[487](投稿)<速報>政府、福島第一原発処理水海洋放出決定

福島処理水放出 疑念と反発招くだけだ
(2021・4・9 北海道新聞デジタルより)
 東京電力福島第1原発の処理汚染水について、菅義偉首相は薄めて海に放出する処分方針を念頭に「近く判断する」と表明した。
 水と性質が似た放射性物質トリチウムは除去できず残留したまま放出する。科学的には安全と説明するが環境への懸念は消えない。
 地元の反発は根強い。風評被害を不安視するのは当然だ。首相と面会した全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は「反対の立場はいささかも変わらない」と述べた。この声に耳を貸さず決定に踏み出すならば問題だ。放出は30年間続くという。一度決めれば突き進む国の手法が、福島事故の背景にあることを忘れてはならない。
 放射性物質の除去技術や安全性確立までの間、新たに保管場所を確保するなど国は海洋放出を回避する方策を最後まで探るべきだ。
 福島第1原発では、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やす注水や原子炉建屋内に流れ込む地下水などで、1日140トン程度の汚染水が増え続けている。浄化後、敷地内に保管した処理水は125万トン分に及ぶ。東電の試算では、保管タンクは来秋以降容量が満杯になるという。政府の有識者小委員会は昨年2月、大気放出も選択肢としつつ海洋放出が有力と提言した。トリチウムを一定濃度に薄めて海に流すことは国際的に認められている。気になるのは判断に至る過程が「日程ありき」で進んだことだ。工事や審査の時間を考え、来秋実施に間に合うことを優先させた。
 周辺には活用可能な土地もあり容量拡大を視野に入れていれば、期限に縛られることはなかった。昨年10月にも方針決定を模索したが、地元の反発を受け先送りした。課題放置のまま時間切れを待ったと見られても仕方がない。 汚染水対策に国が本腰を入れたのは、8年前の大量漏出発覚以降だ。この年、安倍晋三前首相が東京五輪招致に向け「状況はコントロールされている」と演説した。
 その後、地下水流入を抑えるための凍土壁導入は期待通りの効果を上げず、多核種除去設備(ALPS)もすべての放射性物質を取り除くことができなかった。政府が昨年7回開いた関係団体などの意見聴取会では、放出への風評被害懸念が多く出された。事故10年後の現在でも韓国や中国など15カ国・地域が食品の輸入制限や規制を実施している。
 場当たり的な対応は五輪にも影を落とす。国内外の疑念や反発を招く拙速な判断は避けるべきだ。

※※※ 真田幸村のコメント:13日、菅首相東京電力福島第1原発の処理汚染水放出方針を決定し発表しました。
 「科学的には安全」と説明するけれど、放射能が6ミリ飛ぶということは、体内に入れば隣の細胞に放射能の「弾丸」が当たり、細胞が死滅するか多様な細胞が癌化し、癌を発症するか、心臓血管系ならばでこぼこになり、脆(もろ)い血管になったり、血栓ができ、狭心症心筋梗塞脳梗塞なども起こしかねないと思います。▼放出は30年間続くと言われますが、スリーマイル島の第2原発事故で「正常に」稼働していた第1原発でさえ廃炉を終えるのに最低でも60年を見込んでいます。福島第1原発の汚染水の海洋放出の収束はほんとうに30年で済むのでしょうか?デブリを抱えている炉心の高温の発熱を抑えるために水を掛け続けて冷却を行かなくてはなりません。トリチウムの汚染水が出なくなる日はいつ来るのでしょうか?デブリ取り出しまで何年かかるのかも分からなわけです。その時まで、海洋に汚染水を流し続けなければなりません。そのことにも政権・政府・東電等の思いが及んでいるとは到底思えません。
 社説では「放射性物質の除去技術や安全性確立までの間、新たに保管場所を確保するなど国は海洋放出を回避する方策を最後まで探るべきだ」と主張しています。今も汚染水は1日で140トン程度増え続けていると言われています。現在、敷地内にある保管タンクは来年の秋以降に容量を超えると予測されています。国際的にトリチウムを海に放流することは認められていると言いますが、認めてはいけないことを原発を稼働する限り処理できないために仕方なく認めているだけであり、危険性はないと強弁するしかないから「危険性はない」と言っているだけです。今回の放流について、「気になるのは判断に至る過程が『日程ありき』で進んだこと」で、「工事や審査の時間を考え、来秋実施に間に合うことを優先させた」と正しく見抜いています。だから、4月13日には、汚染水の海への放流の閣議決定を4月13日に一気にやることになったということです。人の命や漁協組合などの反対は押し切ろうと考えています。汚染水の問題があるにもかかわらず安倍元首相はオリンピック招致のために、福島原発事故は「アンダーコントロール」されているとぬけぬけと言い放ったのです。「その後、地下水流入を抑えるための凍土壁導入は期待通りの効果を上げず、多核種除去設備(ALPS)もすべての放射性物質を取り除くことができなかった」わけで、さらに新型コロナの感染が、日々さらに拡大しています。
 社説の筆者は「事故10年後の現在でも韓国や中国など15カ国・地域が食品の輸入制限や規制を実施している。場当たり的な対応は五輪にも影を落とす。国内外の疑念や反発を招く拙速な判断は避けるべきだ」と自説を結んでいます。私は危険極まりない汚染水の海洋への投棄には反対です。世界中の原発の稼働・再稼働にも反対です。

読者の皆様は、汚染水の海洋への放流をどのように思われますでしょうか!?

