[1210]フランス大統領、EU委員長相次ぎ訪中

 フランスのマクロン大統領とEUのフォンデアライエン委員長が5日から中国をします。この時期の二人の訪中は、すでに2月プーチンと10時間にわたる会談を行い和平にむけて動き始めた習近平ウクライナ危機収拾の腹合せのためです。

 3月にはスペインのサンチェス首相が訪中し、習近平との会談で「ウクライナ危機の政治的解決における中国の建設的な役割を高く評価する」と述べました。

 日本のメディアはウクライナ戦争を報じる際に、米欧のプロパガンダを無批判的に受け入れゼレンスキー政権軍の奮闘ぶりとロシアの苦戦を戦時報道のごとくたれ流しています。

 しかし、戦争はいま、中国の停戦の動きを起点として政治的収拾に向かいはじめています。いまのウクライナ東部戦線の戦闘は停戦を有利にすすめるための戦闘という意味をもたされていると思います。

 EUもフランス、スペインも経済的相互関係を深めている中国の「和平」介入を真っ向から押し戻す体力はありません。英米などの強硬派は反発するとしても中国との戦争は回避したいでしょう。米国を中心としたこれまでの国際秩序から新たな国際支配秩序を構築するためにウクライナ戦争の内外に東西の魑魅魍魎が飛び交うでしょう。

 背後にウクライナ、ロシア両軍の兵士とウクライナ労働者家族の犠牲を残して。