[941]安倍元首相、狙撃され死亡


 安倍元首相が参院選の遊説中に元海上自衛隊員に射殺されました。
 なぜその人が撃ったのかまだわかりません。各党は民主主義にたいする挑戦であり暴力で言論を封殺するのは許せないという趣旨のコメントを出しています。
 目的はわかりませんが、銃を撃った人は安倍元首相を狙ったのというのはあきらかです。
 参院選の最中のことであり、この人は選挙という民主主義的手段を通じて安倍氏を追い詰めるということはまったく考えていません。自分がとにかく殺すしかないと考えた政治家を直接行動で殺害しました。民主主義を破壊した政治的テロという意味をもっています。
 不満の直接性の底に民主主義を突き抜けるほどの衝動が充満していたということです。新型コロナパンデミックの渦中で、日本国家の議会制民主主義的統治形態にたいする破壊行動としての意味を持っていると思います。政党、メディアによる民主主義の破壊を許すなという合唱はテロ後のいま無力です。
 この行動は現代日本社会の影絵です。いま、よく考えることが問われていると思います。

 プーチンウクライナ侵攻は米国を軸としたソ連邦崩壊以後の世界秩序を破壊しました。その破壊衝動は資本家階級の民主主義的常識の枠を壊しました。
 
 私は今、世界も日本社会も資本主義の病が深まり、それを抑えこむためには既成の支配階級の民主主義的支配形態は限界に逢着していると思います。トランプ支持者の議事堂占拠事件はその一端を示しました。
 なお新型コロナパンデミックの中にあり、多くの労働者民衆がコロナ危機の犠牲を転嫁され病と貧困に苦しんでいます。さらに進行する現代資本主義の危機を上から暴力的に打開する力が有効であるかのような陽炎が世界を包んでいます。
 
 ソ連邦自己崩壊以降、世界は脱イデオロギーの波にのみこまれていますが、労働者階級の歴史的意志が問われています。