[486](投稿)放射能汚染水海洋放出へ 焦る政府

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処理水 海洋放出へ 焦る政府

 東京電力福島第1原発の処理水の処分方法として、海洋放出は当初から有力視されてきたが、漁業者の風評被害への懸念が高い壁となっていた。政府は決断できないまま足踏みが続いていたが、菅義偉首相と全国漁協協同組合連合会(全漁連)の岸会長とのトップ会談が7日に実現し、処分方針決定に向けた地ならしは最終局面を迎えた。
 「全国漁業者の総意として反対。慎重な判断を求める」。昨年10月、経済産業省を訪れた岸会長は、梶山弘志経産相に強くくぎを刺した。
 同じ頃、経産省の担当者は福島県内の自治体を回り、海洋放出を前提とした説明を開始。10月中にも方針決定に持ち込む構えだったが、漁業関係者の猛反発に配慮せざるを得ず、決定を先送りした。
 こうした動きに、梶山氏は「丁寧に事を運びたい」とトーンダウン。風評被害対策の具体化や丁寧な情報発信に向け、各省庁での検討や関係団体との意見交換を重ねてきた。
 一方、東電は第1原発敷地内での処理水の保管容量は、早ければ2022年秋にも限界を迎えるとしている。放出準備だけでも2年程度かかる見込みだ。菅首相も「できるだけ早く政府として処分方針を決めたい」と明言。政府内では「一刻の猶予もならない」と危機感が募っていた。
 そこに待ったをかけたのが、新型コロナウイルスの感染拡大だった。1月には東京に緊急事態宣言が再発令され、経産省幹部は「岸会長が上京できず、対面での議論が積み上げられていない」と嘆いた。
 昨秋の決定先送りから5ヶ月余り。政府高官は「反発に対する冷却期間を置く意味合いもあった」と説明するが、7日の会談後、岸会長は「絶対に反対の立場はいささかも変わりはない」と、ぶれない姿勢を示した。全漁連は風評被害への対応や安全性の担保などを求めており、政府がどれだけ応えられるかが焦点となる。
 首相は岸会長との会談後、官邸で記者団の質問に応じたが、海洋放出という言葉は使わなかった。今後の折衝をにらみ、地元を刺激することを極力避けようとしたとみられる。政権幹部は「最終的にどう折り合いをつけるか、これからが正念場だ」と意気込む。
 一方、別の政府関係者は「全漁連にも立場があり、最後まで反対するのは織り込み済みだ。首相と岸会長が会って直接意見を交わしたという実績が必要だ」と強気だ。
漁業者「風評払拭 振り出し」
 東京電力福島第1原発の処理水を巡り、菅義偉首相が漁業団体トップに海洋放出不振の決定への理解を求めた7日、福島県の漁業関係者の間で「10年間、風評払拭(ふっしょく)で苦労してきたのに、振出しに戻るのではないか」と懸念が広まった。放出した場合の風評被害への対応を求める声は根強い。
 第1原発から6㌔にある浪江町の請戸漁港。漁の準備に来た40代男性は「どうしても海に流したいのなら、東電で出た処理水だから福島ではなく東京湾に流すのが筋だ」と語気を強めた。
 福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は3月末で試験操業を終え、数年かけて漁の自主的な制限を段階的に緩和していくと決めたばかり。漁業者にとってこれからという時に水を差される形だ。
 福島県機船底曳網漁業組合連合会の高橋通会長(65)は「漁業者を苦しめないような別の方法はないのか」と声を荒らげる。「僕らがどんなに『大丈夫だ』と言っても、受け手がどう感じるかは別問題。海外からどうとらえられるかも心配だ」と訴えた。

5案現実的に絞り込み 政府委
 東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の処分方法を巡っては、政府小委員会により地層注入、水素放出、地下埋設も含めた五つの処分方法が検討された。国内外で実績がある海洋放出と大気放出が現実的とした上で、放射性物質監視などの面から、海洋放出の方が「確実」と結論づけた経緯がある。
 処理水には、人体への影響が少ないとされる放射性物質トリチウムが除去し切れずに残るが、トリチウムを含んだ水は、福島第1原発でも事故前の運転中に海洋に放出されていた。国内外の稼働中の原子力施設からも放出されている。海洋放出は、大気放出と比べて希釈や拡散の状況が予測しやすく、監視体制を構築しやすいのがメリットとされた。
 大気放出は米国の原発事故で実施された実績があるが、加熱のための大がかりな施設が必要となり、風雨の影響で拡散予測は困難なのがデメリットだ。
 一方、地層注入は実績がない上、新たに用地取得が必要となり、監視する手法が確立されていない。水素放出は新たに技術開発が必要で、水素爆発の危険性もある。地下埋設は処分場の確保や新たな規則が必要だ。
 こうしたことから3案とも現実的でないとして、退けられた。(2021・4・9北海道新聞より)

