[1428]ウクライナ、国内から大統領選の声

 ウクライナの大統領選挙が来年3月に行われるといわれていますが、ゼレンスキー大統領は「戦時中に選挙を行うという考えは無責任だ」、国民を分断することは避けたいとして選挙は行わないと言っています。(7日ロイター通信)戦局は膠着しておりNATO•欧米諸国の支援を受けたウクライナとロシアの戦争は泥沼化しています。

 多く兵士が犠牲となっています。

Yahoo!ニュースを引用します。

ゼレンスキー氏 「西側諸国の要請」で大統領選の準備を指示か 11/6(月) 23:35 Yahoo!ニュース 

 ウクライナのゼレンスキー大統領が来年の大統領選挙に向けた準備を指示したと地元メディアが報じました。西側諸国の要請によるものだとしています。 ウクライナのゴンチャレンコ議員は5日、ウクライナメディアに対してゼレンスキー大統領が来年3月31日の選挙実施に向けて準備するよう大統領府に指示したと述べました。

 ウクライナでは戒厳令が敷かれているため、大統領選挙を実施できるかは不透明でした。 こうしたなか、ゴンチャレンコ議員は「大統領選挙は西側の要求であり、実施されなければゼレンスキー氏は正統性を失う」と説明しました。

 大統領選挙を巡っては、元大統領府顧問のアレストビッチ氏が1日に立候補する意向を表明し、ロシアに占領された領土について「政治的に解決する」と主張しています。

以上

 11月6日の日経新聞によれば、ゼレンスキー大統領は欧米の支援継続を求め奔走するなかで疲れ、ときには短気になっており、大統領側近によれば「西側支援国に裏切られたと感じている」(米タイム誌の話)、といいます。

 ウクライナは2022年のロシア侵攻後にEU加盟候補国となりましたが、加盟交渉に入るためには司法制度の改革や汚職対策の前進が必要になると言われています。何年もかかるとのことで、いま盛んにEU加盟交渉が取りざたされているのは、欧米のウクライナ支援の後退の煙幕という意味があるようです。

 また大統領の任期が来年5月に迫っていますが、戒厳令下にあっては選挙が禁止されています。戦局が膠着している中でアメリカをはじめNATO諸国は支援にネガティブになってきています。ゼレンスキー政権は現状での停戦を拒否しており、停戦を望む支援諸国は大統領の交替を望んでいるところもでてきているようです。

 ガザ戦争でイスラエル支持を早々と打ちだしたゼレンスキー大統領は4日の共同記者会見で、中東情勢の緊迫でウクライナへの関心が低下しているのは「事実だ」と認めています。大統領選をやればガザ戦争の評価においてもゼレンスキー大統領は批判を受けるでしょう。私はいまゼレンスキー大統領は権力を維持することに一所懸命になっているように思います。戦争継続はそのためではないか。

 即時停戦すべきですが、権力者の利害が絡む権力者による政治的停戦は新たな戦争の火種を残します。犠牲を強いられているウクライナとロシアの労働者民衆の戦争反対の声が今何より必要です。。