[1596]1年前の記事 岸田首相和歌山漁港事件

 

 岸田首相襲撃事件から1年が経ちました。ABCテレビが事件のその後を報道しています。

 

 去年4月15日午前11時半ごろ、和歌山市の漁港に選挙の応援に訪れていた岸田総理に向けて爆発物が投げ込まれ爆発し、聴衆の男性ら2人がけがをしました。

 この事件では去年9月、兵庫県川西市の無職・木村隆二被告(25)が殺人未遂や爆発物取締罰則違反など5つの罪で起訴されています。

 木村被告は逮捕時に黙秘を続けていて動機については明らかにされていません。検察は裁判に向けて準備を進めています。  事件から1年のタイミングで、数年前から別居をしている木村被告の父親がABCテレビの取材に応じました。

 

【岸田総理襲撃事件から1年】「親としては・・・ちょっと考えることはある」 木村隆二被告が黙秘を続ける中、被告の父がABCテレビの取材に応じる。

 

Q.事件から1年経ちますが?

「そうやな、あれから1年経ったな」

Q.率直な思いは? 「何もないよ。1年経とうが2年経とうが関係ない」

Q.木村被告は黙秘しているということですが?

「それは警察に聞いてほしい」

Q.殺人未遂など5つの罪で起訴されたことについてはどう思われますか? 「それでええんちゃう。日本は法治国家。法に従ったらそうなったということで」 「親としては…ちょっと考えることはある」

Q.木村被告の行為は一線を越えていた? 「越えまくっているでしょ」 「ただ、同じ殺人未遂でも半殺しにするようなものと、隆二のしたことを一緒にしてくれるなとは警察に言った。一緒にしてくれるなといっただけで、だからどうのこうのとは言ってない」 「警察がけがしたとか、壁に穴が開いたとか、客観的に一個ずつ見てみて。どうでもいい話。おれが隆二の親じゃなかったらそう思っている。ただ隆二がやったことだから。それは親としては…ちょっと考えることはある」

木村被告のものとみられるSNSには被選挙権についての批判が書かれていたが・・・

Q.事件を起こす兆候は? 「知らない。何年も会っていないので」 「もう裁判はするんやから、それでええがな」

Q.真実を話してほしいというような思いは?

「そんなもん、二十歳まわっとるんやから、語るも語らないも本人次第」 「知らんがなと言ったら無責任やけど、えらいことしたなというぐらいのこと」

ABCニュースのインタビューは以上

 いまだ黙秘を貫いている木村氏。なんのために行動したのか裁判で語ることをよく聞かなければなりません。

1年前、人権派•宇都宮弁護士が依頼を断わりました。私は宇都宮弁護士の対応を批判しました。

[1227]木村氏の弁護を依頼された人権派弁護士の対応

――今後、弁護を引き受ける考えはある?

文春からこう問われた宇都宮氏は答えました。

「正直、難しいと思います。全国からこうした連絡を頂くことがあるのですが、私は東京だし、かなり多忙です。対応が難しいので、できるだけ地元の弁護士会を利用してほしいとお断りしているのが現状です。(木村容疑者の)動機がまったく分かりませんしね。もちろん面識はありません」

 宇都宮弁護士はここですでに嫌がっています。

 21日には記者会見を行いました。

テレビ朝日は次のように伝えています。

 岸田文雄総理大臣に向かって爆発物を投げたとして、逮捕された木村隆二容疑者(24)。  

 日本弁護士連合会の元会長・宇都宮健児弁護士によりますと、事件が起きた15日、和歌山西警察署から事務所に電話があり、木村容疑者が弁護を依頼しているという内容の留守番電話が残されていたということです。  

 その後、容疑者には別の弁護士が就き、依頼は取り下げられました。  

 木村容疑者は逮捕後、取り調べに「すべて弁護士が来てからお話します」と話し、その後は黙秘を続けています。  

宇都宮弁護士は…。  

宇都宮弁護士:「選挙制度に不満があるなら、市民運動などで実現すべきで、暴力で訴えることはあってはならない」   

 木村容疑者は、選挙の供託金制度などが憲法違反だとして起こした訴訟で、宇都宮弁護士が以前、弁護団長を務めた同様の訴訟の資料を証拠として提出しています。

以上引用。

 私は宇都宮氏の対応に、この程度のことしか言えない人かと思いました。供託金問題が事件の動機となったのかどうかわかりませんが、宇都宮弁護士の闘いの資料を自身の供託金裁判に援用して訴訟中の容疑者に、暴力で訴えてはならないと「正解」を言っています。

 木村氏の動機は今もわかりませんが、暴力はいけないことはわかっていたのではないでしょうか。すき好んでやった行動でもないでしょう。刑事事件の容疑で逮捕された人の話を聞いて弁護をするのが弁護士の仕事です。宇都宮氏は検事ではないのです。「市民運動家」としての宇都宮氏が木村氏の行動を批判すること自体を間違っているとは思いませんが、「人権派」と言われる弁護士としての宇都宮氏のこの対応は間違っていると思います。自己保身したと言われても仕方ないでしょう。

 「忙しいから断った」ことにしておけばまだましのような気がするのですが······。

 物言えば唇寒し春うらら、と言いたくなる世相

 

以上1年前の記事。