[1181]新しい戦前

 毎日新聞3月4日の伊藤智永さんの[土記]「新しい戦前」に、戦前戦中の俳句が紹介されています。

戦争が廊下の奥に立ってゐた(1939年 渡辺白泉)

 その時代は日中戦争の最中。白泉はその時代の日常に戦争の影を詠みました。

 もう一句。

銃後という不思議な町を丘で見た

 この句に伊藤さんは次のようにコメントしています。

 「穏やかないらかの波。眼下の家々には赤紙や白木の箱が届いているはずなのに、町全体が戦争協力の日常に黙々と従っている。                 ロシア人はプーチン大統領の戦争をなぜ支持するんだ。そういぶかる日本人も、2、3世代前は不気味な国民だった。」

 世論調査では自衛隊が反撃能力を保有することに賛成する人が沖縄では半数以下ですが全国的には半数を越えました。

 新しい戦前の影が世論のなかにじわりと現れてきました。