※※※ 石川木鐸のコメント:漁連会長と菅首相との会談のその後の報道では、4月13日にも福島原発から出ているトリチウムが残っている汚染水を海洋放出する閣議決定がなされると書かれています。政府は汚染水のタンクが2020年の秋には満タンになるとみているので、急いで閣議決定をして、汚染水を海洋に流す装置を作成し、海洋に汚染水を垂れ流したいという思惑があるからです。海洋に流す方がタンクを増設するより安価だと踏んでいるからです。人や環境の汚染などには「知らぬ顔」です。

 また、上記の北海道新聞の「処理水には、人体への影響が少ないとされる放射性物質トリチウムが除去し切れずに残るが、トリチウムを含んだ水は、福島第1原発でも事故前の運転中に海洋に放出されていた。国内外の稼働中の原子力施設からも放出されている」という記事の内容に注目しなければなりません。

 世界の各原発は、日本を含めて、これまでも平気で汚染水を海洋投棄していたことが分かります。この汚染水は、ALPSなどで多少とも核のごみを浄化したものではありません。原子炉の「死の灰」をすべて含んだ汚染水を海洋投棄していたのです。英国のセラフィールド原発からは、長いホースを海底に設置して、死の灰を含んだ汚染水を長い間流していました。向こう岸には「アイルランド」があり、狭い海域が死の灰の汚染水で汚されて、海洋・海底・海産物はすべて放射能まみれになっているわけです。日本でも、福島第1原発事故以前も現在再稼働している原発でも汚染水を海洋に投棄しているのが実態です。

 海洋投棄だけではなく時にはセラフィールド原発では空中に死の灰を含んだガスを放出していました。風下に当たる地域に白血病を発症する人がたくさん出たと原発関連書に書かれています。(「ウィキペディア」で「セラフィールド原発」を調べてみてください)

 これ以上、海洋を死の灰による汚染を止めなければならないと思います。そのためにはすべての原発の稼働を止める必要があります。死の灰による大気への死の灰のガスの放出汚染もしてはなりません。

 読者の皆様、海で仕事をされている方、関連産業に関わっている方々、海産物を食している方々、すべての方は現政権の海洋投棄方針に反対の声を上げて行こうではありませんか!!そうでなければ、死の灰による放射能によって生じる様々な病を防ぐことはできません。新型コロナによる被害よりももっともっと恐ろしい被害を被らないようにしていきましょう!!放射能は若い細胞により強く破壊的作用を及ぼします。大人より子供に、男より女性に大きなダメージを与えます。これは回避しなければなりません。一致団結して「汚染水の海洋投棄」を阻止しましょう!!

[485](投稿)二階の本音

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二階氏、GoToトラベルの必要性強調「恐れとったら何もできない」
 (MSNより引用)
2021/04/04 15:28

自民党二階俊博幹事長は4日に放送されたBSテレ東の番組で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて停止中の政府の観光支援策「Go To トラベル」について「経済効果がある」として必要性を強調した。再開する場合の一定の感染リスクを認めつつも「恐れとったら何もできない」と述べた。
 再開は困難ではないかと聞かれた際、二階氏は「全国旅行業協会の会長もやっているから、Go To トラベルばっかり『やれ、やれ』って言うわけにはいかない」としたうえで、トラベルについて「それぞれの地域、市町村、過疎、過密(の状態にかかわらず)あらゆる都市にくまなく、努力しただけの経済効果がある」と指摘した。
 再開した場合に生じる感染拡大の危険性を「多少そういうことはありますけどね」と認めつつ、「それを恐れとったら何もできない。全員、家に引きこもって、表(玄関)閉めときなさいって。これじゃあ、日本経済が止まってしまう」と語った。
 さらに「みんな常識があるんだから、大丈夫」と明言。その根拠の一つとして、「日本の医療は進んでいる」「隣近所に信頼できるお医者さんが、みんないてくれる」と日本の医療提供体制を挙げた。(野平悠一)

※※※ 骨川筋衛門のコメント:とうとう二階幹事長は、「全国旅行業協会の会長もやっている」と居直って白状し、「Go To トラベル」を強行する宣言をするに等しいことを述べています。新型コロナウイルスの感染を「恐れとったら何もできない。全員、家に引きこもって、表(玄関)閉めときなさいって。これじゃあ、日本経済が止まってしまう」と語り、これからも経済効果があり必要だからやる、止めたら日本の経済は止まってしまうと言っています。▼根拠は①「みんな常識があるんだから、大丈夫」②「日本の医療は進んでいる」・「隣近所に信頼できるお医者さんが、みんないてくれる」と日本の医療提供体制を挙げました。

