[1513]廃炉は遠く

 

 毎日新聞福島第一原発の事故処理の現状を伝えています。廃炉作業は遅々として進んでいません。能登半島地震でも志賀原発は変圧器の油漏れで一部電源がストップしており、核燃料の冷却機能がピンチになる可能性もありました。住民の避難道路も寸断され今後に大きな不安を残しています。

 すでに川内原発や島根原発再稼働に反対する市民グループは、能登半島地震によって志賀原発の事故が起きたことを受けて再稼働の中止を県や電力会社に要請しています。

 福島第一原発廃炉作業の現状にかんする毎日新聞のレポートを紹介します。

東京電力福島第1原発を本紙記者に公開 廃炉完了、依然見えず

1/26(金) 18:34配信


毎日新聞

 東京電力は26日、福島第1原発事故から13年になるのを前に、福島第1の構内を毎日新聞記者に公開した。多くのエリアの放射線量はほぼ通常レベルで、一般作業服で行動できる。しかし、廃炉作業の最難関である溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の回収は難航。日々増える固体廃棄物の管理にも課題が残る。最長40年間とする廃炉の完了は、依然見えない。

 炉心溶融が起きた1~3号機の一燃料デブリは、2023年度中を目指していた2号機での取り出し開始について、3回目の延期をしたばかり。原子炉建屋内は線量が高く遠隔での作業が必須で、立ち入ることはできなかった。

 1~4号機側には、処理水をためる1000基以上のタンクが並び、5、6号機側では既存の固体廃棄物約52万立方メートルを安定的に保管するための貯蔵庫や処理設備の新設も進む。

 処理水の海洋放出が23年に始まり、タンクは徐々に撤去されていくが、固体廃棄物を処分するめどは立っていない。東電の担当者は「廃炉が進んでも出続ける放射性廃棄物の取り扱いが最終的に残る課題だ」と話した。【高橋由衣】

以上。

 原発事故事故が起きたら後でこうなります。

 けれども岸田首相は1月30日の施政方針演説のGX(グリーントランスフォーメーション)の項目で原発推進を明言しています。「原子力発電についても、脱炭素と安定供給に向けた有効な手段の一つとして、安全最優先で、引き続き活用を進めて参ります」と語りました。能登半島地震によって原発施設の危険性、避難路の確保の困難さが明確になっているにも拘らず、従来の原発政策を変更することはのべませんでした。

 安全性を最優先するというなら、地震国日本では全原発を止めるべきだと思います。岸田首相は危ないことがわかっていてもエイヤッとやって、後は野となれ山となれの人のようです。