23日の毎日新聞「土記」から抜粋します。
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人が人を殺すのは
2023/12/23
今年後半を費やしたウクライナの反転攻勢は失敗した。ゼレンスキー大統領は50万人を追加動員すると言い出している。 英国放送協会(BBC)が戦場で両目両腕を失ったウクライナ青年と妻の姿を伝えている。ウクライナ保健省によると、今年前半の6カ月間に1万5000人が腕や脚を失った。「地雷原へ自殺突撃を命じられている」という兵士の証言もある。第二次大戦で体の一部を失った英国兵は6年間で1万2000人だそうだ。
ウクライナ兵のヘッドカメラやドローンで撮った最前線の非公開動画を見た。ロシア兵はざんごう内で抗戦せず身を投げ出すように撃ち殺されていく。「自暴自棄の自殺に近い」と解説された。
(以下割愛)
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多くのウクライナ兵が手足を切断したことを『世界』1月号で松里公孝氏(東京大学大学院教授)も紹介しています。
「2023年前半だけで15000人が手足切断したとすれば、戦争全期でいったい何万人が手足を失ったのか。高齢者にまともな年金も払えない貧しいウクライナ国家に、これら青年のまだ何十年もある人生の面倒が見られるのか。20万人の子供が父親を失ったとすれば、誰が彼らを大学まで出すのか。ロシアに勝ってロシアの賠償金で出すのか。西側で『ウクライナは正義のために戦え』などと言っている人たちが、カンパして出すのか。
ウクライナに問題が起きた時だけウクライナに関心を向けるのはやめてもらいたい。ウクライナの本当の苦しみは、この戦争が終わったときに始まるのである。」(『世界』1月号79頁)
ロシア、ウクライナの研究を続けている松里公孝氏の怒りが伝わります。停戦すべきだという意見にたいして「プーチンの侵略を擁護するのか、占領された領土を固定化するのか」という強い声を出すのはアメリカや日本政府だけではありません。停戦を口にすると、ウクライナの戦う人民を見捨てるな、プーチンを擁護するなと大きな声を出して非難する人は反対運動の中にもいます。
しかしウクライナ戦争は東西の資本家階級•権力者の対立の影です。やはり即時停戦すべきです。
アメリカに支えられたイスラエルによる無差別殺戮がつづいています。国連安保理はアメリカの反対で停戦決議が通りません。ガザ戦争もウクライナ戦争も背後にアメリカが存在しています。
すぐに戦争をやめるべきです。