 しかし、各種の報道では、「3三密」を守らない(守れないも含む)。外で酒を買って飲んでいる。昨年の11月の勝負の時に二階氏は王貞治氏などを含む大勢の中に菅首相も呼び出して、「宴会をしていた」、最近では、大阪市で市職員が宴会をやり、2つのクラスターを生んでいる、店も密かに夜遅くまで開けている…数えきれないほど「非常識」なことを平気でやっています。これらのどこが「みんな常識があるんだから、大丈夫」と断言できるのでしょうか!!▼また、「日本の医療は進んでいる」・「隣近所に信頼できるお医者さんが、みんないてくれる」と言いますが、PCR検査が少ない、ワクチンも自国で作れない、ワクチン接種が遅れている、ワクチン接種体制もワクチンの入荷が少ないため計画できないと嘆いている。重症患者さんたちを多く引き受ける病院が少ないためいつも医療の逼迫(ひっぱく)を憂いている都道府県知事が多い。なぜ、大学病院は新型コロナ患者を引き受けないのかなどと議員まで「苛立つ」…などを鑑みると「日本の医療は進んでいる」・「隣近所に信頼できるお医者さんが、みんないてくれる」と言えるのか不思議です。▼ただただ「全国旅行業協会の会長もやっている」ので、「Go To キャンペーン」が止められなだけではないかと思うのです。もとより、「Go To キャンペーン」は「Go To トラブル」になると指摘してきましたが、二階氏に押された菅首相が、「GO」サインをだして「Go To キャンペーン」を前倒しまでしてやった結果、感染が蔓延(まんえん)してしまいまいました。▼教訓はただ一つです。政治家の言葉を信用してはならぬということです。これは「Go To キャンペーン」に限らず、「原発は大丈夫」だとか「核のごみ」を穴埋めしても大丈夫だとかを信用してはならないということも含んでのことです。

読者の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか!?

[484](投稿)福島原発処理水会議、13日

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政府、13日にも原発処理水会議 首相は全漁連会長と面会へ
(2021/04/06 13:28 北海道新聞デジタルより)

 政府は、東京電力福島第1原発の処理水処分問題を巡り、早ければ13日にも関係閣僚会議を開催する方向で調整に入った。これに先立ち、菅義偉首相は7日にも処理水の海洋放出に反対する全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長と面会する予定だ。政府関係者が6日、明らかにした。▼ 処理水に関しては来年夏にもタンク容量が限界になる。政府は海洋放出を検討しているが、風評被害を懸念する漁業者は猛反対している。首相と岸会長との面会で、岸氏の理解が得られるかが焦点だ。内容次第で関係閣僚会議の日程も前後する可能性がある。▼ 首相は3月、国会答弁などで、処理水処分問題について「いつまでも決定せず、先送りはすべきではない。適切な時期に処分方針を決定したい」と述べていた。政府は9日、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法に関し、海洋放出とする方針を固めた。13日にも関係閣僚会議を開き、正式決定する見通し

