていないと思います。身分の保証があり、給与の保障や将来の地位が上がることを約束された「やらせ」としか思えません。■こうした事件を見逃さないこと、突き出すことが、私たち労働者の責務の一つではないでしょうか!!