[1282]イギリス・スナク首相について

 

 ブレイディみかこさんが、「AERA」のコラム「eyes」を担当することになったそうです。

 ブレイディさんの文は、生活感覚があり書きたいことがはっきりしていて、かつ冷静。朝日新聞「欧州季評」はすでにシリーズを終えましたが、ブレイディさんは庶民の目線でインフレ下の生活と英国政府への批判を伝えてくれました。辛辣な批判がわかりやすく書かれていました。

 AERA6月19日号では英保守党政権の首相スナクのことを書いています。

「スナク首相は、G7で訪れた日本でお好み焼きや焼き鳥を食べ話題になったようだが、間違っても庶民派ではない」とブレイディさんは言います。

 妻と合わせた合計資産額は5億2900万ポンド(約920億円)。前年から年間数百億円(1日あたり8700万円)失ってそれだけの資産。そんな大富豪が年収数百万円の庶民に緊縮財政を訴えても「人々はそこに生活の現実との乖離を感じる」と言います。

 英国の超党派議員連盟の調査によれば、英国の人々の39%が、(政治に)最も影響力を持っているのは富豪だと答え、政府だと答えた人々(24%)を抜いたといわれてます。

  ブレイディさんは言います。

 「つまり、スナク首相は、『結局は大金持ちが政治も動かしている』という、人々がなんとなく感じている印象をズバリ形にしたような首相なのだ。」

 私も日本に来て話題になったスナク首相をTV画像で見ましたが、お金持ちのエリートという印象を受けました。自然な振るまいがそう見えるというタイプの人です。

 「eyes」の終りで「来年の今ごろ、労働党は14年ぶりに政権を奪還することになるのだろうか。地べたからその動きを報告していきたい。」と結んでいます。ブレイディさんは、一年くらい前の欧州季評で労働党など既成の政党に批判的な若者の行動と意識をインタビューを通して体験的に伝えてくれました。

 その後のニュースを見ていると英国庶民の生活は改善したとは思えません。

 「eyes」に期待しています。