※※※ 真田幸村のコメント:4月9日の報道では、来週13日には「海洋へ東京電力福島第1原発の処理水」を海洋に放出する「関係閣僚会議を開き」汚染水処理の正式決定をする予定となりました。首相にとって全漁連の会長との話し合いは方針決定の通過儀礼のようなものではないでしょうか。
 菅首相は「いつまでも決定せず、先送りはすべきではない。適切な時期に処分方針を決定したい」と言っていましたが、「処分方針」を決定したのです。
 WHOなどが決めている基準値を下回るようにすると報道されていますが、フランスから導入した「ALPS」で取り切れず残存している「トリチウム」が問題になります。経産省資源エネルギー庁のホームページに書かれていますが、トリチウムは、放射線にはα(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマー)線という3つの放射線の中の放射線の一つであるβ線を出し、空間では6ミリメートル飛び、薄紙1枚で止まると書かれています。遺伝子に対しても紫外線と比較するとかなり安全と書かれています。
 しかし、紫外線とトリチウムを比較すること自体に意義があるのか疑問に思います。安全だということを強調したいために書かれていると考えます。体内に吸収され、細胞に入って普通の水と同様の働きをすると遺伝子だけではなく、細胞内にあるいくつもの「細胞小器官」に与える影響などには触れられていません。安全であれば、トリチウムの海洋放出が問題になるわけがないと思います。安全でないから「汚染水の海洋放出に反対」という声が上がっているのです。▼小出氏によると、六ケ所再処理工場から放出が予定されていたトリチウム三重水素)を海に放出する計画では、その量は年間1万8000テラベクレルで、1日あたりでは約60テラベクレルです。このトリチウムを原子炉規制法で放出される濃度(一立方センチあたり60ベクレル)までトリチウムを薄めるためには、毎日100万トンの希釈水が必要になります。つまり、六ケ所再処理工場は毎日100万トンもの水で薄めなければ流すことのできない毒物を海に流す工場です。六ケ所再処理工場の排水口は沖合三キロ、深さ四四メートルの海底に設置される予定でした。そうでもしなければこの膨大な毒物を排出できないからです。排水口を沖合に持って行っても毒物はなくなるわけではありません。より広く拡散され、汚染を広げてしまいます。(注1)福島第1原発に保管され、また、日々増えている汚染水を海洋に投げ捨てて「希釈」しても、毒物であることに変わりはありません。また、この毒物を吸収した海洋生物を他の海洋生物が捕食し、最終的に人間が食べるという循環が起こり、生物から生物に手渡しされていくうちにトリチウムは濃縮されて行きます。これを摂取すると高濃度のトリチウムを持った海洋生物を私たちは取り込むことになり、トリチウム放射能を大量に継続的に浴びることになります。▼このような汚染水は日本を含め各国の各原発から海洋や河川に、毎日投棄されているのが現状です。イギリスのセラフィールド原発(その前はウィンズケール原発という名前でした)では、汚染水は英国本島の中西部側にあり、対岸にはアイルランドがある「内海」で、汚染水を海の中に投棄する排出設備を作り、海底に排出口を設けて放射性毒物を放出していました(火災も起こした原発です。長年、排気口から空気中に放射性物質を廃棄していたため、風下では白血病を発症する人が顕著に増えました)。▼小出氏は希釈の基準値の作成過程を「仮定に仮定を積み重ねた計算」でできているものだと喝破し、「被曝の評価シナリオ事体に欠陥がある」と批判しています。また、海洋放出を選ぶのは、タンクで保管することに比べて極めて安価だからであり、人命・人体・自然環境への影響などは見ぬふりというよりも「計算ずく」で行っているからです。(中間貯蔵施設の建設を巡り、2014年6月16日に、石原環境大臣が「最後は金目でしょ」と発言しましたが、現政府の汚染水の海洋投棄も結局「最後は金目でしょ」ということです)。今回の汚染水の海洋投棄の早期決着は、お金がかかることを避けて通ることを選んだ結果であり、人命を軽視し、海洋で希釈すると海洋を汚染するだけでなく、トリチウムでできた水が水蒸気となり、雨となって山や川などの陸地にも降り注ぐことになり、海で生計を立てている人だけではなく、陸地で生活している人たち、すなわち日本国内の人びとだけではなく、全世界の人びとに放射能の影響が及ぶことになります。▼全力で、汚染水の海洋投棄に反対して行かないと私たちが住む「地球」まるごと汚染をしていきます。読者の皆様とともに、汚染水の海洋投棄に反対して行きましょう!!

参考文献 1:「隠される原子力 核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ」小出裕章著  創史社 刊 

参考 2:「陸も海も汚染したセラフィールド原子炉事故」

アドレスは:陸も海も汚染したセラフィールド原子炉事故 | 非核の政府を求める大阪の会 (hikaku-osaka.jp)

[483](投稿)寿都町長、核のゴミ処分場調査応募にむけ、18年春から動きはじめていた

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核のごみどこへ 
核ごみ文献調査応募 寿都町長18年春から検討 町民への説明と相違

寿都】後志管内寿都町の片岡春雄町長が2018年4月、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査への応募を町の産業団体幹部に打診していたことが関係者への取材で分かった。町長はこれまで町民に対し、18年9月の胆振東部地震を受け、町内の地盤調査に必要な財源を探す過程で核のごみの地層処分を目的とした調査の活用を思い立ったと説明していた。実際は地震前から応募を検討していたことが明らかとなり、整合性が問われるのは必至だ。
 複数の関係者によると、片岡町長は18年4月4日、町内の産業5団体の幹部との異業種懇談会で、文献調査を受け入れれば多額の交付金が得られると説明し、応募に前向きな姿勢を示した。懇談会には商工会、建設協会、観光物産協会、水産加工業協同組合、漁協の各代表が出席したが、1人が強く反対し、議論は打ち切りになったという。
 町は昨年8月に応募検討の動きが報道で表面化してから同10月に応募するまで、経済産業省担当者らを招いた住民説明会を9回開催。町長はこの場で文献調査への応募を検討し始めた経緯について「胆振東部地震を受け、文献調査に応募して町内の地盤が安全か調べたかった」と説明し、ボーリングを行う第2段階の概要調査にも進みたいとの意向を示していた。
 問題が表面化する前の昨年2月に非公開で開かれた町議会全員協議会でも同様の説明をしていた。
 異業種懇談会の出席者の1人は「町長は懇談会で、多額の交付金を得られる調査があると間違いなく話した。その後、それらしい理由を付けるために地震を持ち出したのだろうが、地震の被災者に失礼だ」と批判した。
 片岡町長は北海道新聞の取材に、懇談会で文献調査を話題にしたことについて「記憶にない。話をしたとしても雑談だったと思う」と説明する一方、文献調査の存在については「地震前に全く知らなかったわけではない。説明に問題があるとは考えていない」と答えた。
 町長は今秋の町長選に6選を目指して立候補する意向を表明している。(岩内江平)

