[798](投稿)シリーズ核のごみどこへ

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<シリーズ評論 核のごみどこへ>40 福島のデブリも議論を 
原子力デコミッショニング研究会長 柳原敏氏(71)
02/06 10:27
やなぎはら・さとし 1950年長野県松本市生まれ。北大大学院修士課程修了。日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)を経て2014年から福井大付属国際原子力工学研究所特命教授。廃炉に関わる企業や研究者でつくる原子力デコミッショニング(廃止措置)研究会で21年から会長。

 原発の使用済み核燃料を直接処分する北欧などと違い、日本では使用済み燃料からまだ使えるウランやプルトニウムを取り出す再処理をした後に残る廃液を混ぜ固めたガラス固化体を高レベル放射性廃棄物(核のごみ)と呼ぶ。地下300メートルより深い地層に埋めて処分しようと原子力発電環境整備機構(NUMO)が処分地を探している。再処理や燃料加工の過程で出る超ウラン元素(TRU)廃棄物も地層処分する計画だ。▼ そこにもう一つ、2011年の東京電力福島第1原発事故で、地下深くに埋めざるを得ない廃棄物ができた。事故で溶け落ちた燃料(デブリ)だ。デブリを再処理することはあり得ない。専用の容器に入れ、安定な状態にした上で直接処分することになるだろう。▼ デブリや、デブリが付着した構造物をどうやって管理し、最終的にどう処分するかは決まっていない。本当に取り出せるかという課題もある。取り出せたとして、それをどこで処分するのか。東電は目の前の作業に精いっぱいで、先のことまで考えられていない。▼ ガラス固化体とTRU廃棄物に加え、デブリをどこに処分するかは重要な課題だ。処分地はなかなか決まらないだろうから、中間的に貯蔵する施設での長期保管を含めデブリの管理を考える必要がある。ただ放射能が下がるには長い時間がかかり、最終的にはどこかで処分しないといけない。▼ デブリだけではない。福島の事故で汚染された大量の放射能レベルの低い廃棄物をどうするか。福島だけでもない。事故がなくても廃炉になる全国の原発の解体で出る廃棄物をどうするか。そうした課題も先送りされたままだ。▼ 原発廃炉で出る低レベル放射性廃棄物はL1、L2、L3と分類される。L3は量が多いものの放射能レベルが極めて低いので規制の解除を含め原発の立地地域ごとに処分するのが合理的だ。逆に放射能レベルの比較的高いL1は量が少ないので立地地域に一つずつ処分場を造るのは合理的でない。ガラス固化体と同様に国内1カ所に集めたほうがいい。その処分地が決まっていないことも国民に広く知ってもらうべきだ。▼ 原発への賛否にかかわらず、廃棄物は既にある。原発の電気を使用した今の世代が次の世代に先送りすることなく、その解決のために前向きな議論を進めることを期待したい。(聞き手・編集委員 関口裕士)(北海道新聞デジタルより)

★★★大地震津波噴火の意見:
 柳原氏の冒頭の「原発の使用済み核燃料を直接処分する北欧などと違い、日本では使用済み燃料からまだ使えるウランやプルトニウムを取り出す再処理をした後に残る廃液を混ぜ固めたガラス固化体を高レベル放射性廃棄物(核のごみ)と呼ぶ」ということを念頭に置いて上記の柳原氏の意見をゆっくり読んでほしいと思います。
★「原発廃炉で出る低レベル放射性廃棄物はL1、L2、L3と分類される。L3は量が多いものの放射能レベルが極めて低いので規制の解除を含め原発の立地地域ごとに処分するのが合理的だ」が、「逆に放射能レベルの比較的高いL1は量が少ないので立地地域に一つずつ処分場を造るのは合理的でない。ガラス固化体と同様に国内1カ所に集めたほうがいい」というのが柳原氏の見解である。しかし、まずもって「その処分地が決まっていないことも国民に広く知ってもらうべき」で、その上で処分地を決めて行けば核のごみは何とかなるかのような幻想を人民に抱かせかねない見解を述べていると思います。
★しかし、原発を稼働させること自体が危険極まりないことだという立場ではありません。「よりましなやり方がある」ということですが、原発を稼働させている限り核のごみは増え続けます。
福島原発事故チェルノブイリ原発の過酷な事故を想起してみてください。未だいずれも事故の後始末もできないでいるのです。チェルノブイリ原発は新しい囲いを設けて100年はこれで管理するという放送が流されましたが、100年先までもつかどうかも怪しいのです。福島原発事故はほとんど手つかずと言ってよい状態です。というより、冷却して「凍土壁」で汚染水を止めるというアイデアが冷却水の管理がおろそかになり、脆(もろ)くも「凍土壁」が壊れ、汚染水が流出してしまいました。それに気づかない日々が汚染水とともに流れていました。
★ロボットを作り、メルトダウンした原子炉の中の状態を診ようとしましたが、ロボット自体が強烈な放射能のために操縦不可能になり、結局、今になってもこの計画も全く進捗(しんちょく)していません。鋼鉄でも原発の燃料の高温には耐えきれないばかりか、ロボットも電気信号も放射線に攪乱(かくらん)されてダウンすることが分かっただけでした。
★このような強烈な放射能が私たちを襲い、癌をはじめとするもろもろの病を引き起こす可能性が高いのです。新型コロナもなかなかコントロールできない政府や各都道府県は、焦りを感じているだけで原発同様に妙手がない状況です。ワクチン開発の遅れ、医療役の遅れ、検査体制の遅れ、検査手段の品薄、手薄な保健所職員の数、重症病床の数の制限政策…自宅療養という美名での「危険な自宅放置」で「死者の」増加や救急搬送も受け入れ先がない現実を生み出している「何もできない」岸田政権…しかし、原発から出る核のごみ=高レベル放射性廃棄物だけは時間とともに確実に増える一方です。もしも、ここに大地震、大火山爆発、大津波…等のの災害が加わると新型コロナの感染爆発を伴う二重三重の災害になります。
★このようなことにならないようにするには、とりあえず原発の稼働を止めることが先決です。感染対策の基礎研究、その他もろもろの基礎研究と人材育成に資金をつぎ込むべきです。★★★ 皆様はどのように思われますでしょうか?