[1232]原発政策大転換、運転延長法衆院通過

 「GX脱炭素電源法」案が与党と維新、国民民主党の賛成で衆院を通過し、参院に送られました。法案の名を意図的に分かりにくくしたのではないかと思ってしまいます。原発を脱炭素のためと正当化している厳めしい名のこの法案。要するに原子炉法で定めた原子炉の運転上限、原則40年、最長60年を削除し、30年過ぎた炉を10年後ごとに審査して問題ないと判断されればずっと運転できるようにするということです。

 福島第一原発事故をきっかけとして、原発を止めたドイツは当たり前のことをやりました。ドイツ政府は、ひとたび原発事故が起きると手がつけられなくなり政府・資本家階級がガバナビリティを喪失することになるかもしれないことを恐れたのです。日本政府はこれから再び事故が起きたとしても国民に生命と経済的犠牲を転嫁して乗り切れるとたかをくくっているのです。

 原発に賛成している電力総連をはじめ大産別労働組合を票田とする国民民主党がこの法案に賛成しました。維新の会は自民党の補完政党です。先の統一地方選でも自民党がパッとしないという理由で維新に投票した人がたくさんいたと思われます。維新の会は憲法、安保、原発政策に関しては自民党よりタカ派です。この二つの野党が法案に賛成したのですから政府は原発政策の大転換を安心してやれたのです。

 以下速報を引用します。

【速報】原発”60年超”運転延長法案 衆議院を通過 立憲民主党は反対 審議は参議院へ4/27(木) 13:59配信 TBS NEWS DIG Powered by JNN

 60年を超える原発の運転延長を可能にする法改正案が先程、衆議院・本会議で可決されました。 衆議院の本会議で可決されたのはGX=グリーントランスフォーメーション脱炭素電源法案で原子力基本法など5つの法律の改正案を束ねたものです。 福島第一原発の事故後、原発の運転期間は「原則40年、最長60年」と規定されていますが、今回の法改正によって安全審査などで原発が停止した期間を除外し、60年を超える運転を可能とします。 改正案は与党などの賛成多数で可決されましたが、立憲民主党は「経年劣化した原発を運転することは安全の後退である」として、改正案に反対しました。 審議の舞台は今後、参議院に移ることになります。

以上

 原発反対の運動を組合の中から地道につくっていこうと思います。