核のごみの最終処分場選定に向けた調査 活断層などの活動記録の資料を調べる文献調査(約2年)、ボーリングで地質を調べる概要調査(約4年)、地下施設を作って試験を行う精密調査(約14年)の3段階ある。対象となった自治体には文献調査で最大20億円、概要調査で最大70億円が交付される。精密調査の交付金額は未定。(2021/04/04 北海道新聞デジタルより)

※※※骨川筋衛門のコメント:寿都(すっつ)町の片岡町長はこれまで町民に対し、「18年9月の胆振東部地震を受け、町内の地盤調査に必要な財源を探す過程で核のごみの地層処分を目的とした調査の活用を思い立った」と説明していたが、実際は地震前から「核のごみ」の最終処分場選定に向けた文献調査への応募を18年4月4日に町の関係団体幹部に打診していたことが関係者への取材で分かり、町長の説明の「整合性」が問われるのは必至だと記者は言っています。五つの関係団体(商工会、建設協会、観光物産協会、水産加工業協同組合、漁協)の代表の中で一人が反対したため、この時の審議は打ち切りとなりましたが、その後も水面下で経産省と打ち合わせを進めていて、昨年8月に文献調査応募を検討していることが表面化してから同10月に応募するまで、経産省担当者を招いた住民説明会を9回開催し、町長はこの場で文献調査への応募を検討し始めた経緯について、上記の「胆振東部地震」を出発点にしたと説明し、ボーリングを行う第2段階の概要調査にも進みたいとの意向を示していたのです。

 「異業種懇談会の出席者の1人は『町長は懇談会で、多額の交付金を得られる調査があると間違いなく話した。その後、それらしい理由を付けるために地震を持ち出したのだろうが、地震の被災者に失礼だ』」と批判したことに対して、片岡町長は、「記憶にない。話をしたとしても雑談だったと思う」と説明する一方、文献調査の存在については「地震前に全く知らなかったわけではない。説明に問題があるとは考えていない」と答えていますが、これらは最近の政府官僚の、とりわけ総務省の官僚の答弁と同質の「悪意ある逃げと開き直りの答弁と同質」のもの、すなわち「記憶にない」を連発して、逃げまくり、追い詰められれば居直る一手で今日まで来ています。

 このような裏表のある人物の「長期政権」に対して、「ダメなものはダメと」町民の皆様は反対して行く必要があると思います。

 もちろん町民の方々だけではなく、道民も全国の人民の方々も一丸となって反対して行きましょう!!

 一時、「核のごみ」の収入で、町は潤うように見えても、福島原発事故のような未曽有(みぞう)の思わぬ事故が起こるのがこの世の常です。10万年以上かかっても消えない放射性物質を子孫に残していいものでしょうか!?一時の栄華は儚(はかな)く、露と消えてしまいます。

 未だ10年経ても福島原発事故の産物の核のごみ=高レベル放射性廃棄物の生々しさはいささかも消えていません。消えたのは、昔から続いていた漁業や農村や町などであり、そこに住んでいた人や人と人とのつながりです。そして、飼っていた牛や、耕していた農地住み慣れた家などです。

 「都会に出ても見知らぬ人と話もできないのが寂しい」と、ほとんどの人がいなくなった福島の除染も不十分な村や町に一人戻ってきた人もいますが、残念ながらかつての隣人や知人はほとんど雲散霧消していました。寿都町をそのような町にしてもいいのでしょうか。

 核のごみ問題は寿都町だけも問題ではなく、北海道、さらには日本の原発の稼働を止めて廃炉にするかどうかが問われていると思います。そして、そこに残っている「核のごみ」をどのようにしていくのかが、全世界の人びとにも日本という国に住む私たち自身も問われていると思います。

 安全というならなぜ、東京や大阪など人口の多い地域に核のゴミを埋め立てないのでしょうか?答えは単純です。極めて危険だからです。原発そのものと同じく危険だからです。もう一度、福島原発事故のことを思い出してください。核のゴミから出る高レベル放射能は、新型コロナと同じく、人を選ばず多種多様な害を及ぼします。残念ながら、原発の核のごみに対する「ワクチン」、「放射性物質放射能」に対する特効薬などの解決策は未だ発見されていません。

 分かっていることは、例えば今は故障続きで工場は停止したままですが、六ケ所村でつくられる核のゴミを閉じ込めて保管する容器とその放射性物質が入っている「ガラス固化体」からでる放射能は近づくと20秒で近づいた人を「殺害」するほどの強力な殺傷能力を発揮するということです。

 しかも、放射能物質の放射能が消えるのはよく言われる10万年ではありません。放射性物質の種類は多くの種類があり、長いものは、放射能を失うまで100万年以上要するものもあります。

 また、いわゆる「常識」と異なり、低線量の放射性物質も、低線量になればなるほど人に癌を生み出すなどの害を及ぼすと言われています。これ以下だと「安全」という下限がないのです。(下記の参考文献をお読みください)。

 このような事を国や経産省やNUMOが明らかに伝えるわけはありません。秘匿(ひとく)していると思います。

 読者の皆様、寿都町神恵内村の皆様、寿都町神恵内村に核のゴミを持ち込まないようにしようではありませんか!!


