[1716]「多事奏論」、真夏の雷

久しぶりに高橋節が出ました。威勢がいいですね。

朝日新聞より

 

さらばヒラメ首相

主権者は大海原で船をこげ

2024/8/24 記者コラム 「多事奏論」

編集委員高橋純

 「人物評の定番に『器が大きい/小さい』があるが、はて、岸田文雄首相はどっちだろう?……うむ。大小の問題ではもはやないな。器がザル」「首相の任を全うすること能(あた)わザルなり。自ら身を引けぬなら、解散・総選挙で国民の信を問え」と当欄に書いたのは昨年11月。

 「もう言い飽きたからこれで最後にしたいのだけれど、岸田文雄氏は首相としての資質を欠いている。私はそう結論している」と書いたのは今年2月。

 ゆえに自民党総裁選に出ないと聞いても「ああそうですか。そんなことよりトコロテン食べません?」でしかない。世の中の関心も驚くほど低い。そりゃそうだろう。岸田氏はこの3年、国民とまともに目線を合わせてこなかったのだから。自業自得、ザルから出たサビ。ちなみに私はトコロテン好きではない。

 

 誰のため、何のために政治家になったのかわからない。首相になること自体が目的化し、首相になってなにをやりたいかが見えない――。かねて指摘してきた岸田氏の特質が、8月14日の不出馬会見には見事に「全部のせ」されていた。 民への謝罪は一言たりとてなし。

······民への感謝も一言たりともなし。」

 菅義偉安倍晋三も辞めるときには国民へのあいさつで締めくくられていたそうです。高橋さんはよく覚えています。

 「会見では、不出馬をさも前々から決意していたように語っていたけれど、『延命』のためにあがきにあがき、憲法改正までも利用しようとした姑息を決して忘れない。統一教会との関係に疑念を残し、政治資金を巡る法令順守すらおぼつかない者たちが憲法改正?

 笑止。物価高にあえいだり、復興の進まぬ被災地で途方に暮れていたりする民を尻目に、不要不急、まさに国民不在の憲法改正を『自分のため』に吹かす姿は、控えめに言っても醜悪であった。」

 「岸田氏はつくづくヒラメだと思う。周囲に応じて体色を変化させ、上ばかり見て、平べったくて鈍くさそうな見かけによらず口は大きく歯は鋭く、『弱肉強食』の海にあって食物連鎖の最上位いるとされる貪欲なヒラメ。······自民党総裁選は···候補者乱立の様相だが、しょせんは汚れが目立ついけすの中の争いである。大海原に船をこぎ出せば、もっと活きのいい美しい魚がいるやもしれぬ。見つけ出す努力を主権者は怠ってはならない。

 さあ秋はすぐそこ、政治の季節だ。」

 以上抜粋しましたが、真夏の怒りのカミナリです。

 「さらばヒラメ首相 主権者は大海原へこぎ出せ」という見出しがおおらかでいいです。

 メディア人、政治家はみんな読んで考えてみるべきです。あまり期待できませんが。