[1097]「戦後」は終わった。戦前に入った。「台湾有事」に備え「継戦能力」強化

 政府は自衛隊の継戦能力を高めるために予算を倍増することを防衛3文書に盛込みます。

2023年〜27年

装備の点検維持整備費 9兆円

弾薬補充費 2兆円

長距離ミサイル(反撃能力の手段) 5兆円

これらの防衛力整備計画5年総額は43兆円で、これまでの1•5倍です。

日経新聞は次のようにまとめています。

「戦後の防衛政策は米軍に依存し自衛隊が戦闘態勢を維持する能力を重視してこなかった。台湾有事の可能性などを踏まえ従来の方針を転換する。」

 この記事は政府の広報の役割を果たしています。岸田政権は日本が一人前の軍事大国になることを財政的に裏打ちします。

 また、政府は防衛3文書の国家防衛戦略の中に「反撃能力」の定義を書き込みます。

武力行使の3要件に基づき、ミサイル攻撃を防ぐためにやむを得ない必要最低限度の自衛の措置を取る。」

 与野党の「反対」意見を取り込むために「やむを得ない必要最低限度の」という形容句を入れたモザイク文です。

 安倍内閣は2014年7月1日、新しい武力行使の3要件を閣議決定し、集団的自衛権の行使を容認しました。これにのっとれば、「反撃能力」は米国にたいする武力攻撃にたいしても行使されることになります。

「戦後」は「記述された歴史」へと送りこまれ、次の『戦争』に向けて歩みつづける岸田政権。

キシダは戦争体制を構築した宰相として歴史に刻まれるでしょう。

 

【参考資料】

武力行使の3要件

•我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること

•これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと

•必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

旧三要件は次の通り。

•我が国に対する急迫不正の侵害がある

•これを排除するために他の適当な手段がないこと

•必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

ウィキペディア時事通信参照