参考文献:『隠される原子力 核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ』

       小出裕章 著 創史社刊 


◆◆◆ 忘れたと言えと言われ忘れたとトラウマ残る残酷なこと 


◆◆◆ 記憶いい忘れられない官僚は忘れるすべを忘れてしまう


◆◆◆ 片岡は記憶にないと言っちゃったそれで良いのだそれでよいのよ


 嘘槻町長(うそつきちょうちょう) 
片棒担偽(かたぼうかつぎ)春雄 作

[482]ミャンマーに経済進出する中国、クーデターを黙認

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「〔478〕ミャンマー緊迫」のつづきです。
 ミャンマーでは軍政にたいする不服従の運動が継続されています。しかし軍の弾圧はエスカレートしています。武力弾圧で4月8日までに598人が殺害されました。また、7日軍はクーデター政権に抵抗するチョーズアミン駐英大使を大使館から暴力的に閉め出しました。そしてSNSを通じてクーデターに抗議する俳優・歌手などの著名人100名以上を指名手配しています。
 アメリカ、中国をはじめ各国はそれぞれの思惑をもってこの事態に対応していますが、ミャンマーとの経済的関係を強めている中国の動きに注意しなければなりません。
社会主義国」を自称する中国は、ミャンマーのクーデターにたいして「静観」し、国軍が軍政反対の非武装のデモに発砲し労働者学生市民を虐殺していることにたいして「内政不干渉」を名目として事実上擁護してさえいるのです。

 今年1月、中国王毅外相がアウンサンスー・チー、国軍フライン司令官と会談、協力関係確認

 2月1日のクーデターの約3週間前、中国の王毅外相はミャンマーを訪問していました。王外相は、1月11日にミャンマーのウィン・ミン大統領、アウン・サン・スー・チー国家顧問と会談し、その翌日には、ミン・アウン・フライン国軍司令官と会談しました。
 1月11日の会談で王外相はミャンマーに30万回分新型コロナウイルスワクチンを無償供与すると発表しました。 そして12日、中国外務省は「中国はミャンマーの必要に応じて感染対策物資を引き続き提供する。一部のワクチンを無償供与し、ワクチン分野の協力に関する協議を継続する」との声明を発表しました。
 スー・チー、ウィン・ミン大統領との会談では、中国が「一帯一路」の一環に位置付ける「中国・ミャンマー経済回廊(CMEC)」の推進を確認しており、またそれに先だつ前日の10日、両国は、鉄道計画の事業化調査推進の覚書を交わしています。ミャンマー第2の都市マンダレーと、ラカイン州チャオピューを結ぶ鉄道です。チャオピューには中国が主導して深海港や経済特区(SEZ)を建設する予定です。
 
治安での協力も確認
 ミャンマーの国営紙によると、1月の会談で両国は中国国境地帯での治安問題で協力するほか、国連での対応を含む連携も確認したと報じられました。 
 ミャンマーイスラム教徒少数民族ロヒンギャの迫害問題で国際社会の批判を浴びています。昨年末を含む例年の国連総会で中国は、ロヒンギャの人権問題に関する決議に反対票を投じ、ミャンマー政府を擁護しているのです。中国外務省によると、ミャンマーのウィン・ミン大統領は「中国人の台湾やチベット新疆ウイグル自治区をめぐる問題について中国の立場を引き続き支持する」と話したといいます。
 
  王毅氏は1月12日にミン・アウン・フライン国軍総司令官とも会談
 
 王毅外相はミャンマーのミン・アウン・フライン国軍司令官との会談で「中国・ミャンマー経済回廊」に対する軍の支援を求めました。(ロイター通信)
経済回廊には、輸送などのインフラ事業が盛り込まれているが、対象地域には、少数民族同士の対立や少数民族と政府軍の対立が起きている地区が含まれるからです。ミャンマー北東部の戦闘で避難民が中国に流入するケースも出てきています。
 
中国はワクチン外交を手段としながらミャンマーとの政治的経済的軍事的関係を良好に保ち「一帯一路」という戦略的構想の推進をはかってきているのです。

 しかし、2月1日国軍によるクーデターが勃発しました。
 
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報(英語版)は1日、「ミャンマーの現政権と軍の両者と関係が良好な中国は、両者が妥協案を協議するよう願っている」という専門家の見方を紹介し、共産党の姿勢を示しました。
 
