[1571](寄稿)医療あれこれ(その105)ー1

ペンギンドクターより

その1

 皆様、早くも4月ですね。いかがお暮しでしょうか。東京のサクラの開花が3月19日とあったのが、異例の寒さで10日ほど遅れたようですが、一気に暖かくなりました。 

 私は朝起きるたびに節々の痛みを感じる日々です。「耳が遠く」なって聞き返すことが多く、さすがに「老い」を感じます。でも一日一日それなりに過ごすことができればいいと割りきっています。無理はしません。一日4000歩の歩行数ノルマは連続300日を越えました。
 1日1問の医師国家試験問題の正答率も約2000問中、76.4%と少しずつ上昇しています。2000問にもなると、同じような問題が繰返し出てくるので、上昇するのは当然かもしれません。おかげで、医療の最近の傾向を医師国試問題から推定できるメリットを享受しています。

 

  坪倉先生の放射線教室では、その5がトリチウムについて言及がないので、一回飛ばしてその6をお送りします。(編集者註∶明日紹介します。)

 それはともかく、先日NHKでは特集として「廃炉への道」を放送していました。またEテレの「サイエンスゼロ」でも2回にわたって福島原発廃炉関係を放送していました。どちらも録画して観ました。

 メルトダウンした原子炉のデブリは880トンもあり、デブリ取り出しの見込みは13年経過してもたっていません。全工程40年、デブリ取り出し完了10年余のスケジュールは13年たっても未だゼロです。この工程はアメリスリーマイル島での事故後の実績から決めたもので、そちらは一個のメルトダウン原子炉、福島は3個のメルトダウン原子炉であり、そもそも無理があります。

 識者の一部では、工程を変更すべきとの声もあるようですが、東電は目標を変えると技術者等の士気が鈍ると、変更の予定はないようです。でも、浪江町などの帰還者の不安に対し、小手先の情報では、懸念を払しょくできないと思うのですが……。ここが日本的です。つまり問題は全国民が注視する問題ですから、現実は現実として、無理なものは無理として、明らかにすべきなのに、先送りしているわけです。「汚染水ないし処理水」排出問題どころではないと思いました。 

 それはそれとして、NHKはポイントをついた報道をしていると思いました。

つづく