[1117]首相の年頭所感

 岸田首相が年頭所感で「歴史の分岐点を迎えている」と表明しました。TVに映った岸田首相は防衛力を抜本的に強化する決意を示す厳しい表情でした。

 反対の声に配慮するふしはなく、反戦平和運動の低迷を嗤うような挑戦的な所感表明でした。

毎日新聞を引用します。

歴史の分岐点「戦後残してきた難題に答え出す」 首相が年頭所感 1/1(日) 0:00

  岸田文雄首相は1日付で、2023年の年頭所感を発表した。22年についてロシアによるウクライナ侵攻や安倍晋三元首相の銃撃事件、物価高などを列挙し「歴史の分岐点を迎えている」と説明した。23年に向け「戦後日本が積み残してきた多くの難しい問題、『先送りできない問題』に、正面から立ち向かい、一つ一つ答えを出していく」と表明した。

 首相は日本が主要7カ国(G7)の議長国と国連安全保障理事会非常任理事国を務めることを挙げ「力による一方的な現状変更や核による脅しを断固として拒否する強い意思を、歴史に残る重みをもって示していきたい」と強調。22年に決定した「国家安全保障戦略」を踏まえ、外交的努力と防衛力強化に全力で取り組む姿勢を示した。 また「全世代型社会保障改革」に取り組む方針を示し、少子化対策やこども対策を進める考えを示した。また、自身が掲げる「新しい資本主義」の実現に向け、グリーン、デジタル、スタートアップなどの各分野について「人とカネを大きく集中させ、大胆な投資と改革を進める」と訴えた。【菊池陽南子】

 2023年1月1日の各紙朝刊一面はこの岸田首相の年頭所感を補強しています。「日台に軍事連絡ルート」(毎日新聞)「日韓レーダーを接続」(読売新聞)これらは対中•北朝鮮自衛隊と米軍の共同作戦体制を強化するために情報交換のシステムを整備するということです。

 岸田政権は反撃能力の保持を盛り込んだ安保3文書の閣議決定を結節点として、日米安保同盟を「盾と矛」の両機能を担う双務同盟として強化する道に踏み込みました。岸田首相は年頭所感で「戦後日本が積み残してきた多くの難しい問題」を日本自衛隊が米軍と連携して攻撃的な軍事的役割を担う方向で解決するという決意を述べたと言っていいと思います。

2023年は労働運動、学生運動にとって試練の年です。