王毅外相は1月12日のフライン司令官との会談で、クーデタ―行動の感触を得ていたのは間違いないと私は思います。中国政府はどうすれば中国が得するのか事態の推移を見ることにしたと推測できます。
 ミャンマーの労働者農民学生たちは軍の弾圧に屈することなくたたかいを続けています。私はこの闘いを支持し支援する立場にたって、今やミャンマーを自国の利益を実現するための手段として利用する中国政府に抗議していかなければならないと思います。
現代中国とは何か、どのように変わってきたのか次回考えたいと思います。
 巷間、中国を「ネオ・スターリン主義」(スターリン主義の新しい形態)と呼んでいる向きもあるようですが、現代中国をスターリン主義の直接的延長線上で規定することはできません。スターリン主義とはマルクスレーニンの思い描いた社会主義のゆがめられた形態です。スターリン以降のソ連邦は一国社会主義建設可能論にもとづいてソ連型「社会主義」を地理的に拡大していくという路線をとっていました。いまの中国共産党は一国社会主義とはいえません。一帯一路戦略は経済的には中国資本をアジア・中東・アフリカ、欧州にまで広げていくことがめざされているのです。
 それは1920年代のソ連のNEP(新経済政策)のようなものとは異なります。当時のソ連社会主義への過渡期国家建設のために内戦で疲弊したソ連経済を立て直すことを目的として限定的に市場経済を導入したのです。中国は転向したスターリン主義党官僚にレギュレイトされた国家資本主義の発展を自己目的化しているのです。
つづく

[481](投稿)原発、変わらぬこわさ

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変わらぬ怖さ
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カリフォルニア州にある原子力発電所を、地元テレビ局の女性キャスターらが取材に訪れる。その時、地震が発生し、原子炉は緊急停止。炉心の冷却水が漏れた。そのうえシステムが誤作動し、水位計は下がらず、事態の把握が遅れる。炉心溶融一歩手前の状況が迫った▼米映画「チャイナ・シンドローム」の冒頭場面だ。米国での公開は1979年3月だった。その直後、ペンシルベニア州スリーマイル島原発で、映画に似た事故が起こる。42年前のきょうのことだ。映画は予言と言われ、注目を集めた▼10年前の東京電力福島第1原発事故の数日後、この原発周辺を取材した。当時駐在していた首都ワシントンから車で2時間ほど。状況が全く分からないまま避難させられ、「今でも恐怖が蘇(よみがえ)る」と話した被災者を思い起こす▼わが国では今も、多くの人たちが地元福島に戻れずにいる。一方で核のごみの最終処分も見通せないまま、政府は原発再稼働へ動きを強める▼東電柏崎刈羽原発ではテロ対策に重大な不備が見つかった。原子力規制委員会による抜き打ち検査の結果だ。放置するつもりだったのか。そんな危うさを感じる▼映画で「大衆は事故の際、危険にさらされたのか」と原子炉管理責任者が問われる場面がある。答えは「原発では起こりうる事故はすべて考慮されている。あれは事故ではない」。今も変わらぬ体質に身が凍る。(2021・3・28北海道新聞デジタル『卓上四季』より)



※※※ 真田幸村のコメント:1979年3月28日、米東部ペンシルベニア州スリーマイル島原子力発電所の2号機の原発炉心溶融メルトダウン)が発生しました。1974年に営業運転を開始した1号機は2034年までの運転許可を取っていましたが、再生可能エネルギーの普及や天然ガス価格の低下で採算が悪化し、運営する電力大手エクセロンが州政府に、温室効果ガスを排出しない電源としての優遇措置を求めていましたが、実現しませんでした。ブライアン・ハンソン上級副社長は「州が、この安全で信頼できる炭素排出ゼロ電源の運転継続を支援してくれないことを残念に思う」とコメントしています。
 エクセロンが米原子力規制委員会に提出した計画では、1号機は使用済み核燃料を炉心から取り出してから廃炉作業に着手しますが、当面は放射能レベルが下がるのを待つため、冷却塔や建屋の解体が終わるのは79年の予定です。つまり、2019年から60年の長い歳月をかけて解体作業をすることになり、費用は1号機だけで10億ドル(約1千億円)以上かかると見積もっています。

 原発事故でなくても、原発の解体をするには長い期間と多額の費用を要するかが良く分かります。この事故から、福島第一原発事故を費用と解体に要する期間を想像するとどうなることかと思います。

 にもかかわらず、北海道電力では「財務状況が悪化している」ため、休止している泊(とまり)原発の再稼働を規制委員会に申請しています。「炭酸ガスを出さないために原発を役立てたいという名目」で菅政府の「脱炭酸ガス政策」に賛意を表明しましたが、本心=狙いは「原発稼働で儲けたい」ということにつきます。

 スリーマイルの原発1号機は2034年までの運転許可を取っていましたが、再生可能エネルギーの普及や天然ガス価格の低下で採算が悪化し、運営する電力大手エクセロンが州政府に、温室効果ガスを排出しない電源としての優遇措置を求めていましたが、米国のペンシルベニア州許可しませんでした。その後も米国は新しい原発を増設をしていません。この点が、日本の再稼働推奨政策?と全く異なる点です。エネルギー資源の種類と量の豊かさの違いもありますが、福島原発事故の後始末に必要とする費用計算結果を明確に出して、原発再稼働を止めるべきだと考えます。

 安倍元首相は「アンダーコントロール」と言いましたが、全く「アンダーコントロール」とは、程遠い状況だと思います!!



★ 福島原発事故の現実を知るために、下記の書をお勧めいたします。

原発事故は終わっていない 福島原発事故から10年』 小出裕章著 毎日新聞出版

定価:1430円