[1279](寄稿)医療あれこれ(その86)ー1 コロナワクチン

ペンギンドクターより
その1
 皆様、また大雨が降りそうですね。台風3号が梅雨前線を刺激する可能性が云々されています。大井川鉄道の不通区間が拡大するのではないかと危惧しています。
 本日も雑多な医療情報をお送りします。
 私が毎朝起きると挑戦している医療クイズからひとつ。
 ●問題
 28歳の女性。嘔吐と腹痛とを主訴に来院した。「数日前から風邪でおなかをこわしていて食べられない。喉も渇く」と言う。半年前に受けた職場の健康診断で異常はなかった。意識は清明。身長154cm、体重47㎏(1カ月前は50㎏)。体温37.2℃。脈拍100/分、整。血圧102/80㎜Hg。舌は乾燥している。甲状腺は軽度に腫大しているが結節や圧痛はない。心音と呼吸音に異常を認めない。臍から下腹部に軽度の圧痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(3+)、ケトン体(3+)
 まず考えるべきなのはどれか。
 ① 1型糖尿病
 ② 2型糖尿病
 ③ 副腎クリーゼ 
 ④甲状腺クリーゼ
 ⑤アセトン血性嘔吐症
 
 これは5月初めの医師国家試験問題からの医療クイズでした。昔私が際どいところで救命し得た若年女性の「昏睡」のことをお話しましたが、それです。答えは①1型糖尿病です。尿検査で糖3+というところがポイントですね。
 
 解説では以下のコメントが述べられています。
 ●胃腸炎症状で来院した生来健康の28歳女性の尿所見が、糖3+、ケトン体3+だったと、いう症例です。1か月間で3㎏の体重減少ということですが、一般に短期間の体重減少では水分の喪失を考えます。「胃腸炎症状が先行」「尿糖」「ケトン体尿」「脱水」「半年前の健康診断で異常なし」という記述から、劇症型の1型糖尿病をうたがいます。この後は、採血や血液ガス分析、尿中Cペプチド測定を実施することになりそうです。
 初療の医師が尿検査を実施したところにセンスを感じます。ただの風邪もしくは胃腸炎という印象から、体重減少を確実に聴取して、検尿までもちこんだのはファインプレーだと思います。糖尿病ケトアシドーシスDKA)や劇症型1型糖尿病が見逃され、初療時に急性胃腸炎の診断で帰宅となって、意識状態が悪くなってから救急搬送されるという「実臨床あるある」を思わせます。
 
 以前お話した昔の私の経験では、入院していたから意識状態が悪くなっても対応できたということになります。2型糖尿病でもいわゆる「ペットボトル症候群」というのがあって、熱い夏に若い肥満体の男性(女性でもいいのですが)が外で仕事やスポーツをしていて、のどが渇くので甘いジュースやコーラなどをガバガバ飲んでいると、血糖値がどんどん上がり高浸透圧血症で意識不明(昏睡)になる場合があります。これは診断はついていないけれども既に糖尿病つまり2型糖尿病をもっている人が多いのです。
 コロナワクチン関係のニュースをひとつ。
 ●接種と死亡、因果関係認定 新型コロナ、徳島大が解剖。
 大学、2023年5月25日(木)配信。共同通信社
 
 昨年8月、新型コロナウイルスワクチンを接種した女子中学生=当時(14)=が接種2日後に死亡し、司法解剖した徳島大学法医学教室がワクチン接種と死亡の因果関係を認定していたことが24日、分かった。経緯を論文にまとめ、日本法医学会雑誌に発表した。
 厚労省によると、コロナワクチン接種後の死亡報告は今年3月までに約2千件あるが、このうち40代女性の1件が「ワクチンとの因果関係が否定できない」と認定されたのにとどまる。論文を執筆した主田英之徳島大准教授は「接種後に死亡した患者はほとんど解剖されず因果関係が不明になっており、原因究明すべきだ」と指摘した。
 論文などによると、女子中学生は昨年8月10日、米ファイザーのワクチンを接種。翌11日夜に呼吸困難となり、12日朝に呼吸をしていない状態で家族が発見、その後死亡が確認された。接種の45時間後だった。3回目の接種だった。
 徳島県警の依頼で徳島大が司法解剖し、多くの臓器に炎症が見つかった。このうち心臓の炎症が深刻な不整脈を引き起こし、死亡したと考えられるという。
 死因は、ワクチン接種による心筋炎と心外膜炎。ウイルス感染や自己免疫疾患の病歴がなく、接種後に炎症反応を示す発熱があったことなどから、ワクチン接種が原因と判断した。
 主田准教授は「危険性のないワクチンはなく、リスクをどの程度許容できるか考える必要がある」としている。
 
 私は5月25日(木)夫婦でコロナワクチン6回目を接種しました。相変らず二人とも翌日は倦怠感が強くぐったりしていました。若い医師の多い医師ネットワークでは6回目の接種はしないという人が多いようです。上記の14歳の女子中学生のケースは、ワクチン接種が原因だと言えると私も思います。
つづく