[1107]自衛隊艦船などにも建設国債

 いつも通り師走は慌ただしいです。けれども今年はいつもと様子が違います。この間何人もの閣僚が旧統一教会問題とカネにかかわる問題で罷免され、今また自民党衆院議員が議員を辞めました。内閣支持率は低下していますが、それに反比例してこの内閣は戦後を終焉させる一大攻勢のボルテージを上げています。

 岸田政権の右傾化は急速です。反撃能力の保持の閣議決定で狼煙を上げ危険水域をこえました。

 朝日新聞によれば、政府は艦船など一部の防衛装備品の経費に、建設国債をあてる方針を固めました。これまで、老朽化した隊舎など、自衛隊施設に建設国債をあてる方針でしたが、兵器にまで対象が広げられます。23日に閣議決定する2023年度当初予算案に盛り込む予定としています。

 政府が新たに建設国債の対象とするのは、運用期間が数十年間と比較的長い護衛艦や潜水艦といった兵器です。23年度の当初予算案では、建設国債数千億円を予定していると報じられています。

 建設国債は道路など将来世代にも恩恵が幅広く及ぶ場合に認められるものと言われていますが、これからは軍部の要求に応えたかつての戦時国債が復活することになります。

 軍事力の強化に国債を使うことは戦争を体験した日本の政治家にとってはタブーとして避けられてきました。戦後77年のタブーはいとも簡単に反転させられました。