[1283]アフリカ7ヵ国代表ゼレンスキー、プーチンに和平提案

 17日のYahoo!ニュース、18日のBBCニュースによれば、南アフリカのラマポーザ大統領などアフリカ7カ国の首脳らは和平仲介のため、ウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。 7ヵ国はこの戦争を、主にロシアと西側諸国の対立と見なしています。ラマポーザ大統領は、欧州での戦争がアフリカの12億~13億の人々に影響を与えていると警告しました。

 共同会見で、ラマポーザ大統領は「緊張緩和が必要であり、和平は交渉と外交を通じて実現するべきだ」と述べ、アフリカ諸国に仲介する用意があることを表明しました。

 会談でゼレンスキー大統領は「和平交渉は、ロシア軍が占領地域から撤退した時にのみ可能になる」と答えました。

 ロイター通信によると、アフリカ諸国の仲介案には、ロシア軍の撤退や、ベラルーシから核兵器を撤去することや、プーチン大統領に対する国際刑事裁判所の逮捕状の取り消しなどが含まれているとみられています。

 ロシア訪問

 アフリカ7ヵ国の代表団は17日はロシアを訪問し和平提案を行いました。
 会談の冒頭でプーチン大統領は「ウクライナ危機に対するアフリカの友人たちのバランスのとれた関与を歓迎する」と述べた上で、ウクライナへの軍事侵攻を正当化するみずからの立場を主張したと伝えられています。
 南アフリカのラマポーザ大統領は「戦争の影響で私たちの大陸ではエネルギーや肥料の価格が高騰している。戦争を終わらせて欲しいという明確なメッセージを伝えるため本日ここにいる」と述べ、和平の実現に向けて仲介役を務める意欲を示しました。

 代表団は、南アフリカ、エジプト、セネガルコンゴ共和国コモロ諸島ザンビアウガンダの7ヵ国。BBCニュースによれば、南アフリカウガンダはロシア寄りとみられ、ザンビアコモロ諸島は西側寄り、エジプトとセネガルコンゴ共和国は中立を保っているとされています。


 プーチン大統領はこれまでに、欧米などの制裁によってロシア産の農産物の輸出が滞っているとして、ウクライナからの農産物の輸出をめぐる合意から離脱する構えを示す一方で、アフリカ各国にロシアの農産物や肥料を無償で提供する用意があると表明しています。プーチンにはアフリカ各国との連携を強化し、欧米に対抗するねらいがあるのは明らかです。

 アフリカ7ヵ国によるロシア軍撤退の提案に関しては受け入れませんでした。プーチンは東部4州の独立を承認することを前提とすると言っているようです。

 ウクライナ東部では戦闘が続いており、消耗戦となっています。ウクライナ戦争はいまや中国との関係を深めるロシアと、米(NATO)に支えられたウクライナとの国家間戦争となっています。東西諸国家の対立・矛盾・抗争がウクライナの地で多くの両国兵士、民衆を犠牲にする戦争として爆発しています。

 ウクライナ戦争は世界の地殻変動を引き起こしています。始まるべくして始まった戦争。同時代に生きる私たちは、この戦争の原因を考えないわけにはいきません。