[1296]「プリゴジンの乱」とバイデン

 まず朝日新聞ニュースを引用します。

 

バイデン大統領、プーチン氏は「負けている」と指摘 言い間違えも 6/29(木)

9:00 Yahoo!ニュース 

 バイデン大統領は28日、ウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領について、「世界中でのけ者になった」と指摘した。 

 ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のプリゴジン氏による反乱の影響については、慎重に判断する姿勢を改めて示した。 バイデン氏はホワイトハウスで記者団に、プリゴジン氏の反乱を受けてプーチン氏が弱体化したかと問われると、「判断するのは難しいが、彼は(ウクライナでの)戦争に負けており、国内の戦いに負けている」と指摘した。バイデン氏はこの際、ウクライナと誤って「イラクでの戦争」と発言した。

 またプーチン氏について「世界中でのけ者になった」と述べ、「北大西洋条約機構NATO)や欧州連合EU)だけでなく、日本からもだ」と語った。

 プリゴジン氏の反乱をめぐっては、バイデン政権はこれまで「ロシアの国内問題」だと強調。影響についての具体的な評価を避けてきた。(ワシントン=清宮涼

朝日新聞社

 

 バイデンは28日まで「プリゴジンの反乱」にアメリカは関与していないと言い訳し、内政問題にはコメントしないとしていましたが、29日はいろいろしゃべっています。プーチンロシアの越境侵略によってはじまったウクライナ戦争を煽りつづけたのはバイデンです。アメリカは内政干渉どころか、戦争に加担しています。今さら「プーチンは世界中ののけ者になった」というバイデンは、思ったより反乱の影響が弱いことにがっかりしているように見えます。

 今回の「反乱」事件はプリゴジンのような、軍事行動を生業にしている人物がロシア側の重要な担い手になっていたことを明るみに出しました。言うまでもなく、プリゴジンは戦争に反対したわけではあリません。戦争のやり方や処遇に反発しSNSでショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長を非難していました。

 プリゴジンがただSNSでグチを言うだけではなく、反乱行動をしたということはプーチンのガバナビリティーが弱くなっていることを意味しています。

 またアメリカの情報当局はプリゴジンSNSを当然見ています。武器をよこせとショイグやゲラシモフに噛みつくSNSを見て、戦争の実質上の当事者になっているアメリカ当局がなにもしないでただ事態を傍観しているわけがないでしょう。

 プリゴジンのモスクワへの進軍に呼応する部隊、人がいなかったということはアメリカが何らかの工作したが奏功しなかったということと推断できます。

追記

 30日の朝日新聞によれば、ロシア軍副司令官スロビギンが「反乱」に関与したかどで拘束されたそうです。英フィナンシャル・タイムズがスロビギンが拘束されたとことを伝え、米ニューヨーク・タイムズはスロビギンは事前に反乱計画を知っていたと伝えました。

 スロビギンは今年1月総司令官から降格された人です。

 プーチンは自分の権力基盤を固めるためにスロビギンを処分するつもりのようです。

 世界のメディアはこの事件を虚実あわせて報道しています。ほとんどのニュースはアメリカ、ロシア当局のプロパガンダとしての意味を持っているので注意して見なければならないと思います。